[文書名] WAW!2022 東京宣言 新しい資本主義に向けたジェンダー主流化 〜WAW!参加者からの提言総括〜
2022年12月3日、世界及び日本国内から東京に集まったWAW!参加者は、「WAW! for Mainstreaming Gender into a New Form of Capitalism 新しい資本主義に向けたジェンダー主流化」をメイン・テーマに据え、活発
な議論を行った。参加者からの提言総括は以下のとおり。
<ビジョン>
(1)新しい資本主義においては女性の経済的自立が中核をなす。あらゆる分野に
おけるジェンダー主流化を通じ、新たな視点、イノベーションを促し、さらなる成長と分配の好循環につなげる。
(2)女性が脆弱な立場に置かれる中、SDGsが謳う誰一人取り残されない社会の実現のためにも、困難を抱える女性に寄り添っていく。
(3)個性と多様性を尊重する社会の実現にはジェンダー主流化が重要との認識。男女の役割や責任についてのステレオタイプな意識・実践をなくしていく。男性の家庭等への参画を推進。教育を通じて次世代を担う若者たちのジェンダー問題に対する意識を高めるとともに、若者自身によるイニシアティブを支援していく。
1 「新しい資本主義と女性」に関して取るべき行動
● 働き方に中立な税制・社会保険制度への改正や男女間の賃金格差の解消に向けた行動計画の開示を義務化すること。
● 出産・育児休暇後の復帰路線の確保のための制度を設計すること。また、女性のキャリアに関する無意識の偏見の撤廃のための研修を実施すること。さらに、利用しやすい育児・介護制度を創設すること。
● 国・地域・企業・NGO・アカデミア等、あらゆるステークホルダーが、環境とジェンダーの関連性を認識し、環境対策・気候変動対策とジェンダー平等の政策を統合的に推進し、担当部署の連携を強化(ダイバーシティはグリーン・トランスフォーメーションを促し、成長を促すことを念頭に置く。)すること。
● デジタル分野での女性の活用に際し、男性の関与を得るような制度設計をしている企業に対する支援を実施すること。また、STEM分野・デジタル分野への関心を高めるような情報提供をすること。
● 女性の起業に際する情報格差を埋めるためのコミュニティやプラットフォームを創設すること。また、女性経営者支援の見直しをすること。
2 女性の尊厳と誇りを守る社会の実現に関して取るべき行動
● 「家族最優先で自身は二の次」などの古来の「女性の尊厳」についての意識を、ジェンダー平等社会における「女性の尊厳」という意識にアップデートしていくため、早期からのジェンダー教育、社会規範や文化、法律や税制度の変革を行う。
● DV被害の相談窓口を拡充すること。
● 生理の貧困対策を各国において全国で一律化すること。
● 女性の健康や健康課題を知るための教育を始めとする、社会全体の取り組みを実施すること。
● オンライン診療や柔軟な働き方へのサポート等、健康上の課題を有するようになった女性を社会・経済活動から遠ざけないための取り組みを実施すること。
● 女性の健康課題を可視化すること。フェムテック市場の戦略的確立と拡大に取り組むこと。ビッグデータの活用による女性の健康課題の予測(関連政策の立案に繋げる)に取り組むこと。
3 男性の関心・関与の拡大に関して取るべき行動
● ビジネスでの活躍に加えて、家事、育児、介護などのケアにおいても活躍する新しい男性像、ロールモデルを発信すること。
● 長時間労働がある限り、男性が育児・家事を担うことは難しいため、1分でも短い労働時間の短縮を図ること。
● ジェンダー平等は、公正な社会と人権のためのものであると同時に、経済が成長し、社会が豊かになるという意味で、全ての人に恩恵をもたらすものであることを伝えること。
● 無意識の偏見の撤廃に向けた抜本的取り組み、育児休暇取得率、管理職の男女比の目標値設定等による「本気のインクルージョン」を遂行すること(具体方策としては、組織内での男女間のコミュニケーションを豊かにし、問題解決に共に取り組むこと、育児休暇期間の男女間での平等な分割、職場での性差別の禁止、ゼロ・ハラスメントの方針等によるステレオタイプの撤廃、等。)。
4 意思決定プロセスへの女性の参画に関して取るべき行動
● 初等教育からの継続的かつ意味のあるジェンダー教育をカリキュラムに取り入れること。
● 企業や政府のトップがあらゆる機会でジェンダー平等に関する発信をするよう促すこと。
● 企業等においては、KPI(重要業績評価指数)を設定し(クォータ制度含む)、開示を義務化すること。
● 政治分野にクォータ制度を導入すること。
5女性の平和・安全保障への参画に関して取るべき行動
● ジェンダー平等と女性の人権は民主主義の根幹であることを踏まえ、平和・安全保障政策及び外交政策におけるジェンダー主流化を進めること。
● 紛争下において性的暴力を受けた被害者女性に対し、医療支援及び心理的・経済的・法的支援を含む包括的支援を提供すること。
● 「女性に関することは、女性が決める」という考えを再認識し、紛争・平和・安全保障に関する全てのプロセスにおける女性の参画を保障すること。
● 現在、世界中で人権や平和の問題に取り組む女性や若者が抑圧やハラスメントを受けていることを踏まえ、保護と支援を行うこと。
● 防災政策への女性・女児の声を反映させること。
● 防災対策の一環として、平時から女性・女児の強靭性を強化すること。
● 防災・自然災害に関する経験を国境を越えて共有すること。
6 若者と地方からの提言
● 若者の声に耳を傾け、若者と議論し、若者との繋がりを活性化させる努力をすること。
● 若者の声を反映させる仕組みを作り、選挙への積極的参加、議員に定年制を設けるなどの政治参画の受け皿となる体制を強化すること。
● 女子・男子を問わない社会認識の変化に向けた教育を実施すること。
● 女性同士の連帯を通じたネットワーク化に取り組むこと。
● ロールモデルのデータベースをつくり、女性や女児たちが、ロールモデルとの間でコミュニケーションを積極的に取れる機会を提供すること。
● 女性自身が意思決定をするという意識を醸成すること。
(了)