[文書名] 日・ASEAN友好協力に関するビジョン・ステートメント 共に描き、共に生き、共に歩む
我々、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国及び日本の首脳は、
「共に繁栄する日本とASEANの戦略的パートナーシップの強化のための共同宣言
(バリ宣言)」の重要性を認識しつつ、
2013年1月18日に日本の総理大臣が発表した、日本の対ASEAN外交5原則に留意しつつ、
ASEAN憲章及び東南アジア友好協力条約(TAC)に規定される原則、共通の価値及び規範にコミットしつつ、
以下の4つのパートナーシップの分野において、日本とASEANが協力を強化することをここにあらためて確認する。
平和と安定のためのパートナー
我々は、以下を通じて、地域及び世界の利益である平和、安全及び安定の維持
のための、更なるコミットメントを確認する。
- 国際法の普遍的な原則の尊重や穏健の原則の擁護等を通じて、平和愛好国家としての立場を維持し、平和志向の価値を強化する。
- 対話と協議並びに力による威嚇又は力の行使の放棄等を通じ、国際法の普遍的な原則に従って平和的な手段により紛争を解決する。
- 法の支配、グッドガバナンス、民主主義及び人権を促進するために対話と協力を強化する。
- 災害管理、国連PKO、軍縮・不拡散、テロ対策、国境を越える犯罪、及び海洋安全保障等についての協力を強化する。
繁栄のためのパートナー
我々は、以下を通じて、包括的な経済連携を更に強化することにコミットする。
- 日・ASEAN包括的経済連携協定の活用及び「日・ASEAN10年の戦略的経済協力ロードマップ」の実施を促進することを含め、物品貿易、サービス貿易及び投資に関する双方の関心分野における協力を強化する。
- ASEANの連結性及びより広域の連結性強化のための取組並びにビジネス部門により強化された連結性の活用を支持し、持続可能な経済開発及び知識に基づきイノベーションによって牽引される産業を更に促進し、また、地域の開発格差是正のための協力を継続する。
- この地域における空と海の繋がりに関する日本とASEANの間の協力を強化し、
1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法の普遍的な原則並びに、国際民間航空機関(ICAO)による関連の基準及び推奨される慣行に従って、航行及び上空飛行の自由と安全を確保する。
より良い暮らしのためのパートナー
我々は、以下を通じて、人材育成を促進し、社会経済及び環境問題を克服するこ
とにコミットする。
- 科学、技術とイノベーション、情報通信技術及びサイバー・セキュリティにおける協力を促進する。
- 農業、食料安全保障、エネルギー安全保障、原子力安全、環境保護及び水資源管理におけるパートナーシップを強化する。
- 貧困を撲滅し、気候変動、災害、都市化及び高齢化社会に起因する問題に対処するために協力を強化する。
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに向けた医療制度及び社会的セーフネットの改善並びに政治、経済、及び社会・文化的開発への参加のための女性の能力強化についての経験と知識を共有する。
- 2015年までのミレニアム開発目標の達成及び同年より先のために引き続き協力するとともに、国連総会決議66/290に沿って、特に日本とASEANの人々の福祉と生活を更に改善するために人間の安全保障を強化する。
心と心のパートナー
我々は、以下を通じて、相互信頼及び心と心を通じた理解を引き続き高めるととも
に友情を深める。
- 文化・芸術交流及び観光、青少年、スポーツを通じた人と人との交流を促進する。
- 語学学習等を含む教育において協力を強化する。
- 多様な文化と伝統を保護する。
2013年 12月14日東京にて実施計画と共に採択