データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 日米行政協定に関する交換公文

[場所] 東京
[年月日] 1952年2月28日
[出典] 日本外交主要文書・年表(1),502‐505頁.条約集第30集第11巻.
[備考] 
[全文]

ラスク特別代表から岡崎国務大臣あての書簡

 書簡をもつて啓上いたします。本代表は、本日署名された行政協定の諸条項に関する審議に言及する光栄を有します。この審議において、閣下は、日本国政府の見解として、連合国による日本国の占領が日本国との平和条約の効力発生とともに終了するので、占領に基く徴発による施設及び区域の合衆国軍隊による使用もまた同時に終了し、従つて、その後は、合衆国軍隊による施設及び区域の使用が、それぞれの政府が日本国との平和条約、安全保障条約及び行政協定に基いて有する権利を条件として、両政府間の合意に基かなければならないと陳述されました。本代表は、ここに、合衆国政府の見解もまた同じであることを確認します。

 行政協定第二条1には、「個個の施設及び区域に関する協定は、この協定の効力発生の日までになお両政府が合意に達していないときは、この協定の第二十六条に定める合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない。」と規定されています。合衆国政府は、この取極をできるだけすみやかに完成させるため協議が緊急に行われるべきものであることに両政府の意見が一致していることを信じます。このことを念頭において、合衆国政府は、前記の協議を直ちに開始するため、それぞれの政府からの一人の代表者及び必要な職員団で組織される予備作業班を日本国政府と協力して設置する用意を有します。予備作業班が作成する取極は、合意ができるに応じて直ちに効力を生じ、予備作業班の任務は、行政協定が効力を生ずる日に合同委員会によつて引き継がれるものと了解されます。

 しかしながら、安全保障条約第一条に掲げる目的を遂行するため必要な施設及び区域の決定及び準備に当つては、避けがたい遅延が生ずることがあるかもしれません。よつて、日本国が、前記の協定及び取極が成立するまでの間、施設及び区域でそれに関する協定及び取極が日本国との平和条約の効力発生の日の後九十日以内に成立しないものの使用の継続を許されれば、幸であります。

 本代表は、貴大臣に敬意を表します。

千九百五十二年二月二十八日東京において

ディーン・ラスク

東京

日本国国務大臣 岡崎勝男殿

 

岡崎国務大臣からラスク特別代表あての書簡

 書簡をもつて啓上いたします。本大臣は、貴代表が次のように通報された本日付の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(米側公文省略)

 日本国政府は、できるだけすみやかに施設及び区域の使用に関する取極を成立させるため緊急に協議を開始しようという合衆国政府の要望にまつたく同感であります。従つて、日本国政府は、貴簡に述べられた予備作業班を直ちに設置することに同意します。予備作業班が作成する取極は、合意ができるに応じて直ちに効力を生じ、予備作業班の任務は、行政協定が効力を生ずる日に合同委員会によつて引き継がれるものと了解されます。

 本大臣は、貴簡の内容を充分に了承した上で、日本国政府が、前記の協定及び取極が成立するまでの間、施設又は区域でそれに関する協定及び取極が日本国との平和条約の効力発生の日の後九十日以内に成立しないものの使用の継続を合衆国に許すことを、日本国政府に代つて、確認する光栄を有します。

 本大臣は、貴代表に敬意を表します。

千九百五十二年二月二十八日東京において

岡崎勝男

東京

合衆国大統領特別代表

ディーン・ラスク殿