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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日・カンボジア共同記者発表

[場所] 
[年月日] 2025年5月30日
[出典] 首相官邸
[備考] 
[全文] 

【石破総理冒頭発言】

 フン・マネット首相閣下、令夫人、御一行の皆様の御訪日を心より歓迎申し上げます。

 日本とカンボジアは、カンボジアの和平・復興・発展における協力を通じて、信頼関係を築いてまいりました。日本とカンボジアの間には、ウクライナを始めとする世界の地雷対策など、長年の協力と信頼関係があればこそできる協力が存在をいたしております。

 本日は、フン・マネット首相との間で率直な議論を行い、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現及び多角的自由貿易体制の維持・強化に向けた連携を強化することで一致をいたしました。

 安全保障分野におきましては、先般、海上自衛隊の艦船がリアム海軍基地に寄港いたしました。近年、陸軍種間でも協力が進んでおります。今後、政府安全保障能力強化支援(OSA)の供与も念頭に協力を強化をいたしてまいります。

 経済分野におきましては、カンボジアの経済パートナーの多角化の方針を踏まえまして、両国が、日本からの投資の誘致・支援に向けた体制を強化すること、投資環境の整備に取り組む「経済共創パッケージ」を取りまとめたところでございます。

 我が国は長年、カンボジアのインフラ整備に取り組んできております。港湾・道路・橋梁(きょうりょう)等々であります。今後、日本・カンボジアの民間の活力を一層取り込み、新たな経済的・社会的価値を作っていくことを目指しております。

 デジタル、5Gを含みます基幹通信網整備、AZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)の下でのクリーンエネルギーなどの分野での協力を更に発展をさせてまいります。

 日本といたしましては、カンボジアの民主的な発展を様々な取組によって支援をいたしてまいります。

 特殊詐欺対策など、地域の越境課題への対処、地雷対策を始めとして、世界の平和、安定、治安の維持のための取組においても、日本とカンボジアは連携を強化をすることで一致をいたしました。

 拉致問題を含みます北朝鮮への対応、東シナ海・南シナ海、ミャンマーなどの情勢への対応でも緊密に連携をすることで一致をいたしました。

 日本とカンボジアの「包括的戦略的パートナーシップ」を一層強化し、様々な協力関係を更に前進をさせてまいります。ソーム・オークン。