データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 米中共同声明

[場所] 
[年月日] 1973年2月22日
[出典] 外交青書17号,590‐591頁.
[備考] 仮訳
[全文]

 米国大統領国家安全保障問題担当補佐官ヘンリー・A・キッシンジャー博士は,1973年2月15日から19日まで中華人民共和国を訪問した。キッシンジャー博士には,ハーバート・G・クライン,アルフレッド・LE・S・ジエンキンス,リチャード・T・ケネディ,ジョン・H・ホールドリッジ,ウインストン・ロード,ジョナサン・T・ハウ,リチャード・ソロモン及びピーター・W・ロドマンが随行した。

 毛沢東主席はキッシンジャー博士と会見した。キッシンジャー博士とその一行は,周恩来総理,姫鵬飛外交部長,喬冠華外交部副部長その他中国政府関係者と広範囲にわたる話し合いを行なつた。これと平行して,ジェンキンス氏と章文晋外交部長助理は,技術的問題について会談を行なつた。これらの会談は,すべて忌憚のない雰囲気のうちに行なわれ,真剣,率直,かつ建設的なものであつた。

 双方は,ニクソン大統領の中華人民共和国訪問以来,ここ1年の両国関係の発展とその他共通の関心事を回顧した。

 双方は,1972年2月上海で発表された共同コミュニケの諸原則及び関係正常化を実現するための両国の共同の責務を再確認した。

 双方は,この期間内に得られた進展が,両国民にとつて有益であることを認めた。

 双方は,今や関係正常化を早める適当な時期であることを一致して認めた。この目的のために,双方は各方面における接触を拡大することとした。

 双方は,貿易および科学,文化等の交流を拡大する具体的計画に合意した。

 この過程を促進し,かつコミュニケーションを改善するため,各々が,近い将来,相手方の首都に連絡事務所を設立することが合意された。その詳細は,現存のチャネルを通じて作成される。

 双方は,米国と中華人民共和国との間の関係正常化は,アジアと世界の緊張緩和に寄与するものであることを一致して認めた。

 キッシンジャー博士とその一行は,一行に寄せられた暖かいもてなしに深い謝意を表明した。