[文書名] 食料安全保障とバイオ・エネルギー開発に関するASEAN+3協力に関するチャアム・ホアヒン声明
我々、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国、中華人民共和国、日本国、大韓民国の元首/政府の首脳は、タイ・チャアム・ホアヒンにおける2009年10月24日の第12回ASEAN+3首脳会議の機会に、
我々の国民生活及び我々の経済成長に影響をもたらしている現在の食料及びエネルギー価格の不安定性にかんがみ、食料安全保障及び持続可能なバイオ・エネルギー開発の必要性に関する懸念を共有し、
持続可能な食料安全保障を確保するため、食用及び燃料用農作物の生産を均衡させるとの観点から、包括的な手段により取り組むことが必要である食料及びエネルギー安全保障の関連性を認識し、
我々の国民のための食料及びエネルギー安全保障を確保するとの我々のコミットメント、及び地域共同体の形成過程における最優先事項として持続可能な開発を促進することの必要性をあらためて表明し、
各国はその潜在的資源の活用を最大化し、持続可能な方法により、より多くの農業生産を達成することが必要であると認識し、
さらに、社会及び環境面に対処しつつ信頼できるエネルギー供給を確保することは経済及び産業の活動を支援するために不可欠であり、それ故に代替エネルギー源の研究と開発が促進されるべきことを認識し、
食料及びエネルギー安全保障を含む広範な分野での協力を要請する、2007年11月にシンガポールの第11回ASEAN+3首脳会議にて採択された、東アジア協力に関する第2共同声明及びASEAN+3協力作業計画(2007-2017)を想起し、
2007年1月15日の東アジアエネルギー安全保障に関するセブ宣言における、エネルギー効率の向上並びに省エネルギーの推進、燃料多様化の促進及びバイオ燃料を含む新・再生可能エネルギー源並びに技術の研究並びに開発に関する協力の拡大についてのコミットメントを再確認し、
1996年の世界食料サミットにおける世界食料安全保障に関するローマ宣言並びに世界食料サミット行動計画の採択、2008年6月に開催された世界の食料安全保障に関するFAOハイレベル会合:気候変動とバイオ・エネルギーがもたらす課題、で採択された宣言及び世界食料安全保障危機に関するハイレベル・タスク・フォースの包括的行動枠組、を歓迎し、
ここに、以下を宣言する:
1.ミレニアム開発目標の不可分の一部として我々の国民の福祉のため食料生産能力を向上させる。
2.ASEAN統合食料安全保障枠組及びすべての関係者の積極的参加を得たASEAN地域における食料安全保障に関する戦略的行動計画の実現にかかるASEANの努力を支持する。
3.ASEAN+3農業協力枠組の地域メカニズムを通じて長期的に十分な主食用食料の供給が行われることを確保するため、ASEAN食料安全保障情報システム(AFSIS)の発展に向けたASEAN+3のパートナーシップを強化する。
4.東アジア緊急米備蓄(EAERR)パイロット事業の継続を支持し、関連する国際機関と緊密に調整し、また、各参加国の約束及び国際規則との整合性を考慮し、EAERRの経験を基にASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)を設立する可能性を探究する。
5.各国農林大臣に対し、関係大臣及び国際機関と協議して、食料生産及び食料生産と両立性を確保するバイオ燃料の生産のための資源のより良い配分を促進する、持続可能で統合された食料及びバイオ燃料の生産及び消費に関する包括的戦略を策定し、2010年のASEAN+3首脳会議に報告するよう指示する。
6.ベスト・プラクティスの共有及び政策、知見に関する情報の交換を促進し、地域における食の安全とバイオ・エネルギー生産基準の調和を促進するための人材育成と技術協力を拡大する。
7.持続可能かつ拡充された食料供給及び農家の福祉と農家の強化を確保し、大規模契約農業事業のあり得べき短所を緩和するため、環境保護原則に則った林業、農業インフラ及び契約農業への投資を奨励する。
8.貿易及び市場の歪みを減少させ食料の量を確保するよう、農業貿易を拡大する。
9.環境、土地利用及び食料安全保障の問題に取り組むバイオ・エネルギー貿易に関する地域政策を形成する可能性の探求を含む、バイオ・エネルギーの長期的実現可能性を確保するため、バイオ・エネルギー貿易及び技術革新を促進する。
10.特に第二世代バイオ燃料及び代替エネルギー利用のための新しい技術における、食料安全保障及びバイオ・エネルギーに関する共同研究・開発及び技術移転を促進するため、地域及び国際機関とのパートナーシップを拡大する。
11.食料安全保障を強化するとの観点から、干魃、洪水及び伝染病などの気候変動に関連する問題への対処に関する協力を促進する。
2009年10月24日にチャアム・ホアヒンにて採択された。