データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 極東諮問委員會󠄃付託條項(極東諮問委員会付託条項)

[場所] 
[年月日] 1945年8月21日
[出典] 日本占領及び管理重要文書集 第1巻 基本篇(基本編),外務省特別資料部編,日本図書センター,24-26頁.
[備考] 
[全文] 

1 設置

 __の政府は、參加國の代表者をもつて構成される極東諮問委員會󠄃をここに設置する。

2 任務

 甲 極東諮問委員會󠄃は、次のことについて參加國政府に對して勸吿をするについて責任を有する。

  一 日本國が降伏文書に基くその義務を履行する方法を定める政策、原則及び基準の作成。

  二 日本國が降伏文書の規定に嚴格に從うことを確實にするために必要な措置と必要な機構。

  三 參加國政府の合意によつてその任務に屬させられる他の事項。

 乙 委員會󠄃は、軍事行動の遂行に關しても、領域の調整に關しても勸吿をしてはならない。

3 他の協議方法

 委員會󠄃の設置は、參加國政府が極東問題について他の協議方法を用いることを妨げない。

4 構成

 極東諮問委員會󠄃は、この協定の當事國の國の各の一名の代表者をもつて構成される。委員會󠄃の構成國の數は、狀況が正當とする場合には極東にあるか又は極東に領土を有する他の連合國の代表者を加えることによつて增加することができる。委員會󠄃の構成國でない連合國は、委員會󠄃が右の國の利害に主として影響すると認める事項が審議されている場合には、委員會󠄃に出席するように勸誘される。その上に、委員會󠄃は、委員會󠄃に付託されている事項で委員會󠄃の構成國でない連合國に特に關係があるものに關して、右の國の代表者と、必要な場合に、充分且つ適當な協議を行うことについて規定を設けなければならない。

5 所在地及び組織

 極東諮問委員會󠄃は、その本部をワシントンに置く。極東諮問委員會󠄃は、必要に應じて他の場所で會󠄃合することができる。

 委員會󠄃の代表者は、非軍人及び軍人の双方を含む適當な随員を同伴することができる。

 委員會󠄃は、どの事務局を組織し、適當と認められる分科委員會󠄃を任命し且つ他の方法でその組織及び手續を完全にする。

6 終了

 極東諮問委員會󠄃は、四連合國すなわち合衆國、連合王國、中華民國及びソヴィエト連邦のうちの一國が委員會󠄃を設けた協定を終了させる希望を通吿したとき任務遂行を止める。そのような終了に先だつて、委員會󠄃は、移すことが適當な任務を、參加國政府が構成國たる中間的又は常設的の安全保障機構に、移さなければならない。