データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] アメリカ合衆国と中華人民共和国との間の外交関係樹立に関する共同コミュニケ

[場所] 
[年月日] 1978年12月15日(1979年1月1日付)
[出典] わが外交の近況(外交青書)23号,448‐449頁.
[備考] 外務省仮訳
[全文]

 アメリカ合衆国及び中華人民共和国は、1979年1月1日付けで、相互に承認し及び外交関係を樹立することに合意した。

 アメリカ合衆国は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。この範囲内で、合衆国の人民は、台湾の人民と文化、商業その他の非公式な関係を維持する。

 アメリカ合衆国及び中華人民共和国は、上海コミュニケで双方が合意した諸原則を再確認するとともに、次のことを再び強調する。

一 双方は、国際的軍事衝突の危険を減少させることを願望する。

一 いずれの側も、アジア・太平洋地域においても又は世界の他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対する。

一 いずれの側も、いかなる第三者に代わつて交渉し、又は第三国に向けられた合意若しくは了解を他方の側と行う用意もない。

一 アメリカ合衆国政府は、中国はただ一つであり、台湾は中国の一部であるとの中国の立場を認める。

一 双方は、米中関係の正常化は、中国及びアメリカの人民の利益に合致するのみならず、アジアと世界の平和に貢献するものと信ずる。

 アメリカ合衆国及び中華人民共和国は、1979年3月1日に、大使を交換し及び大使館を設置する。

{テキスト中に2カ所出てくる「覇権」の「覇」に「は」というルビがあり}