データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 万国著作権条約

[場所] ジュネーブ
[年月日] 1952年9月6日
[出典] 文部科学省
[備考] (注)各条項の下の〔 〕および見出しは、便宜上付したものである。
[全文] 

万国著作権条約

1952年9月6日 ジュネーブで作成

1955年9月16日 効力発生


 締約国は、

 文学的、学術的及び美術的著作物の著作権の保護をすべての国において確保することを希望し、

 世界のすべての国民にとって適当でありかつ万国条約により表現される著作権保護の制度が、現行の国際制度を害することなくこれに追加されて、個人の権利の尊重を確保し、かつ、文学、学術及び美術の発達を助長するものであることを確信し、

 このような万国著作権保護制度が、人間精神の所産の普及を一層容易にし、かつ、国際の理解を増進するものであることを了解して、

 次のとおり協定した。


   第1条〔目的〕

 各締約国は、文書、音楽的、演劇的及び映画的著作物、絵画、版画並びに彫刻のような文学的、学術的及び美術的著作物についての著作者及び著作権を有する他の者の権利の十分なかつ有効な保護を確保するため必要なすべての措置を執るものとする。


   第2条〔保護の原則〕

1 いずれかの締約国の国民の発行された著作物及びいずれかの締約国で最初に発行された著作物は、他のいずれの締約国においても、その締約国が自国で最初に発行された自国民の著作物に与えている保護と同一の保護を受けるものとする。

2 いずれかの締約国の国民の発行されていない著作物は、他のいずれの締約国においても、その締約国が自国民の発行されていない著作物に与えている保護と同一の保護を受けるものとする。

3 締約国は、この条約の適用上、自国に住所を有するいかなる者についても、自国の国内法令により自国民と同一の取扱をすることができる。


   第3条〔保護の条件〕

1 締約国は、自国の国内法令に基き著作権の保護の条件として納入、登録、表示、公証人による証明、手数料の支払又は自国内における製造若しくは発行のような方式に従うことを要求するときは、この条約に基いて保護を受ける著作物で、自国外で最初に発行され、かつ、その著作者が自国民でないものについて、著作者又は著作権を有する他の者の許諾を得て発行された著作物のすべての複製物にその最初の発行の時から©の記号が著作権を有する者の氏名及び最初の発行の年とともに表示されている限り、これらの要求が満たされたものと認めなければならない。ただし、その記号、氏名及び発行の年は、著作権が留保されていることを表示するのに適当な方法で、かつ、適当な場所に掲げなければならない。

2 前項の規定は、締約国が、自国で最初に発行された著作物又は発行の場所のいかんを問わず発行された自国民の著作物について、著作権の取得及び享有を確保するため、一定の方式その他の条件を要求することを妨げるものではない。

3 1の規定は、司法上の救済を求める者が、訴を提起するに当り、国内で開業する弁護士に依頼しなければならないとか、裁判所若しくは行政機関に対し又はその双方に対して訴訟に係る著作物の複製物を一部納入しなければならないというような手続上の要件を満たすべきことを締約国が定めることを妨げるものではない。もっとも、これらの要件の不履行は、著作権の効力に影響を及ぼすものではなく、また、そのいずれの要件も、保護の要求される国の国民に課していないときは、他の締約国の国民に課することができない。

4 いずれの締約国においても、他の締約国の国民の発行されていない著作物を方式を要しないで保護するための法的手段が確保されなければならない。

5 締約国は、著作権について2以上の保護期間を許与する場合において最初の期間が次条に定める最短の期間より長いときは、2番目以後の保護期間に関し1の規定に従うことを要しない。


   第4条〔保護期間〕

1 著作物の保護期間は、第2条及びこの条の規定に従い、保護の要求される締約国の法令により定めるものとする。

2 この条約に基いて保護を受ける著作物の保護期間は、著作者の生存間及びその死後25年からなる期間より短くてはならない。もっとも、いずれかの締約国が自国におけるこの条約の効力発生の日にある種類の著作物に関して保護期間を最初の発行から起算する期間に限定しているときは、その締約国は、その例外を維持し、及びこれを他の種類の著作物に及ぼすことができる。これらのすべての種類の著作物に関する保護期間は、その最初の発行の日から起算して25年より短くてはならない。

 いずれかの締約国が自国におけるこの条約の効力発生の日に保護期間を著作者の生存に基いて算定していないときは、その締約国は、保護期間を著作物の最初の発行又は、場合によ

 り、発行に先だって著作物の登録から起算することができる。その保護期間は、それぞれ最初の発行の日又は発行に先だつ登録の日から起算して25年より短くてはならない。

 締約国の法令により2以上の相次ぐ保護期間が許与されるときは、最初の期間は、前記の最短の期間より短かくてはならない。

3 前項の規定は、写真的著作物及び応用美術の作品には適用しない。ただし、写真的著作物を保護し、又は応用美術の作品を美術的著作物として保護している締約国においては、これらの種類の著作物に関する保護期間は、いずれも10年より短くてはならない。

4 締約国は、いずれの著作物についても、発行されていないものの場合にはその著作者が国籍を有する締約国の法令により、及び発行されたものの場合にはそれが最初に発行された締約国の法令により当該著作物の種類について定められている期間より長い期間保護を与える義務を負わない。

 いずれかの締約国の法令により2以上の相次ぐ保護期間が許与されているときは、前記の規定の適用上、これらの期間を合算した期間をその締約国が保護を与えている期間とみなす。もっとも、特定の著作物がなんらかの理由により2番目以後のいずれかの期間その締約国の保護を受けないときは、他の締約国は、当該期間その著作物について保護を与える義務を負わない。

5 締約国の国民の著作物で非締約国で最初に発行されたものは、前項の規定の適用上、その著作者が国籍を有する締約国で最初に発行されたものとみなす。

6 2以上の締約国で同時に発行された著作物は、4の規定の適用上、最も短い保護期間を許与する締約国で最初に発行されたものとみなす。最初の発行の日から30日以内に2以上の締約国で発行された著作物は、これらの締約国で同時に発行されたものとみなす。


   第5条〔翻訳権〕

1 著作権は、この条約に基いて保護を受けている著作物を翻訳し、その翻訳を発行し、並びにこれらの著作物の翻訳及びその発行を許諾する排他的権利を含む。

2 もっとも、締約国は、次の諸規定に従うことを条件として自国の国内法令により文書に関する翻訳権を制限することができる。

 文書の最初の発行の日から7年の期間が満了した時に翻訳権を有する者により又はその者の許諾を得て締約国の1又は2以上の国語でその文書の翻訳が発行されていないときは、その締約国の国民は、当該著作物が発行されていない自国語にそれを翻訳し、かつ、その翻訳を発行するため、自国の権限のある機関から非排他的の許可を受けることができる。ただし、許可を申請する者は、翻訳権を有する者に対し翻訳し、かつ、その翻訳を発行することの許諾を求めたが拒否された旨又は相当な努力を払ったが翻訳権を有する者と連絡することができなかった旨のいずれかを自国の手続に従って立証しなければならない。この許可は、また、1の国語によりすでに発行された翻訳が絶版になっているときも、同一の条件で与えることができる。

 翻訳権を有する者と連絡することができない場合には、許可を申請する者は、著作物に氏名が掲げられている発行者に対し、及び、翻訳権を有する者の国籍が判明しているときは、その翻訳権を有する者が国籍を有する国の外交代表若しくは領事代表又はその国の政府が指定する機関に対し、申請書の写を送付しなければならない。許可は、申請書の写の発送の日から2箇月の期間が経過するまでは与えることができない。

 翻訳権を有する者に対し公正なかつ国際慣行に合致した補償額並びにその補償金の支払及び移転を保障し、並びに著作物の正確な翻訳を確保するため、国内法令により適当な措置が執られなければならない。

 発行された翻訳のすべての複製物には、原著作物の題名及び著作者の氏名が印刷されていなければならない。許可は、それが申請された締約国における翻訳の発行についてのみ有効とする。こうして発行された複製物は、他のいずれかの締約国の国語の1が著作物の翻訳された言語と同一の言語であり、かつ、その国の国内法令が前記の許可を認めてその輸入及び販売を禁止していないときは、その国に輸入し、及びその国で販売することができる。前記の条件が存しない場合には、これらの複製物の締約国への輸入及びその国における賑売は、その国の国内法令及びその国が締結する取極により規律するものとする。許可を受けた者は、その許可を譲渡してはならない。

 許可は、著作物のすべての頒布中の複製物を回収したときは、与えることができない。


   第6条〔発行の定義〕

 この条約において「発行」とは、著作物を読むこと又は視覚によって認めることができるように有形な物に複製し、及びその複製物を公衆に提供することをいう。


   第7条〔不遡及〕

 この条約は、保護の要求される締約国におけるこの条約の効力発生の日にその国で最終的に保護を受けなくなっており、又は保護を受けたことのない著作物及び著作物についての権利には適用しない。


   第8条〔署名、批准および加入〕

1 この条約は、1952年9月6日の日付を有し、国際連合教育科学文化機関事務局長に寄託するものとし、その日付の日から起算して120日の期間すべての国の署名のため開放しておく。この条約は、署名国による批准又は受諾を要するものとする。

2 この条約に署名しなかったいずれの国も、これに加入することができる。

3 批准、受諾又は加入は、そのための文書を国際連合教育科学文化機関事務局長に寄託することにより行うものとする。


   第9条〔効力発生〕

1 この条約は、文学的及び美術的著作物保護国際同盟の加盟国でない4国を含む12国の批准、受諾又は加入のための文書の寄託の後3箇月で効力を生ずる。

2 その後は、この条約は、その他の各国については、それぞれその国の批准、受諾又は加入のための文書の寄託の後3箇月で効力を生ずる。


   第10条〔国内措置〕

1 各締約国は、自国の憲法に従い、この条約の適用を確保するため必要な措置を執るものとする。

2 もっとも、各国は、自国の批准、受諾又は加入のための文書が寄託された時に、自国の国内法令に基いてこの条約の規定を実施することができる状態になっていなければならないと了解される。


   第11条〔政府間委員会〕

1 次の任務を有する政府間委員会を設置する。

 (a) この条約の適用及び運用に関する問題を研究すること。

 (b) この条約の定期的の改正を準備すること。

 (c) 国際連合教育科学文化機関、文学的及び美術的著作物保護国際同盟、アメリカ州諸国機構等の諸種の関係国際機関と協力して著作権の国際的保護に関するその他の問題を研究すること。

 (d) 締約国に対し自己の活動を通報すること。

2 委員会は、地理的に公平な代表となるように相当の考慮を払い、かつ、この条約に附属しているこの条に関する決議に従って選ばれる12の締約国の代表者からなる。

 国際連合教育科学文化機関事務局長、文学的及び美術的著作物保護国際同盟事務局長及びアメリカ州諸国機構事務局長又はこれらの者の代理者は、顧問の資格で委員会の会合に出席することができる。


   第12条〔改正会議〕

 政府間委員会は、必要があると認めたとき、又は10以上の締約国の要請若しくは締約国の数が20未満の場合にはその過半数の締約国の要請があったときは、この条約の改正のための会議を招集しなければならない。


   第13条〔領域への適用〕

 締約国は、その批准、受諾若しくは加入のための文書の寄託の時に、又はその後いつでも、

 国際連合教育科学文化機関事務局長にあてた通告により、自国が外交関係について責任を有する国又は領域の全部又は一部にこの条約を適用する旨を宣言することができる。この通告が行われた場合には、この条約は、その通告に掲げる国又は領域について、第9条に定める3箇月の期間の満了後において、即時適用される。この通告が行われない場合には、この条約は、これらの国又は領域には適用されない。


   第14条〔廃棄〕

1 締約国は、自国のために、又は前条の規定による通告の対象となった国若しくは領域の全部若しくは一部のためにこの条約を廃棄することができる。廃棄は、国際連合教育科学文化機関事務局長にあてた通告により行うものとする。

2 廃棄は、廃棄の通告が行われた締約国又は国若しくは領域についてのみ適用があるものとし、通告が受領された日の後12箇月間は効力を生じない。


   第15条〔紛争解決〕

 この条約の解釈又は適用に関する2以上の締約国間の紛争で交渉により解決することのできないものは、紛争当事国が他の解決方法に同意しない限り、決定のため国際司法裁判所に付託するものとする。


   第16条〔本文〕

1 この条約は、英語、フランス語及びスペイン語により作成する。これらの3本文は、署名されるものとし、ひとしく正文とする。

2 ドイツ語、イタリア語及びポルトガル語によりこの条約の公定本文を作成する。

 締約国は、単独又は共同で、国際連合教育科学文化機関事務局長と取極を行い、別に自己が、選択する国語による本文を同事務局長に作成させることができる。

 これらのすべての本文は、この条約の署名された本文に添付するものとする。


   第17条〔ベルヌ条約との関係〕

1 この条約は、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約の規定及び同条約により創設された同盟の加盟国の地位になんら影響を及ぼすものではない。

2 前項の規定の適用に関し、この条に宣言が附属している。この宣言は、1951年1月1日にベルヌ条約により拘束されていた国又はその後これに加入する国に関し、この条約の不可分の一部をなす。これらの国によるこの条約への署名は、この宣言への署名としての効力をも有し、これらの国によるこの条約の批准若しくは受諾又はこれへの加入は、それぞれ、この宣言の批准若しくは受諾又はこれへの加入をも含むものとする。


   第18条〔米州条約との関係〕

 この条約は、もっぱら2以上のアメリカ州の共和国の間にのみ現在実施されており、又は将来実施される著作権に関する多数国間又は2国間の条約又は取極を無効にするものではない。これらの現在実施されている条約若しくは取極の規定とこの条約の規定とが抵触する場合、又はこの条約の規定とこの条約の効力発生の後に2以上のアメリカ州の共和国の間に新たに作成される条約若しくは取極の規定とが抵触する場合には、最も新しく作成された条約又は取極の規定が当事国間において優先するものとする。いずれかの締約国におけるこの条約の効力発生の日前に有効な条約又は取極に基いてその国で取得された著作物についての権利は、なんら影響を受けるものではない。


   第19条〔他の条約との関係〕

 この条約は、2以上の締約国間に実施されている著作権に関する多数国間又は2国間の条約又は取極を無効にするものではない。これらの実施されている条約又は取極の規定とこの条約の規定とが抵触する場合には、この条約の規定が優先するものとする。いずれかの締約国におけるこの条約の効力発生の日前に有効な条約又は取極に基いてその国で取得された著作物についての権利は、なんら影響を受けるものではない。この条の規定は、第17条及び前条の規定になんら影響を及ぼすものではない。


   第20条〔留保〕

 この条約には、いかなる留保も認めない。


   第21条〔認証謄本の送付等〕

 国際連合教育科学文化機関事務局長は、関係国及びスイス連邦政府に対し、並びに登録のため国際連合事務総長に対しこの条約の認証謄本を送付するものとする。

 国際連合教育科学文化機関事務局長は、また、批准、受諾又は加入のための文書の寄託、この条約の効力発生の日、第13条の規定による通告及び第14条の規定による廃棄についてすべての関係国に通報するものとする。


   第17条に関する附属宣言〔ベルヌ同盟との関係〕

 文学的及び美術的著作物保護国際同盟の加盟国であり、かつ万国著作権条約の署名国である国は、

 前記の同盟の基礎の上に相互の関係を密接にし、かつベルヌ条約と万国著作権条約との併存から生ずる紛争を避けることを希望して、

 合意により、次の宣言条項を受諾した。

 (a) ベルヌ条約により創設された国際同盟から1951年1月1日後に脱退した国を同条約

 の規定に基いて本国とする著作物は、ベルヌ同盟国において、万国著作権条約による保護を受けない。

 (b) 万国著作権条約はベルヌ条約により創設された国際同盟の加盟国の1を同条約の規定に基いて本国とする著作物の保護に関する限り、ベルヌ同盟国間の関係については、適用しない。


   第11条に関する決議〔政府間委員会〕政府間著作権会議は、

 万国著作権条約第11条に定める政府間委員会に関する問題を審議して、次のことを決議する。

1 委員会の最初の委員は、次の12国の代表者とし、これらの国は、それぞれ代表者1人とその代理者1人を任命するものとする。

 ドイツ、アルゼンティン、ブラジル、スペイン、アメリカ合衆国、フランス、インド、イタリア、日本国、メキシコ、連合王国及びスイス

2 委員会は、この条約が効力を生じた後第11条の規定に従って直ちに構成されるものとする。

3 委員会は、委員長1人と副委員長1人を選出するものとする。委員会は、次の原則の実施を確保する内部規則を定めるものとする。

 (a) 代表者の通常の任期は、6年とし、2年ごとにその3分の1を改めて任命するものとする。

 (b) 委員会は、委員の任期の満了前に、委員会に代表者を送ることを終止する国及び代表者を任命すべき国を決定しなければならない。批准、受諾又は加入をしていない国の代表者は、第1番に退任するものとする。

 (c) 世界の各地域から公平に代表者が送られなければならない。

 政府間著作権会議は、また、次の希望を表明する。国際連合教育科学文化機関が委員会の事務局を提供すること。

 以上の証拠として、下名は、各自の全権委任状を寄託した後、この条約に署名した。1952年

 9月6日にジュネーブで、本書1通を作成した。



○無国籍者及び亡命者の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第一附属議定書


     1952年9月6日 ジュネーブで作成

     1955年9月16日 効力発生

 万国著作権条約(以下「条約」という。)の締約国でありかつこの議定書の締約国となる国は、次の規定を受諾した。

1 この議定書の締約国に常時居住する無国籍者及び亡命者については、条約の適用上、その国の国民と同一の取扱をするものとする。

2 (a)条約第8条の規定の例により、この議定書は、署名され、かつ、批准又は受諾を要するものとし、また、これに加入することができる。

 (b)この議定書は、各国について、それぞれ、その批准、受諾若しくは加入のための文書の寄託の日又はその国における条約の効力発生の日のうちいずれかおそい日に効力を生ずる。以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けて、この議定書に署名した。

 1952年9月6日にジュネーヴで、ひとしく正文である英語、フランス語及びスペイン語により本書1通を作成した。本書は、ユネスコ事務局長に寄託するものとする。同事務局長は署名国及びスイス連邦政府に対し、並びに登録のため国際連合事務総長に対しその認証謄本を送付するものとする。



○ある種の国際機関の著作物に対する万国著作権条約の適用に関する同条約の第二附属議定書

     1952年9月6日 ジュネーブで作成

     1955年9月16日 効力発生

 万国著作権条約(以下「条約」という。)の締約国でありかつこの議定書の締約国となる国は。次の規定を受諾した。

1 (a)条約第2条1に定める保護は、国際連合、国際連合と連携関係をもたされる専門機関又はアメリカ州諸国機構が最初に発行した著作物に適用する。

 (b)同様に、条約第2条2の規定も、前記の機構又は機関に適用する。

2 (a)条約第8条の規定の例により、この議定書は、署名され、かつ、批准又は受諾を要するものとし、また、これに加入することができる。

 (b)この議定書は、各国について、それぞれ、その批准、受託若しくは加入のための文書の寄託の日又はその国における条約の効力発生の日のうちいずれかおそい日に効力を生ずる。

 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けて、この議定書に署名した。

 1952年9月6日にジュネーブで、ひとしく正文である、英語、フランス語及びスペイン語により本書1通を作成した。本書は、ユネスコ事務局長に寄託するものとする。同事務局長は、

 署名国及びスイス連邦政府に対し、並びに登録のため国際連合事務総長に対しその認証謄本を送付するものとする。



○万国著作権条約の条件附の批准、受諾又は加入に関する同条約の第三附属議定書

     1952年9月6日ジュネーブで作成

     1954年8月19日効力発生

 この議定書の締約国は、

 現行のいずれかの著作権保護の国際制度に参加している国に対する万国著作権条約(以下「条約」という。)の適用が条約の価値を著しく増大することを認めて、

 次のとおり協定した。

1 この議定書の締約国は、条約の批准若しくは受諾又はこれへの加入のための文書の寄託の時に、国際連合教育科学文化機関事務局長(以下「事務局長」という。)に対して通告を行い、当該文書が、条約第9条の規定の適用上、その通告書に掲げる他のいずれかの国が批准、受諾又は加入のための文書を寄託するまで効力を生じない旨を宣言することができる。

2 前項の規定による通告書は、それが関係する文書に添付するものとする。

3 事務局長は、この議定書の規定に従って受領したすべての通告について、条約に署名し、又は加入したすべての国に通報するものとする。

4 この議定書は、条約と同一の日付を有し、また、条約の場合と同一の期間署名のため開放しておく。

5 この議定書は、署名国による批准又は受諾を要するものとする。この議定書に署名しなかったいずれの国も、これに加入することができる。

6 (a)批准、受諾又は加入は、そのための文書を事務局長に寄託することにより行うものとする。

 (b)この議定書は、4番目の批准、受諾又は加入のための文書が寄託された日に効力を生ずる。事務局長は、その日をすべての関係国に通報するものとする。この日の後に寄託された文書は、その寄託の日に効力を生ずる。

 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けて、この議定書に署名した。

 1952年9月6日にジュネーブでひとしく正文である英語、フランス語及びスペイン語により本書1通を作成した。本書は、条約の本書に附属するものとする。事務局長は、署名国及びスイス連邦政府に対し、並びに登録のため国際連合事務総長に対しその認証謄本を送付するものとする。