[文書名] 第19回ASEAN+3外相会議議長声明
●ASEAN+3(APT)協力における実質的な進展を歓迎し,東アジアにおける平和,安全保障,安定及び繁栄を推進するために重要な役割を果たすAPTの枠組みの下,協力を更に深化させるとのコミットメントを再確認。(パラ2)
●「ASEAN+3協力作業計画(2018-2022)」に基づき実施されている作業が着実に進展していることに満足の意を表明し,次の5年間のAPT協力を強化するために同作業計画を適時かつ実効的に実施していくことに期待。(パラ3)
●東アジア経済共同体(EAEc)を実現するという提言を含む,東アジア・ビジョン・グループ(EAVGII)の報告書を想起。(パラ4)
●2018年5月に日本で,第7回日中韓サミットが成功裏に開催されたことを歓迎。相互の政治的な信頼醸成を促進し,また,地域の経済及び社会文化的な協力を強化する上での3か国協力の不可欠な役割を認識。また,日中韓サミットで模索された日中韓+Xに関する構想に留意。(パラ6)
●地域の経済統合を後押しする自由で,開かれ,ルールに基づく貿易体制を維持するとのコミットメントを再確認。かかる観点から,東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定のための交渉の最近の進展を歓迎。(パラ7)
●ASEANスマートシティ・ネットワークの設立を歓迎。ASEANにおけるスマートシティのための枠組みや都市別の行動計画の策定に向けた進展に支持を表明。さらに,ASEAN+3各国とネットワークに組み込まれた都市との緊密な協力に期待。(パラ8)
●APT財務大臣と中央銀行総裁による第1回定期見直しを通じたチェンマイ・イニシアティブ(CMIM)の強化のための継続的なコミットメントを歓迎。また,ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス(AMRO)が国連総会の常任オブザーバーとなることを賞賛。(パラ9)
●日本,シンガポール及び世界銀行の支援により,東南アジア災害リスク保険ファシリティ(SEADRIF)の最初の成果物として,ラオス及びミャンマーのための地域災害保険リスクプールの設立に合意したことを歓迎した。(パラ10)
●地域の食料安全保障強化のためのメカニズムとしてのASEAN+3緊急米備蓄(APTERR)の役割を強調。(パラ11)
●国際スタンダードに則った持続可能かつ質の高いインフラ開発において,MPAC2025の実施に対するAPT各国の引き続きの支援を期待。MPAC2025と日中韓の連結性戦略との間の関連付けとシナジーを追求する重要性を強調。(パラ13)
●アジア健康構想(AHWIN)の下での対象分野を拡大するという日本の提言に留意。(パラ14)
●ASEANと+3の各国がそれぞれの行動計画に関与し,パリ協定へのコミットメントを再確認し,2018年7月10日に,シンガポールがASEAN議長国としてASEAN気候行動に関する特別閣僚会合及び同拡大会合を開催し,APT各国が気候変動に対処するための地域的行動を拡充させる方法を議論等したことを歓迎。同拡大会合で日本から提案された「日ASEAN気候変動アクション・アジェンダ」に留意。(パラ16)
●APT各国において,若者とエンゲージし,毎年の様々な青少年交流やコミュニティーへの浸透活動を通じた効果的なコミュニケーションを確立するためのAPT青少年会合の努力を賞賛。また,2017年12月の第8回APT教育高級実務者会合でエンドースされたAPT教育行動計画2018-2025の策定について留意。(パラ17)
●2018年4月27日及び5月26日に開催された南北首脳会談,2018年6月12日のシンガポールにおける米朝首脳会談を歓迎。また,文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮民主主義人民共和国国務委員長との間で署名された板門店宣言文及びドナルド・J・トランプ米国大統領と金正恩国務委員長との間で署名された共同声明を歓迎。(パラ24)
●全ての当事者に対し,板門店宣言文及び米国と北朝鮮の首脳による共同声明の完全かつ迅速な履行を通じたものを含む非核化された朝鮮半島の恒久的な平和と安定の実現に向けた取組を続けることを求めた。また,北朝鮮が表明した完全な非核化へのコミットメント並びにそれまでの間の更なる核及びミサイル実験を自制するとの約束を歓迎。全ての関連する国連安保理決議の完全な履行及び地域における平和と安定に資する朝鮮半島の完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な非核化を実現するための国際的な取組へのコミットメントを改めて表明。複数の閣僚が,拉致問題の解決を含む国際社会の人道上の懸念に対処することの重要性を強調。(パラ25)