[文書名] 日・ポルトガル共同記者発表
【石破総理冒頭発言】
本日、ポルトガルのルイス・モンテネグロ首相をお迎えできたことを大変うれしく思っております。
日本とポルトガルは、価値や原則を共有するパートナーであります。ポルトガル語由来の日本語というのはたくさんありまして、「こんぺいとう」とか「てんぷら」のほかに、「カルタ」というのがポルトガル語由来だそうですね。あるいは「コップ」というのもポルトガル語由来なんだそうです。日本とポルトガルは480年以上にわたる友好と協力の歴史を有しておる国であります。
本年の大阪・関西万博を契機に、両国の間でビジネス交流や文化・人的交流が更に活発化しているということはすばらしいことだと考えておりまして、本日の会談におきましては、国際社会が厳しい安全保障環境に直面をし、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が不可分となる中で、日本・ポルトガルの緊密な連携はかつてなく重要性を増しておるという認識で一致をしたところであります。
二国間関係や地域情勢、国際社会での連携について幅広く議論をいたし、両国関係を更に強化していくということを確認をいたしました。今回、両国関係を「戦略的パートナーシップ」とすることで一致をし、今後の協力を見据えた共同声明を発出したということは、その成果であると考えておる次第でございます。
この「戦略的パートナーシップ」の下で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けまして、政治、経済、文化、防衛・安全保障など、幅広い分野で今後二国間協力を更に深めてまいります。
ポルトガルには約120の日系企業が進出をいたしておりまして、再生可能エネルギーやインフラといった分野の企業間協力が進展をしております。両国の貿易・投資分野の更なる発展を期待をいたしております。
世界におきましては、南米やアフリカを始めとして、ポルトガル語が話されている国が多くございます。先般、横浜で開かれましたTICAD(アフリカ開発会議)におきまして、34の国と、国の首脳の方々と会談をいたしましたが、ポルトガル語を話されるアフリカの国々の首脳が多いということに改めて認識を深くしたところでございます。東ティモールの大統領とも会談をいたしました。その際も同じように感じたところでございますし、また、アンゴラの大統領(注)とも会談をしましたが、その時もそのように思ったことでございました。このようなポルトガル語圏の国々の経済・社会の発展に取り組むためにも、日本は今後ポルトガルと連携をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
両国は、戦略的パートナーとして、世界の平和と安定に向けて、今後とも共に取り組んでまいりたいと思います。本日は誠にありがとうございました。
(注)「首相」と発言しましたが、正しくは「大統領」です。