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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 亞米利加合衆國及支那國間ノ小包󠄁郵便條約(アメリカ合衆国及支那国間の小包郵便条約)

[場所] 華盛頓(ワシントンD.C.)
[年月日] 1916年7月16日
[出典] 英・米・佛・露ノ各國及支那國間ノ條約,外務省條約局編,1057-1061頁.
[備考] 
[全文] 

亞米利加合衆國及支那國間ノ小包󠄁郵便條約


   千九百十六年七月十六日華盛頓ニ於テ調印

   (及同年五月二十九日北京ニ於テ調印)

亞米利加合衆國ト支那國トノ間ノ郵便約定ヲ改善スルノ目的ヲ以テ下ニ署名セル亞米利加合衆國遞信大臣「アルバード、シドニー、バールソン」及支那国郵便廳郵政總辦周󠄀萬鵬、郵政會辦「エッチ、ピカルド、デステラン」ハ夫々附與セラレタル權限ニ依リ合衆國ト支那國トノ間ニ小包󠄁郵便物交換制度ヲ設定セムカ爲左ノ諸條ヲ協定セリ

   第一條

本條約ノ規定ハ本條約中ニ規定セラルル制度ニ依リ交換セラルヘキ小包󠄁郵便物ノミニ關スルモノニシテ萬國郵便聯合條約ノ下ニ現ニ存在シ將來モ存續スヘキ諸約定ニ影響ヲ及ホササルモノトス以下定ムルトコロノ一切ノ協定ハ專ラ右諸條項ニ基キ交換セラルル郵便物ニ專ラ適󠄁用セラルルモノトス

   第二條

一、本條約ニ基キ交換スルコトヲ得ル郵便物ハ各種ノ商品及差立國又ハ名宛國ノ內國郵便ニ於テ認󠄁メラルル各種郵便物(信書、葉書及書物ヲ除ク)トス但シ包󠄁束物ハ重量十一封度(五「キログラム」)、寸尺ハ各面ノ寸尺三呎六吋、長サ及周󠄀圍合セテ六呎ヲ超ユルコトヲ得ス又支那ノ汽船ノ便ナキ各地ニ向ヒ或ハ右各地ヨリ來ル小包󠄁ハ二十五立方「デシメートル」(一立方呎)ノ容積ヲ超ユルコトヲ得ス小包󠄁ハ郵便局長及税関官吏カ其ノ包󠄁有品ヲ容易ニ檢査シ得ル樣包󠄁装ヲ施スヘシ但シ左記物品ハ郵便物トシテ本條約ニ基キ交換スルコトヲ禁止セラルルモノトス

關係國ノ國內法及諸規則ニ違󠄂反スルモノ、名宛國ノ著作權法ニ違󠄂反スル出版物、毒藥、爆發性又ハ發火性物、脂肪質物、液體及液化シ易キモノ、糖果、糊類、生獸又ハ死獸(完全ニ乾燥シタル昆蟲及爬蟲ヲ除ク)、腐敗シ易キ果實及野菜󠄁、惡臭ヲ發ツモノ、富籤ノ切符、同上ニ關スル廣吿又ハ引札、猥褻物及風俗ニ害󠄂アルモノ、郵便物ヲ損傷シ又ハ破損シ若ハ取扱者ニ傷害󠄂ヲ與フルモノ

二、一方ノ國ヨリ他ノ一方ノ國ニ向ケ遞送セラレ或ハ他ノ一方ノ國ヨリ遞送セラレ其ノ國ニ到達󠄁スル一切ノ物品ハ關稅徵收ノ爲必要󠄁ナル場合ヲ除クノ外抑留又ハ檢査ヲ受クルコトナシ該郵便物遞送中ハ夫々各國ノ法規ニ從ヒ最迅󠄁速󠄁ニ名宛地ニ遞送スヘシ

   第三條

一、小包󠄁ニハ私信ノ性質ヲ有スル信書或ハ通󠄁信ヲ添附、記入又ハ封入スルコトヲ得ス若シ之ヲ犯シ發見セラレタルトキハ信書ハ之ヲ引離シ郵便トシテ取扱ヒ若シ添附セル通󠄁信ニシテ引離シ難キ場合ニハ該小包󠄁ノ引受ヲ拒絕スヘシ若シ是等ノ事實ニ氣付カスシテ遞送セラレタル場合ニハ名宛國ハ萬國郵便聯合條約ニ依リ信書ニ對シ二倍ノ郵便料金ヲ徵收スヘシ

二、小包󠄁ニハ指定シタル名宛地以外ニ配󠄁達󠄁スル目的ヲ以テ之ニ他ノ包󠄁束物ヲ包󠄁容セシムルコトヲ得ス若シ包󠄁束物ノ包󠄁容シアルコトヲ發見シタルトキハ之ヲ引離シテ遞送シ之ニ對シ別ニ新ナル小包󠄁郵便料金ヲ課スヘシ

   第四條

一、左記郵便料金ハ如何ナル場合ニ於テモ差立國ノ郵便切手ヲ以テ全部前納󠄁スルヲ要󠄁ス

二、合衆國ニ於テハ重量一封度未滿ノ小包󠄁一箇ニ付十二仙尙一封度ヲ增ス每ニ十二仙

三、支那國ニ於テハ重量一封度未滿ノ小包󠄁一箇ニ付支那國通󠄁貨三十五仙尙一封度又ハ其ノ端數ヲ增ス每ニ支那國通󠄁貨三十五仙

四、名宛國ノ郵便局ハ小包󠄁ヲ無料ニテ速󠄁ニ名宛人ニ配󠄁達󠄁スヘシ但シ名宛國ハ其ノ裁量ニ依リ內國教務及配󠄁達󠄁ノ爲自國ノ規則ニ從ヒ決定スヘキ額ノ課金ヲ名宛人ニ課シ又ハ徵收スルコトヲ得但シ如何ナル場合ニ於テモ重量ノ如何ニ不拘小包󠄁一箇ニ付亞米利加合衆國ニ於テハ五仙支那ニ於テハ支那國通󠄁貨十五錢ヲ超過󠄁スルコトヲ得ス汽船ノ通󠄁セル支那國ノ各地ニ向ヒ若ハ右各地ヨリ來ル小包󠄁ニ對シテハ支那國官憲ハ別ニ支那國々內小包󠄁郵便料金ヲ課シ又ハ徵收スルコトヲ得

   第五條

一、小包󠄁ヲ差出ス際差出人ハ該小包󠄁ヲ差出シタル郵便局ヨリ本條約附屬第一號樣式ノ如キ形式ノ小包󠄁郵便差出證明證ヲ受取ルヘシ

二、小包󠄁ノ差出人ハ差出國ノ規則ニ從ヒ小包󠄁ヲ書留ト爲スコトヲ得

三、書留小包󠄁ノ配󠄁達󠄁證明書ハ差出人ノ要󠄁求アルトキハ之ヲ差出人ニ返󠄁送スヘシ但シ合衆國ニ於テハ五仙未滿支那國ニ於テハ支那國ノ通󠄁貨ニテ十五錢未滿ノ返󠄁送料ヲ差出人ニ要󠄁求スルコトヲ得

四、小包󠄁郵便ノ名宛地ノ郵便局ハ名宛人ニ小包󠄁ノ到着ヲ通󠄁知スヘシ

   第六條

一、差出人ハ各小包󠄁ニ特ニ定メタル形式ニ依リ(本書附屬表二參照)包󠄁有品ノ種類、價格、差出日、差出人ノ署名、住所󠄁及名宛地ヲ正確ニ記載シタル稅關吿知書ヲ添附スヘシ

二、該小包󠄁ハ名宛國二於ケル一切ノ關稅ヲ課セラルヘク且其ノ國ノ關稅收入ヲ保護スル爲ノ現行關稅規則ニ從フヘシ又該小包󠄁ニ適󠄁法ニ課セラルヘキ關稅ハ名宛國ノ稅關規則ニ從ヒ配󠄁達󠄁ノ際徵收スルモノトス

   第七條

各國ハ該小包󠄁ヨリ徵收スル郵稅、書留料及配󠄁達󠄁料ヲ總テ自國ニ於テ使用スル爲保有スヘシ從テ本條約ニハ兩國間各別ノ計算所󠄁ニ關スル規定ナシ

   第八條

一、小包󠄁ハ差立國カ其ノ費用及其ノ定ムル方法ニ依リ之ヲ名宛地ニ遞送スヘク且之ヲ合衆國ト支那國トノ間ニ直接交換セラルル郵便物ノ一部ト看做スヘシ但シ差立國ノ裁量ニ依リ遞送ノ爲ニ作製シタル箱ニ納󠄁メ又ハ「小包󠄁郵便」ト記入シアル通󠄁常ノ行嚢ニ納󠄁メ封蠟ヲ施シ或ハ本條約ノ規定ニ依リ互ニ規定スルコトアルヘキ他ノ方法ニ依リ遞送スルヲ要󠄁ス

二、各國ハ右空󠄁嚢及空󠄁箱ヲ次便ニテ差立國ニ返󠄁送スヘシ

三、各小包󠄁ノ差立ニハ小包󠄁ノ番號、差出人名、名宛人名(名宛地ト共ニ)、包󠄁有品及價格ヲ明細ニ記載シタル二通󠄁ノ表ヲ添付スルヲ要󠄁ス右表ハ是等差立ノ箱又ハ行嚢中ニ納󠄁ムヘシ(本條約附屬表三參照)

   第九條

本條約ニ基キ兩國ノ一方ヨリ他ノ一方ニ向ケラルル郵便物ノ交換ハ郵便交換局トシテ旣ニ指定セラレタル兩國ノ郵便局ヲ經由シ或ハ郵便物ノ安全及迅󠄁速󠄁或ハ關稅ノ保護上必要󠄁ナルモノトシテ互ニ決定スルコトアルヘキ交換ニ關スル細則ニ基キ爾後決定スヘキ他ノ方法ニ依リ之ヲ行フモノトス

   第十條

一、郵便物カ名宛國ニ到着スルトキハ直チニ名宛國ノ郵便局ハ郵便物ノ包󠄁有品ヲ照査スヘシ

二、小包󠄁目碌カ到着セサルトキハ之ニ代ルヘキモノヲ作成スヘシ

三、小包󠄁目碌中ニ誤󠄁記アルコトヲ發見シタル場合ニハ他ノ官吏ノ檢證ノ後訂正シ差立局ニ報吿ノ爲「檢證票」ニ其ノ旨ヲ記載スヘシ右檢證票ハ別封ニ納󠄁メ送附スルヲ要󠄁ス若シ小包󠄁目碌記載ノ小包󠄁カ到達󠄁セサル場合ニハ他ノ官吏ノ檢證ヲ得テ記載シアル目碌ヲ取消󠄁シ右ノ事實ヲ直ニ報吿スヘシ小包󠄁ノ前納󠄁金カ不足ナル場合ニ於テモ不足額ヲ課スへカラス右ノ場合ニハ檢證票ノ形式ニヨリ報吿スヘシ若シ小包󠄁カ破損又ハ不完全ナル狀態ニテ到達󠄁シタルトキハ前記ト同一ノ形式ヲ以テ詳細報吿スヘシ

四、檢證票又ハ過󠄁失ノ通󠄁知ヲ受ケサルトキハ小包󠄁郵便ハ故障ナク配󠄁達󠄁セラレタルモノト看做サルヘシ

   第十一條

一、小包󠄁カ指定通󠄁リ配󠄁達󠄁シ能ハサルカ又ハ受取ヲ拒絕セラレタルトキハ名宛局ニ於テ到達󠄁後三十日ヲ經過󠄁シタルトキ直接差立交換局ニ無料ニテ返󠄁送スルコトヲ要󠄁ス差立國ハ小包󠄁ノ返󠄁送ニ對シ最初遞送ノ際ノ郵便料金ト同額ノ料金ヲ差出人ヨリ徵收スルコトヲ得

二、配󠄁達󠄁不能ノ小包󠄁ノ包󠄁有品カ破損又ハ腐敗ノ虞アル場合ニハ必要󠄁ニ應シ權利者ニ代リ破毀又ハ場合ニ依リ豫吿又ハ法律上ノ手續ヲ經スシテ賣却スルコトアルヘシ賣却ニ關スル詳細ハ一方ノ國ノ郵便局ヨリ他方ノ國ノ郵便局ニ通󠄁知スヘシ

三、轉送ノ指圖ハ該物品ヲ通󠄁常ノ小包󠄁料金ニテ差立局ニ返󠄁送スルニ要󠄁スル郵便料金ト同額ノ金額ヲ添付スヘシ

   第十二條

兩締約国ノ遞信省ハ小包󠄁ノ紛失及損害󠄂ニ對シ實ヲ負ハサルヘシ從テ兩國ノ差出人又ハ名宛人ハ賠償ヲ要󠄁求スルコトヲ得ス

   第十三條

亞米利加合衆國ノ郵政廳及支那國政府ノ郵政廳ハ本條約ノ實施ニ必要󠄁ナル命令及細則ニ關スル他ノ規則ヲ隨時協議シテ定ムルノ權能ヲ有ス尙本條約第二條ニ依リ禁止セラルル物品ノ遞送ヲ認󠄁許スル爲ノ條件ヲ協議規定スルコトヲ得

   第十四條

本條約ハ千九百十六年八月一日ヨリ效力ヲ有シ實施セラルルモノトス且雙方ノ協議ヲ以テ終󠄁了ニ至ル迄引續キ有效タルヘシ但シ一方ノ政府ノ希望ニ依リ他方ノ政府ニ六月前ノ豫吿ヲ以テ之ヲ廢棄スルコトヲ得

本書二通󠄁ヲ作成シ千九百十六年七月十一日華盛頓ニ於テ署名シ千九百十六年五月二十九日北京ニ於テ署名ス

   亞米利加合衆國遞信大臣

     アルバード、シドニー、バールソン 印

   支那國郵政會辦

     エッチ、ピカルド、デステラン 印

   支那國郵政總辦

     周󠄀萬鵬 印

(省略 附屬表)