データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 統合イノベーション戦略2025

[場所] 
[年月日] 2025年6月6日
[出典] 内閣府
[備考] 閣議決定
[全文] 

統合イノベーション戦略2025

{目次は省略}

1.基本的な考え方

 ・ 統合イノベーション戦略2025(以下「統合戦略2025」という。)は、「第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定)」(以下「第6期基本計画」という。)の実行計画として位置付けられる5年目の年次戦略であるとともに、第7期基本計画も見据えた重要な戦略となるものである。

 ・ 科学技術・イノベーションは、国力の源泉であり、経済成長を加速させ、社会課題を解決する原動力である。科学技術の急速な進展により、基礎研究の成果が迅速に社会実装されるようになっており、例えば、低コスト・小規模で高性能なAIモデルが出現するなど、科学技術が世の中に与えるインパクトが拡大している。また、新興技術の中には、社会実装への期待が大きく、将来の国際社会のパワーバランスに影響を与え得るものも出てきている。世界の安全保障環境が厳しさを増す中で、重要技術を巡る主導権争いは激しさを増しており、我が国の国際競争力を強化していくことが重要になっている。

 ・ 国内では人手不足の深刻化に伴い、AI・ロボティクスによる自動化・省力化を通じた生産性向上への対応が急務となっている。さらに、頻発する災害への備えや対応も喫緊の課題となっており、これらに科学技術・イノベーションが果たす役割が一層重要になっている。

 ・ 統合戦略2025では、第6期基本計画の総仕上げとして、「先端科学技術の戦略的な推進」、「知の基盤(研究力)と人材育成の強化」、「イノベーション・エコシステムの形成」の3つの基軸で取組を更に加速していく。また、第7期基本計画に向けた議論の内容も踏まえ、早急に着手すべき課題にも対応すべく、経済安全保障との連携強化や大学等の研究基盤の強化、重要技術領域への研究開発投資の促進等について取組を進めていく。

 ・ Society5.0の実現に向けて、第6期基本計画の進捗状況の把握・評価を着実に進めるとともに、国内外の情勢変化や最新動向等をe-CSTI等を活用しながら継続的に把握・分析し、科学技術・イノベーション政策に反映することで、効率的・効果的に施策を推進していく。

2.第6期基本計画の総仕上げとしての取組の加速

(1) 先端科学技術の戦略的な推進

 ① 重要分野の戦略的な推進

(AIイノベーション促進とリスク対応の両立)

 ・ AI(人工知能)は、少子高齢化、地方の人口減少、インフラの老朽化等、様々な社会課題の解決に寄与し得るものである一方で、偽・誤情報の拡散、犯罪の巧妙化、男女差別等の偏見、人事評価等における誤使用等、様々なリスクを及ぼし得るものでもある。AIの急速な高度化を考えると、人間中心、人権尊重、法令遵守等の原則を踏まえ、イノベーション促進とリスク対応の両立を図る必要がある。また、AIは国境を越えて研究開発や活用がなされるものであることから、国際的な協調も不可欠である。

 ・ このような観点から、「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第53号)」(以下「AI法」という。)に基づく人工知能戦略本部の設置及びそれに伴う必要な事務局体制の整備、人工知能基本計画の策定等がなされることを視野に入れつつ、AIの研究開発や活用の動向等を踏まえ、以下の施策を推進する。また、エージェントAIの普及やAGI(汎用人工知能)の実現可能性がある中、人とAIの安全な協調や事故時の責任の所在等に関する研究を進めるとともに、変化の激しい技術に関するガバナンスの在り方(アジャイルなPDCAサイクル等によるガバナンス等)を研究し、AI法等の法令やガイドライン等を通してガバナンスを実現する。

(AIの研究開発の推進等)

 ・ AIは、基礎研究から社会実装までの各プロセスが相互に関連して同時並行的に進むことから、プロセス全体を俯瞰しつつ、研究開発の推進等を行う。

 ・ 科学研究データ創出基盤を強化するなどAIforScienceを加速し、優れたAI性能を有する「富岳」の次世代フラッグシップシステムについて、令和12年頃までの運転開始に向けた開発・整備を進める。

 ・ AI半導体等の高性能化と低消費電力化を両立するための取組を推進するとともに、これらAI半導体を高効率かつ高い利便性で利用可能にする環境を開発する。

 ・ AIモデルの高性能化やマルチモーダル化、AIロボット等のフィジカルAI等の研究開発及び将来を見据えた汎用的な基盤モデルの研究開発を産学で進め、革新的技術を有するスタートアップ等を支援する。

 ・ 特にAIロボットについては、汎用的なAIロボットやその基盤等の研究開発・実装を官民で進め、AIロボットの基盤モデルの開発のための学習環境や、合成データ生成やAIシミュレーション、学習に向けた仮想空間生成のためのGPU環境の構築を加速する。

(AI関連施設等の整備及び共用の促進)

 ・ 競争力の強化に向けては、AI開発に不可欠な計算資源やデータセット等に幅広い開発者がアクセスできることが重要であり、官民で計算資源の高度化・効率化、研究データ基盤等の整備・共用を促進する。

 ・ 効率的な電力・通信インフラの整備を通じた電力と通信の効果的な連携(ワット・ビット連携を図り、データセンターの整備を加速する。

 ・ オール光ネットワーク、モバイル等の次世代情報通信基盤(Beyond5G)の研究開発・国際標準化とテストベッドの整備・活用等を通じた社会実装・海外展開を一体的に推進する。

 ・ 生成AIの性能向上に資する質の高い日本語データを整備・拡充し、適切な形で企業等に提供するとともに、政府・自治体等での活用も念頭に、日本の文化・習慣等を踏まえた信頼できるAIの開発・評価を推進する。また、各分野の競争力あるAI開発のためマルチモーダルなデータ提供や好事例の共有を進める。

(AI活用の推進)

 ・ 重要分野での利用促進や社会課題の解決等のため、官民におけるAI活用を推進する。

 ・ 医療・ヘルスケア、ロボット、工場・プラント、インフラ・防災、安全保障、政府・自治体等の重要分野や、介護、農林水産業等の人手不足が深刻な分野でのAIの活用を促進する。また、それらの取組を通じて、地方創生を進める。

 ・ 統計作成等と整理できるAI開発等における本人同意の在り方や、課徴金等による規律遵守の実効性確保等について検討し、「個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)」の改正案を早期に提出する。

 ・ AIの責任の在り方の検討を進め、民間企業でのエージェントAI等の高性能AIの開発・導入の促進や、政府における導入を検討する。

 ・ 「行政の進化と革新のための政府における適切な生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(令和7年5月27日デジタル社会推進会議幹事会決定)」に基づき、政府によるAIの適切な調達・利活用や得られた知見の共有を進める。

 ・ 地方におけるAIの本格的な導入を促進するため、地方の自治体や企業が参加してAIの実証・導入を推進する機会・事例(AI北海道会議等)を増やし、普及・広報を進める。

(AIの適正性の確保)

 ・ AIの開発・活用の適正性の確保のため、広島AIプロセス等に即した指針を国が整備して事業者等の自主的な取組を促すとともに、既存法令やガイドライン等の周知・浸透等を図る。

 ・ AIセキュリティを高める技術等、安全性に関する研究開発を官民連携で進める。AIセーフティ・インスティテュート(以下「AISI」という。)は、AI安全性の中心機関として、関係省庁・機関等の協力を得て、専門人材の確保や育成、検証ツール開発、AIセキュリティの調査・分析等を進める。

 ・ 生成AIに起因する偽・誤情報を含むインターネット上の偽・誤情報等への対応について、国際動向も踏まえつつ、AI生成コンテンツを判別する技術等の開発支援、利用者のリテラシー向上、制度的対応等を総合的に進める。

 ・ AI時代の知的財産権検討会の「中間とりまとめ」や文化審議会著作権分科会法制度小委員会の「AIと著作権に関する考え方について」を踏まえ、周知・啓発を進める。

 ・ 各府省にCAIO(AI統括責任者:ChiefAIOfficer)を設置し、各府省の生成AIの利活用状況等をデジタル庁において把握しつつ、政府全体で適切にリスクを管理する仕組みを整える。

(AI関連人材の確保と教育振興等)

 ・ AIに関する技術的知識、倫理やガバナンスに関する知識など様々な横断的知見等を有する人材の確保等を行いつつ、広く国民がAIのメリットを享受できるよう必要な知識を国民に浸透させる教育の振興に取り組む。

 ・ 次世代半導体やAI等の開発に係るエンジニア・学生を含む若手研究者の育成や、AIモデルの透明性・信頼性等を確保する産学官ネットワークや大学・研究機関等の緊密な連携体制を構築する。

 ・ AIスキル等を有する人材の確保・育成支援や個人のスキル情報の蓄積・可視化等を進める。また、組織内のデータ整備を担うデータマネジメント人材の育成を推進する。

 ・ 国は、様々な地域・業種において、ユーザーとベンダー、エンジニアが連携して使えるAIを作り込む活動をコミュニティの運営支援やコンテストの実施等を通じて促進する。

 ・ 国は、AIスキル習得、AIリテラシー向上のための教育コンテンツの充実・普及啓発を図る。

 ・ 「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」の周知・普及を図り、情報モラルを含めた生成AIの利活用に関する実証的な取組を進める。

(AIに関する調査研究等)

 ・ 急速な技術の発展や活用の把握等のため、事業者等の研究開発や活用等、優れた事例に関する実態調査・情報共有等を行う。

 ・ ビッグテックによる安全性対策、重要な業種・インフラ等におけるAI活用の実態等について、国は定期的に情報を収集する。また、医療、自動運転、金融等のAI活用に伴う社会的な影響が大きな分野では、技術の進展や利用を踏まえ、必要に応じて制度の見直しの検討等を行う。

 ・ 不正な目的・不適切な方法によるAIの開発・活用により国民の権利・利益が侵害された場合等に、国は分析・対策の検討を行い、指導・助言、国民への情報提供等の必要な措置を講じる。

(AI分野の国際的協調の推進)

 ・ AIの研究開発や活用は国境を越えるものであるため、国際連携や世界と我が国の規範の相互運用性の確保が重要であり、国際協力を推進するとともに、産学官が連携して国際的な規範の策定に係る議論を主導する。

 ・ 広島AIプロセスを更に前進させるため、AI開発企業等の支援も得つつフレンズグループを活用し、また、我が国のAIエコシステムの展開も念頭に、開発途上国との連携を強化する。あわせて、国際行動規範の実践を促進し、AIガバナンスにおけるルール形成の議論を主導する。

 ・ 国際協力のアプローチにより、人間の安全保障の理念を踏まえつつ、AIの能力構築支援等を行う。

 ・ GPAI(AIに関するグローバル・パートナーシップ)東京専門家支援センター等を通じて、広島AIプロセスの推進に資するプロジェクトベースの取組を支援する。

 ・ 我が国のAISIと諸外国等のAISI等との国際的なネットワークを通じて、AIの安全性確保に向けた方策等の整合を図るとともに、そのために必要な体制を整備する。

 ・ ISO/IECJTC1におけるAI分野の国際標準化活動に参画し、認証規格を含めたAIに関連する国際規格の策定に寄与する。

 ・ 米国等の有志国・地域と強固に連携した開発体制や大学や国立研究開発法人(以下「国研」という。)等が緊密に協力し、そのポテンシャルも活用した産学連携体制を強化する。また、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)も活用しつつ、AI開発者間のノウハウ共有やグローバルテックとの交流等を官民で促進し、特にグローバル・サウスとの協力モデルを打ち出す。

(量子技術)

 ・ 量子技術の著しい進展を背景として、各国で国家戦略の策定や国際連携が活発化するなど、我が国を取り巻く状況が大きく変化している。「量子エコシステム構築に向けた推進方策(令和7年5月30日量子技術イノベーション会議決定)」に基づき、国内外における実用化・産業化に向けた状況変化に対応していく。

 ・ 令和7年を「量子産業化元年」と位置付け、産学官が連携し、量子技術における我が国の技術的優位性を保ちつつ、市場創出に向けた取組を加速し、社会的に量子技術を活用する準備が整ったQuantum-Readyな日本を目指す。

 ・ 量子技術に関する基礎・応用研究に着実に取り組むとともに、量子技術と基盤技術(AI技術や古典計算基盤等)の融合を推進する。さらに、グローバルサプライチェーンの強靱化、国際標準化活動の推進、量子計算資源や量子暗号通信等の検証環境整備を進め、バイオ、マテリアル等の他分野における実用的なユースケースの創出、スタートアップ・新事業の創出を推進する。

 ・ 同志国との協力覚書の締結を一層推進し、国際的な量子技術分野における協力関係の構築・拡大を着実に進める。

 ・ また、量子分野における人材の育成・確保に向け、博士学生や若手研究者の海外派遣やサイエンススクール等を通じ、世界トップレベルの研究人材の育成・確保、産業化を担う専門人材の育成、将来を担う若年層への教育を行う。また、量子に関する基礎学理を探求する大学等の研究体制の強化や、政府間連携等による産学のグローバル展開・連携機会の創出に取り組む。

 ・ さらに、量子技術の早期産業化に向け、国立研究開発法人理化学研究所(理研)における量子コンピュータのコア技術開発、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)に令和5年7月に設置した「量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)」を活用した量子コンピュータ産業エコシステムの構築、国立研究開発法人情報通信研究機構(NⅠCT)における量子暗号通信テストベッドの拡充・高度化による更なるユースケースの創出、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下「QST」という。)における量子センサ等のテストベッド利用環境の活用を進める。

(フュージョンエネルギー)

 ・ フュージョンエネルギーは、次世代のクリーンエネルギーとしての期待に加え、国際プロジェクトのITERや、米国等における政府主導の取組の進展もあり、各国で民間投資が増加している。各国が大規模な投資を行い、国策として自国への技術・人材の囲い込みを強める中、我が国の技術・人材の海外流出を防ぎ、エネルギーを含めた安全保障政策に資するため、「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略(令和7年6月4日統合イノベーション戦略推進会議決定)」に基づき取組を推進する。特に、国としてのコミットメントを明確にする観点から、世界に先駆けた2030年代の発電実証の達成に向けて、必要な官民の取組を含めた工程表を作成するなど、フュージョンエネルギーの早期実現を目指す。

 ・ 民間企業やアカデミアの予見可能性を高めるため、米国・英国等のスタートアップが掲げる野心的な発電目標時期も踏まえつつ、ITER計画/BA活動における知見や新興技術を最大限に活用し、原型炉計画や国内スタートアップによる発電実証計画の技術成熟度を客観的・横断的に評価しつつ、バックキャストに基づくロードマップを策定する。また、現状の技術成熟度の評価に加え、技術開発から事業化に至るまでの道筋、将来のフュージョン装置のコスト、円滑な技術移転方策、サイト選定の進め方、実施主体の在り方等について、内閣府にタスクフォースを設置し、検討を進める。

 ・ 原型炉実現に向けた基盤整備を加速するため、産学官連携の下で研究力を強化するとともに、QST等の体制を強化し、他の国研等とも連携しつつ、アカデミアや民間企業を結集して技術開発を実施する体制やスタートアップ等への供用も可能とする実規模技術開発のための試験施設・設備群を整備する。また、トカマク型、ヘリカル型、逆磁場配位型、ミラー型等の磁場閉じ込め方式、レーザー型のような慣性閉じ込め方式等の様々な方式の研究開発が進められている中で、令和6年3月に設立された「一般社団法人フュージョンエネルギー産業協議会(JFusion)」等の産業界と連携し、世界のサプライチェーン競争への積極的な参画や国際標準化の戦略的主導、小型動力源等の多様な社会実装に向けた用途を実証すること等により、サプライチェーンの発展や投資の促進に向けて、エコシステム構築に向けた取組を推進する。また、ITER計画のベースラインの改定も見据えつつ、ITER機構における日本人職員数の増加を含め、ITER計画/BA活動を通じて様々な知見を着実に獲得し、その果実を国内に還元するとともに、日米共同声明や日欧共同プレス声明も踏まえつつ、多国間・二国間の連携を強化する。さらに、民間企業の参画や原型炉開発を促進するため、関連学会やG7等の同志国と連携し、令和7年3月に決定した「フュージョンエネルギーの実現に向けた安全確保の基本的な考え方」を踏まえた取組を推進する。あわせて、原型炉開発等のフュージョンエネルギーに携わる人材を戦略的に育成するため、大学間連携・国際連携による体系的な人材育成システムを構築するとともに、リスクコミュニケーションによる国民理解の醸成等を一体的に推進する。

(マテリアル)

 ・ マテリアルは、分野横断的な基盤技術であるとともに、AI、バイオ、量子、半導体、電池等といった幅広い分野に飛躍的な技術の進展をもたらし、イノベーションを先導する重要な要素である。「マテリアル革新力強化戦略(令和7年6月4日統合イノベーション戦略推進会議決定)」に基づき、知のバリューチェーンの構築を通じてマテリアル・イノベーションを絶えず創出し、我が国の基幹産業であるマテリアル産業で勝ち続け、複合化する様々な社会課題に対応していく。

 ・ 具体的には、高機能・高付加価値マテリアル、サーキュラーエコノミーの実現を通じた資源確保、サプライチェーン強靱化の鍵となるマテリアル、グリーンマテリアル、エネルギー関連マテリアル等の研究開発や設備導入支援、国際ルール形成等に重点的に取り組む。また、「フロンティア」への挑戦により、新たな価値を創出するマテリアル(フロンティア・マテリアル)の研究開発に取り組む。

 ・ マテリアル・イノベーションの加速のため、AI・ロボティクスと融合した自動・自律実験システム等によるマテリアルDXを更に推進する。マテリアルデータ基盤を拡充するとともに、利活用を進め、データ駆動型研究開発による成果の創出を推進する。「知」の橋渡しによるイノベーション創出のため、我が国の強みである多様なプレーヤーの連携を進めるとともに、マテリアル分野のスタートアップ育成エコシステムの構築を進める。・マテリアル・イノベーションの継続的な創出のため、基礎基盤的研究や人材育成、先端共用設備等の研究基盤整備を推進する。

(バイオテクノロジー)

 ・ 「バイオエコノミー戦略(令和6年6月3日統合イノベーション戦略推進会議決定)」に基づき、バイオエコノミー市場の創出を推進する。

 ・ 具体的には、「バイオものづくり・バイオ由来製品」、「持続的一次生産システム」、「木材活用大型建築・スマート林業」、「バイオ医薬品・再生医療・細胞治療・遺伝子治療関連産業」、「生活習慣改善ヘルスケア、デジタルヘルス」の5つの市場において、合成生物学やAIの活用等の技術開発の加速化、市場環境・事業環境の整備、国際標準の戦略的活用等について、産学官金が連携して取組を推進する。また、バイオエコノミー拡大の源泉となる生命科学研究を支える人材育成、ライフコースに着目した研究等の基礎生命科学の振興、データベース・バイオリソース・バイオバンク等の次世代情報研究基盤の整備・充実、それらを活用したデータ駆動型研究を推進する。

 ・ バイオ分野におけるスタートアップ・エコシステムを強化するため、バイオコミュニティにおける産学官金の連携を推進する。

(デジタル社会の形成)

 ・ 先端科学技術と多様かつ大量のデータを活用したデジタルツインによるデジタル社会の形成は、Society5.0の実現に向けた基盤となるものである。「デジタル社会の実現に向けた重点計画(令和6年6月21日閣議決定)」(令和7年年央目処に改定予定。)の下、関係府省と連携し、行政におけるAI利活用やデジタル技術・新技術を徹底活用した地方創生、データ利活用環境の構築を推進する。あわせて、デジタル技術・新技術の社会実装を阻むアナログ規制について、「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表」に基づく見直しの推進や、地方公共団体における条例等の見直しの促進に取り組むとともに、テクノロジーマップ・技術カタログ等を活用したデジタル技術の実装に向けた情報発信等に取り組む。また、データ連携促進に向けて、官民連携の下で、ユースケースの創出、データ連携に係る共通機能の明確化等を行い、重複投資の回避等に取り組む。引き続きベース・レジストリの整備や教育・医療・防災等の準公共分野におけるデジタル化、信頼性のある自由なデータ流通(以下「DFFT」という。)の基盤となるトラスト確保、データに係る基準・標準の整備等を推進するほか、G7群馬・高崎デジタル・技術大臣会合及びG7広島サミットにおいて承認された国際的な枠組みの下で、データが越境移転する際に直面する課題を解決するプロジェクトの実施等、DFFTに関する取組を更に推進していく。さらに、「ウラノス・エコシステム」等の、企業や業界、国境をまたいだデータ連携に関する取組を推進する。くわえて、「デジタルライフライン全国総合整備計画」に基づくドローン航路や自動運転サービス支援道の実装地域を拡大するとともに、インフラ管理のデジタル化については地下埋設管等のデータ整備の在り方に関する検討を先行自治体において進める。

(デジタルインフラ)

 ・ 戦略的基盤技術である半導体について、産学の研究開発体制・人材育成基盤の整備や産業基盤の確保等に向けて取組を加速していく。また、AI社会を支えるデジタルインフラとして、令和7年6月に策定する「デジタルインフラ整備計画2030」に基づき、5G・光ファイバ・非地上系ネットワーク(NTN)等の利用環境整備を加速するほか、電力と通信の効果的な連携(ワット・ビット連携)によるデータセンターの地方分散や国際海底ケーブル等の一体的な整備を推進するとともに、オール光ネットワーク技術を中核とする低遅延・高信頼・低消費電力な次世代情報通信基盤(Beyond5G)の令和12年頃の本格導入に向けて、研究開発・国際標準化とテストベッド整備・活用等を通じた社会実装・海外展開を一体的に推進する。

(健康・医療)

 ・ 「健康・医療戦略(令和7年2月18日閣議決定)」、「医療分野研究開発推進計画(令和7年2月18日健康・医療戦略推進本部決定)」等に基づき、以下の取組を推進する。

 ・ 我が国の創薬力の復権を目指し、バイオ医薬品の生産体制やFIH試験(ヒト初回投与試験)を実施できる国際競争力のある体制、治験薬製造施設等の整備を進め、技術シーズを速やか実用化する国際水準の研究開発環境の実現に取り組む。

 ・ あらゆる年代が健康な社会を実現するため、ライフコースに着目した研究開発を総合的に推進する。具体的には、早期ライフステージにおける親と子の相互作用等の「世代をつなぐ」生命現象の解明に向けた研究、認知症やうつ病等の社会課題の克服に向けた脳神経疾患・精神疾患の画期的な診断・治療・創薬等シーズの創出に向けた研究開発、iPS細胞やオルガノイド等を用いた再生医療や細胞医療、遺伝子治療の研究開発や創薬への応用等、シーズ創出につながる基礎からの研究を推進するとともに、「がん研究10か年戦略(第5次)」に基づく社会実装を意識したがん研究の推進、健康・医療に関する情報やライフログデータ等のPHRを有機的に連結できる環境の整備やオンライン診療・遠隔医療等の普及を推進する。

 ・ 最先端の研究を支えるため、安定的体制によるデータベース、バイオバンク、バイオリソース等の次世代情報基盤や先端機器等の整備・高度化及び共用を促進し、次世代医療の実現に向けたゲノムデータを含むオミックスデータ、臨床情報等を活用したデータ駆動型研究等を推進する。

 ・ 感染症有事に備えるため、ワクチン・診断薬・治療薬等の感染症危機対応医薬品の開発戦略の策定・見直しを行い、研究開発の戦略的な推進及び関連するシミュレーションや訓練を実施する。また、新たな感染症の科学的知見の創出やワンヘルスの視点から、薬剤耐性を含めた感染症危機対応医薬品等の研究開発・実用化を実行できる環境を整備する。

 ・ 我が国の医療機器産業のグローバル市場獲得を目指し、スタートアップとグローバル展開を担う企業の連携、早期から米国市場等への展開を視野に入れた取組の促進、臨床試験への支援強化等によりイノベーション創出・事業化を促進する。

 ・ プログラム医療機器(SaMD)を始めとする医療機器の研究開発を推進するとともに、スタートアップ等による実用化に向けた臨床研究等を支援していく。

 ・ 介護の生産性向上に向けて、介護テクノロジーの開発・普及を促進するとともに社会実装を支援する。

 ・ がん・難病の全ゲノム解析等の事業実施組織を令和7年度に設立し、その成果の患者への還元や、情報基盤の整備を着実に推進するとともに、「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律(令和5年法律第57号)」(ゲノム医療推進法)に基づく基本計画の策定に取り組む。

 ・ 再生医療や細胞医療、遺伝子治療等に用いる再生医療等製品や、抗体医薬品等のバイオ医薬品について、国内製造体制の整備を進めるとともに、国内の機器・部素材品関連産業の巻き込みや、製造関連人材の育成、国内外の開発品の集積等に取り組む。

 ・ 創薬ベンチャーエコシステム強化事業による創薬ベンチャーのグローバル開発支援等を通じ、資金と人材の循環を創出し、我が国の創薬ベンチャーエコシステムの底上げに取り組む。

 ・ 臨床試験後期に掛かり多額の開発資金が必要となる一方で追加の資金調達が困難な創薬ベンチャーの課題を整理し、海外投資家の呼び込みや好事例の横展開等の必要な施策を検討する。

(宇宙安全保障の確保)

 ・ 令和5年に新たに策定した「宇宙安全保障構想(令和5年6月13日宇宙開発戦略本部決定)」において示した3つのアプローチである「安全保障のための宇宙システム利用の抜本的拡大」、「宇宙空間の安全かつ安定的な利用の確保」、「安全保障と宇宙産業の発展の好循環の実現」を通じた宇宙安全保障の実現を図るべく、情報収集衛星の機能強化を始めとした広域・高精度・高頻度な情報収集態勢の確立や、耐傍受性・耐妨害性の高い情報通信態勢の確立、ミサイル脅威への対応、宇宙領域把握等の充実・強化等、安全保障のために必要な宇宙アーキテクチャを早期に構築する必要がある。

 ・ 近年は民間事業者による宇宙技術の革新と商業化が急速に進んでおり、こうした民間の宇宙技術や能力を、我が国の防衛にも積極的に活用することで、国内宇宙産業の発展を促し、それが我が国の防衛力の強化にもつながる好循環を実現していくことが重要である。

(国土強靱化・地球規模課題への対応とイノベーションの実現)

 ・ 令和6年能登半島地震・豪雨では、大型合成開口レーダ(SAR)衛星「だいち2号」や、情報収集衛星、国内民間事業者の衛星による撮像が土砂災害等の被災状況把握に活用された。

 ・ 能登半島地震対応の検証においても、災害応急対策の強化・被災状況の把握におけるSAR衛星の有効性が示されている。また、令和7年2月に発生した岩手県大船渡市の山林火災では、情報収集衛星や、その他国内外の衛星による撮像が延焼状況等の把握に活用された。

 ・ 深刻化する気候変動問題への対応、カーボンニュートラルの実現や自動運転、都市デジタルツインの構築によるスマートシティ等の実現、スマート農林水産業等、宇宙システムを活用して地球規模課題を解決し、地方創生や民間市場分野におけるイノベーションの創出に貢献していくことが求められている。

 ・ 第3回衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース大臣会合(令和6年3月26日)において、令和6年度からの3年間を「民間衛星の活用拡大期間」とし、特に、技術力を持った国内スタートアップ等が提供する衛星データを関係府省が積極的に調達し、また、地方自治体や民間企業における利用を促進するなどの方針を決定した。引き続き、官民が一体となって、戦略的な技術開発・実証を推進するとともに、政府が衛星データの更なる利用拡大に向けてサービス調達を民間企業に率先して一層推進する。

(宇宙科学・探査における新たな知と産業の創出)

 ・ 月探査については、米国に加え、中国、インド、その他の新興国も取組を加速しており、国際競争が激化している。日米首脳共同声明(令和7年2月7日)において、日米両国が、アルテミス計画の将来のミッションでの月面探査を含む有人探査に係る強力なパートナーシップを継続する意図を有することが確認された。アルテミス計画においては、「有人与圧ローバによる月面探査の実施取決め」(令和6年4月)を踏まえ、日本からの有人与圧ローバの提供・運用と併せて、日本人宇宙飛行士による2回の月面着陸の機会の提供が計画されている。我が国としては、有人与圧ローバの開発を推進し、2020年代後半の日本人宇宙飛行士の月面着陸の実現を目指す。また、令和6年1月には国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型月着陸実証機(SLIM)が、世界最高精度のピンポイント月面着陸に成功した。引き続き、産学官が連携し、アルテミス計画への貢献も視野に、宇宙科学・探査の成果を維持・発展させていく。

 ・ 令和12年頃の国際宇宙ステーション(以下「ISS」という。)の退役による現行のISSから民間宇宙ステーションへの移行に向けた取組を踏まえ、我が国の地球低軌道活動の充実・強化及び成果の最大化に向けた準備を早急に進める。また、令和11年に小惑星アポフィスが地球に最接近するなど、小惑星等の天体衝突による災害を事前に防ぐための活動に注目が集まる中で、各国の宇宙機関との連携に取り組む。

 ・ あわせて、宇宙科学・探査の成果、情報発信等を通じ、国民の宇宙開発利用への理解促進を図るとともに、宇宙開発利用を支える将来の人材育成と国際プレゼンスの向上等につなげていく。

(宇宙活動を支える総合的基盤の強化)

 ・ 基幹ロケットについて、令和6年2月にH3ロケット試験機2号機の打ち上げに成功し、その後3号機、4号機、5号機と、着実に成功実績を重ねている。自立的な宇宙活動の維持のためには、官民による高頻度な打ち上げと、より大きな輸送能力、より安価な打ち上げ価格を実現する宇宙輸送システムが必要である。2030年代前半までに我が国としての打ち上げ能力を年間30件程度確保するため、基幹ロケットの高度化・高頻度化を進めるとともに、民間企業によるロケットの技術開発支援や初期需要の確保を通じた成功実績の積み重ね、政府による輸送サービスの調達を進めることが重要である。くわえて、地方創生の観点も踏まえつつ、拠点となる射場・スペースポート整備への支援等を進めることが重要である。サブオービタル飛行や地球周回軌道からの再突入行為、軌道上サービス衛星等、有人を含む多様な宇宙活動への対応、我が国宇宙産業における国際競争力の強化、我が国宇宙活動における安全性・信頼性の確保等の諸課題について、必要な制度環境の整備を迅速に進める必要がある。

 ・ スペースデブリの増加や大規模衛星コンステレーションの導入の本格化等により、宇宙物体同士の衝突のリスクが高まる中で、国連や国際的な場における、国際的なルールメイキングの重要性が増している。国内では、「人工衛星等との衝突防止に係るガイドライン」の制定を始め、技術開発とルールメイキングを「車の両輪」とした取組を着実に進めてきた。引き続き、スペースデブリの低減・除去に資する技術開発を着実に進めるとともに、「軌道利用のルール作りに関する中長期的な取組方針」に沿った取組を推進し、国際的な規範・ルール作りにも率先して取り組むことで、宇宙空間の持続的かつ安定的・安全な利用に貢献していく。

 ・ 我が国の勝ち筋を見据え、開発を進めるべき技術とその開発のタイムラインを示す「宇宙技術戦略(令和7年3月25日宇宙政策委員会)」については、世界トレンドやユーザーニーズ、技術開発の実施状況等の最新状況を踏まえた改定を行った。引き続き、関係府省・機関は、本戦略を参照しつつ、我が国の技術的優位性の強化やサプライチェーンの自律性の確保等に向けて、技術成熟度を引き上げる技術開発(フロントローディング)から、事業化や商業化に向けた技術開発まで戦略的に進めていく。

 ・ 特に、宇宙戦略基金については、令和5年度補正予算を活用して実施する全ての技術開発テーマ(第一期)に係る採択事業者を決定し、順次、支援を開始するとともに、令和6年度補正予算による技術開発テーマ(第二期)を決定し、公募を開始した。引き続き、速やかに1兆円規模の支援を目指し、迅速に民間企業や大学等の宇宙分野への更なる活動拡大を後押ししていく。

 ・ また、こうした技術開発支援による成果を、政府等による中長期のアンカーテナンシーにつなげることにより、国際市場で勝ち残る技術、事業モデル及び意志を有する我が国の民間企業の事業化に向けた好循環を作り出していく。

 ・ 国等のプロジェクトの実施に際しては、事業者にとっての事業性・成長性を確保できるよう、国益に配慮しつつ契約制度の見直しを進める。

(海洋)

 ・ 令和6年に策定した国益の観点から省庁横断で取り組むべき6つの重要ミッションから構成される「海洋開発等重点戦略(令和6年4月26日総合海洋政策本部決定)」のうち、特に科学技術・イノベーション政策に関連の深い4つの重要ミッションに関し、以下の取組を進めていく。

 ・ 「自律型無人探査機(以下「AUV」という。)の開発・利用の推進」について、海洋分野の省人化・生産性向上等に資するため、活用が期待される現場で利用効果を示し、課題抽出するための実証事業を令和7年度も継続するとともに、AUV利活用促進のためのAUV官民プラットフォームにて、制度環境整備等の検討を進める。

 ・ 「海洋状況把握(以下「MDA」という。)及び情報の利活用の推進」について、MDAの能力強化と海洋情報の活用促進を図るため、「海しる」の普及啓発を行い、情報の充実を図るとともに、「海しるビジネスプラットフォーム」についてテスト版を作成する等、その導入を進める。衛星データやAI等を活用した海洋に関する諸課題の解決に向け、調査・検討を進める。さらに、MDAに係る国際連携を推進するため、同盟国・同志国等と効果的な連携を図っていく。

 ・ これらの重要ミッションに貢献するため、全球海洋観測や深海・海溝域の調査を推進するとともに、海洋デジタルツインの構築を進め、「海しる」との連携を図っていく。

 ・ 「特定離島である南鳥島とその周辺海域の開発の推進」について、戦略的イノベーション創造プログラム(以下「SIP」という。)第3期「海洋安全保障プラットフォームの構築」においてレアアース生産の技術開発や社会実装プランの検討を推進するとともに、引き続き南鳥島の基礎情報の収集・整理を行う。

 ・ 「北極政策における国際連携の推進等」について、令和6年度に行った各国の北極政策の情報収集・分析の調査を踏まえ、令和7年度に国際シンポジウム・ワークショップを開催し、我が国の北極政策に対する理解促進及び関係各国との連携強化を図る。また、令和8年秋の就航に向けた北極域研究船「みらいⅡ」の着実な建造、「北極域研究強化プロジェクト(ArCSⅢ)」の実施等、国際研究プラットフォームとしての「みらいⅡ」の活用に向けた取組を進める。

(食料・農林水産)

 ・ 「食料・農業・農村基本計画(令和7年4月11日閣議決定)」に基づき、我が国における食料安全保障の確保や農林水産業の持続的発展、環境と調和のとれた食料システムの確立に向けた研究開発等を推進する。具体的には、AI等の新技術を活用したスマート農林水産業技術等の開発とその導入を推進する。また、産学官連携により、ゲノム解析等の先端的な技術等を活用し、生産性の向上や気候変動等に対応した新品種の開発と普及を推進する。さらに、食料・農林水産業における生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するため、「みどりの食料システム戦略(令和3年5月12日みどりの食料システム戦略本部決定)」も踏まえ、カーボンニュートラル、化学農薬・化学肥料の使用量低減等の目標達成に向けた研究開発を推進する。くわえて、我が国の研究開発力の強化と成果の迅速な社会実装を図るため、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の研究基盤機能の機能強化を図るとともに、「知」の集積と活用の場を通じたオープンイノベーションの推進、成長段階に応じて飛躍的な事業発展を実現するための支援措置の充実等によるスタートアップの育成、戦略的な知財マネジメントの強化を推進する。あわせて、農林水産研究分野での国際貢献と連携強化に向けて、国立研究開発法人国際農林水産業研究センターによる国際共同研究やその成果の普及を図るとともに、国際研究拠点としての機能を強化する。

(環境・エネルギー)

 ・ 気候変動等の地球規模課題の克服に向けては、長期的な目標の下で予見可能性を高め、エネルギー安定供給・経済成長・脱炭素の同時実現を目指すグリーントランスフォーメーション(以下「GX」という。)、循環共生型社会の実現を目指した経済社会の変革に向けた技術開発・イノベーションを着実に推進していくことが重要である。その際、国家安全保障政策への貢献や、AIやマテリアル等の先端科学技術を用いた社会課題解決型の国際市場の形成、スタートアップを含めた成果活用・橋渡しの観点にも留意していくことが重要である。

 ・ GXの実現に向けては、「GX2040ビジョン(令和7年2月18日閣議決定)」が「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(令和5年7月28日閣議決定)」を改定する形で策定され、今後もグリーンイノベーション基金事業や革新的GX技術創出事業等により、国際社会と協働しつつGXの実現に資する研究や技術開発、科学技術外交を推進する。農林水産分野では、「みどりGX推進プラン(仮称)」を策定し、環境負荷低減のための技術開発を推進するとともに、「農林水産分野GHG排出削減技術海外展開パッケージ」を取りまとめ、食料安全保障に資する温室効果ガス削減技術の国際展開を推進する。

 ・ 「GX2040ビジョン」と一体的に改定された「エネルギー基本計画(令和7年2月18日閣議決定)」等を踏まえ、省エネルギー、再生可能エネルギーや原子力等の脱炭素電源の最大限の活用を進める。また、次世代半導体、次世代再生可能エネルギー、フュージョンエネルギーといった次世代革新炉等の革新的エネルギー技術に関する研究開発や実証、標準化戦略、国際協力を進める。

 ・ 「環境基本計画(令和6年5月21日閣議決定)」、「地球温暖化対策計画(令和7年2月18日閣議決定)」、「循環型社会形成推進基本計画(令和6年8月2日閣議決定)」、「成長志向型の資源自律経済戦略(令和5年3月31日経済産業省策定)」、「生物多様性国家戦略2023-2030(令和5年3月31日閣議決定)」等を踏まえ、「ネット・ゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)」、「循環経済」、「ネイチャーポジティブ」等の施策の統合を図りつつ、循環共生型社会の実現を目指す。このため、脱炭素先行地域の創出や、住宅・建築物のネット・ゼロ・エネルギー化等脱炭素に向けた技術開発・実証、デコ活等を通じて、産業・社会の構造転換と面的な需要創出を推進する。自然資本の保全・回復や生物多様性の主流化によるネイチャーポジティブの実現に向けて、調査研究・技術開発や観測データの蓄積を推進する。循環経済の実現に向けて、動脈・静脈産業が一体となった資源循環を実現すべく、有用資源や再エネ関連製品のリサイクル、データ基盤の構築・活用、カーボンリサイクル製品や燃料の技術実証等を推進する。各施策の成果を戦略的に活用し、国際的なルール形成・国際標準化を推進する。

 ・ また、SIP第3期「スマートエネルギーマネジメントシステムの構築」、「サーキュラーエコノミーシステムの構築」等において、分野横断的領域の研究開発等を産学官連携により推進する。

(エビデンスシステム(e-CSTI)の活用による分析機能強化)

 ・ 重要分野の研究開発等を推進していく上では、これまでの国内の資金配分状況や論文・特許情報等を始めとする国内外の研究開発動向等を客観的なデータに基づき分析し、効率的・効果的に研究開発を推進していくことが重要である。

 ・ このため、内閣府においては、我が国の国立大学・研究開発法人における研究費や論文に関する情報を研究者個人単位で把握するデータを収集・構築し、e-CSTIを通じて政府・国立大学・研究開発法人に提供しているほか、後述する重要技術戦略研究所(仮称)(安全・安心に関するシンクタンク)における活用も念頭に置いて、国内外の研究開発動向の分析ツールの開発や同ツールを用いた重要科学技術の俯瞰分析にも着手している。

 ・ 継続的にデータの収集や、予算等の研究インプットとTop10%論文等のアウトプットの関係性等の分析を行うとともに、海外のファンディング動向も含めた先端科学技術のサプライチェーンに関する分析を強化するなど、客観的な証拠に基づく政策立案(EBPM)・法人運営(EBMgt)を推進する。

 ② 経済安全保障上の重要技術の研究開発の推進、調査分析機能の強化

 ・ 我が国が国際社会において確固たる地位を確保し続ける上で不可欠かつ先端的な重要技術について、その研究開発や実用化を「経済安全保障重要技術育成プログラム」(以下「KProgram」という。)等により継続的に支援していく。KProgramの「研究開発ビジョン」における支援対象技術について、指定基金協議会を通じた官民の伴走支援等により研究開発を推進する。

 ・ 「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和4年法律第43号)」(経済安全保障推進法)に基づく調査研究を担う機関としても期待される重要技術戦略研究所(仮称)(安全・安心に関するシンクタンク)について、令和8年度中をめどに設立することを目指し、機関の公募等を行う。さらに、上記を含め、総合的な観点から、経済安全保障資するインテリジェンス能力やシンクタンク機能の強化に向けた体制整備を行う。

 ・ G7等、同志国等の研究セキュリティ・インテグリティに関する政策やその実態を踏まえ、我が国の経済安全保障上の重要技術を扱う研究機関や資金配分機関等に対し、国際的な共同研究等の実施に当たり重要技術の流出防止等の取組に関する手順書を提供するため、令和8年度中の運用開始に向けて有識者会議における検討を開始し、令和7年度末までに策定する。また、技術流出防止の観点から投資審査等の体制強化、留学生・外国人研究者等の受入れ審査強化等に引き続き取り組んでいくとともに、大学等における研究セキュリティ・インテグリティ確保のため、研究者等に対する研修プログラムの実施等を進める。

(国家安全保障戦略を踏まえた先端科学技術の安全保障分野での積極的な活用)

 ・ 「国家安全保障戦略(令和4年12月16日国家安全保障会議及び閣議決定)」を踏まえ、我が国の官民の高い技術力を幅広くかつ積極的に安全保障に活用するため、安全保障に活用可能な官民の技術力を向上させ、研究開発等に関する資金及び情報を政府横断的に活用するための体制を強化する。具体的には、防衛省の意見を踏まえた研究開発ニーズと関係府省が有する技術シーズを合致させ、総合的な防衛体制の強化に資する科学技術の研究開発を推進すべく、令和6年度に続きマッチング事業を認定する。認定された事業について、関係省庁と防衛省との間でコミュニケーションを実施することで、防衛省の研究開発に結び付く可能性が高いものを効率的に発掘・育成する。

 ③ SIP、BRIDGE、ムーンショット型研究開発制度等を通じた研究開発・社会実装の推進

 ・ 国内では人手不足が深刻化し、AI・ロボティクスによる自動化・省力化を通じた生産性向上への対応が急務となっている。また、テクノロジーを社会実装し、社会の課題解決や新たな価値創造を進めていく上では、自然科学のみならず人文・社会科学も含めた総合知の活用が重要であり、活用事例の周知やワークショップの開催等を通じた周知啓発を図るとともに、研究活動におけるダイバーシティの確保やジェンダード・イノベーションの創出等の観点も踏まえつつ、更なる推進方策を検討する。

 ・ 科学技術を具体的かつ戦略的に社会実装していくため、SIP第3期において、社会課題解決のニーズからバックキャストで設定した14課題を基礎研究から社会実装まで一気通貫で推進する。「総合知」の観点から社会実装に必要な5つの視点(技術、制度、事業、社会的受容性、人材)を導入するとともに、科学技術分野に加え人文・社会科学分野もプログラムの対象とし、課題間の連携を積極的に進めていく。SIP第3期の3年目(令和7年度)に行うステージゲート評価も見据えつつ、具体的な社会実装を念頭に事業を推進するとともに、早期の社会実装が見込める研究については、各省庁の研究開発成果等の社会実装を後押しする「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム」(以下「BRIDGE」という。)等を活用するなど、BRIDGEとSIPを一体的に運用し、研究開発成果の社会実装を加速する。

 ・ 防災・減災の観点からは、令和6年能登半島地震等も踏まえ、今後の初動対応・応急対策を強化するため、災害対応等において有効と認められる新技術等について、平時における利活用の観点も踏まえつつ、社会実装等を推進する。SIP第3期「スマート防災ネットワークの構築」において、迅速かつ詳細な災害情報の収集に向けて、小型SAR衛星等の多種多様なセンシングデータを用いたデータ統合基盤や防災IoT技術を活用したシステム、地球観測・気候予測データ等を活用し、気候変動の影響も踏まえた災害の激甚化を想定したリスク予測のための被災予測シミュレーション技術等の開発に取り組む。また、AI等も活用して効果的な災害対応を可能とするデジタルツインの構築や情報提供基盤の開発に取り組むとともに、防災研究の全体俯瞰に基づく効率的・効果的な研究開発投資及び社会実装に取り組む。くわえて、地震調査研究推進本部及び火山調査研究推進本部の下で、陸域及び海域のデータの収集等や必要な調査研究、観測分析体制の整備、人材育成等を推進する。

 ・ インフラ強靱化の観点からは、我が国の膨大なインフラ構造物・建築物の老朽化が進んでいる状況を踏まえ、SIP第3期「スマートインフラマネジメントシステムの構築」において、デジタル技術により設計から施工、点検、補修まで一体的な管理を行うことにより効率的なインフラマネジメントを実現するための技術開発・研究開発に取り組む。デジタルツインの構築を開発のコアとして、革新的な建設生産プロセスや先進的なインフラメンテナンスサイクルの構築、地方公共団体等の人的資源の戦略的活用、スマートインフラによる魅力的な国土・都市・地域づくりのための技術開発に取り組む。

 ・ インフラ施設維持管理における技術開発については、点検レベルを維持・向上しつつ省力化を図り、持続可能なインフラ施設維持管理を実現するため、国の直轄事業の現場等を活用したドローンの実証結果に関する情報提供に継続的に取り組むなど、ドローン・衛星等により取得した画像等のAI解析を活用したインフラ施設維持管理を推進する。

 ・ 国土交通データプラットフォームの整備について、国・地方公共団体・民間企業等が保有する国土・経済活動・自然現象に関するデータとの連携を更に推進するとともに、データ利活用の拡大に向けて、ユースケース作成やユーザビリティ・検索機能向上を進める。

 ・ 我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指すムーンショット型研究開発制度において、研究開始から5年目となる目標1(身体、脳、空間、時間の制約からの解放)、目標2(疾患の超早期予測・予防)、目標3(自ら学習・行動し人と共生するAIロボット)、目標6(誤り耐性型汎用量子コンピュータ)、目標7(健康不安なく100歳まで)について、運用・評価指針に基づき5年目評価を行い、継続又は終了を決定する。研究開始から4年目となる目標8(気象制御による極端風水害の軽減)、目標9(こころの安らぎや活力を増大)については、3年目評価等を踏まえポートフォリオの見直しを図る。

(2) 知の基盤(研究力)と人材育成の強化

 ① 大学ファンドと地域中核・特色ある研究大学振興、国研の機能強化等を通じた研究基盤の強化

(大学ファンドを通じた世界最高水準の研究大学の実現)

 ・ 国際的な切磋琢磨を通じた研究力の向上やイノベーションの創出、世界トップクラスの研究者の獲得、次代を担う自立した若手研究者の育成、大胆な資源配分、研究時間確保のための負担軽減、大学発スタートアップの育成支援、共同研究開発のあっせん等を通じて知的資源の価値化等に取り組むとともに、機動的な先行投資を可能とする大学独自基金の造成に向けた財源の継続的な確保・活用等を一体的に進めることができる世界最高水準の研究大学の実現に向けて、10兆円規模の大学ファンドの運用益により国際卓越研究大学への支援を行う。国際卓越研究大学として認定した東北大学への助成に加えて、第2期の公募・審査を進め、令和7年度中の助成開始を目指す。

(地域中核・特色ある研究大学振興)

 ・ 10兆円規模の大学ファンドとの両輪として、意欲ある多様な大学がそれぞれの強みや特色を十分に発揮し、地域の経済社会の発展や国内外における課題の解決や研究の多様な国際展開を図っていくことができるよう、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ(令和4年2月1日総合科学技術・イノベーション会議決定)」(令和7年2月更新)により地域や社会の変革をけん引する取組を支援する。

 ・ 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)で採択した25大学を中心に、特定分野に強みを持つ地域の大学が、基礎研究から社会実装までの幅広い段階で成果を創出できるよう、大学の経営改革や研究力強化を支援する。

 ・ 世界トップレベル研究拠点プログラム(以下「WPI」という。)による世界トップレベルの国際研究拠点の構築や、「共創の場形成支援プログラム」による地域のニーズに応えつつ社会変革を行う人材育成にも資する産学官連携拠点の構築、「学際領域展開ハブ形成プログラム」による組織・分野を超えた研究ネットワークの形成を進める。

(国研機能強化に向けた取組の推進)

 ・ 国研は、近年、社会課題や自然災害等の国家的課題に対しても科学技術・イノベーションを通じて貢献していくことが期待されており、国研に求める役割を整理した上で、国研の機能強化を図っていく。

 ・ 令和5年度の関係府省申合せに基づき、国研が他の法人とも連携・協力しながら、柔軟な人事・給与制度の導入により人材の確保に取り組むとともに、研究セキュリティ・インテグリティの一層の強化を図っていく。

(研究に打ち込める研究環境の実現)

 ・ 研究者が腰を据えて研究に打ち込めるグローバルスタンダードでの魅力ある研究環境を実現するため、研究時間の確保を始めとして研究環境の改善を進める。また、大学のガバナンス改革や人事給与マネジメント改革等の実施と併せて、人件費・物価の上昇等も踏まえつつ、国立大学法人運営費交付金や国研の基盤的経費を確保する。既存の学問体系に捉われない研究テーマを後押しするため、科学研究費助成事業(以下「科研費」という。)等の競争的研究費を通じた研究力の一層の強化、科研費における国際性・若手研究者支援や創発的研究支援等を通じて研究環境改善を推進する。

 ② 研究施設・設備の強化、オープンサイエンスの推進

(研究DXを支えるインフラ整備や研究施設・設備の共用化の推進)

 ・ 大学や研究機関における組織全体としての研究設備の戦略的な導入・更新・共用する仕組みの強化(コアファシリティ化)を推進するため、関連情報の一元的な見える化や機関間の連携を推進する。また、中規模研究設備については、組織の枠を超えた効率的・効果的な活用に資する設備に対して重点的な支援方策を推進する。

 ・ 現行の大型放射光施設SPring-8の100倍の輝度を持つ世界最高峰の放射光施設を目指して、令和11年度の共用開始に向けてSPring-8-Ⅱの整備を進める。また、3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuの共用ビームラインの増設や大強度陽子加速器施設J-PARCの機能強化等を成果を検証した上で検討するなど必要な対応を行う。

 ・ AI・データ駆動型研究による効率化・迅速化を推進するため、超高速・大容量のネットワーク基盤(SINET)や全国的な研究データ基盤(NIIResearchDataCloud)といった研究デジタルインフラの高度化等を進める。

 ・ 「富岳」を効率的かつ着実に運用し、幅広い活用を促進するとともに、優れたAI性能を有する次世代フラッグシップシステムの開発・整備を進める。また、運用開始後の成果創出を見据えたアプリケーション開発支援、人材育成等を推進する。

(学術論文等のオープンアクセス化の推進)

 ・ 「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針(令和6年2月16日統合イノベーション戦略推進会議決定)」に基づき、令和7年度新規公募分からの学術論文等の即時オープンアクセス実施に向けて、学術プラットフォーマーに対する大学等主体の拡大した集団交渉体制の構築支援、機関リポジトリ等の情報基盤への論文掲載やシステム間連携の実装、研究成果発信プラットフォームの整備・充実を進める。さらに、研究評価における定量的指標に加えて、新たな評価やインセンティブ付与のための方策の検討を進める。

(公的資金による研究データの管理・利活用の推進)

 ・ 先行的な取組であるムーンショット型研究開発制度における先進的データマネジメントの実施状況を検証するとともに、SIP第3期におけるデータマネジメントの推進、公的資金により得られた研究データへのメタデータ付与、大学等の研究開発機関におけるデータポリシー策定と機関リポジトリへの研究データ収載、G7等の国際連携等により、研究データの管理・利活用を推進する。

 ③ 創造的で多様な人材の育成、教育の充実と活躍促進に向けた産学官での取組強化

(博士人材及び若手研究者の活躍促進・場の創出と学生への支援)

 ・ 次世代を担う博士人材等がアカデミアのみならず、スタートアップ等の民間企業や公的機関、国際機関等の多様なフィールドで活躍できる社会の実現に向けて、実践的なインターンシップの推進やキャリア開発・育成コンテンツの提供、研究開発マネジメント人材の育成・支援・活躍促進、スタートアップ創出支援等により多様なキャリアパスの構築を進める。また、世界トップ水準の大学院教育を行う拠点形成や教育研究の国際化等の大学院改革の推進とともに、博士課程学生・若手研究者の処遇向上を進める。その際、博士課程学生に対する支援の在り方について、令和7年夏頃までに検討を進める。さらに、博士人材の活躍に向けた産学官連携プラットフォームの推進、博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック、企業で活躍する博士人材ロールモデル事例集等の周知等を通じ、博士人材が産業界等で幅広く活躍する重要性の理解を促進する。民間企業が博士人材を採用しやすい環境を整備するとともに、企業研究者に対する博士課程進学支援等により、産学官連携を通じた博士人材等の活躍を目指す。

(女性研究者の活躍促進)

 ・ 研究及び研究環境における多様性向上の観点から、ジェンダーギャップ解消等を通じた女性研究者の活躍を加速させていく。研究と出産・育児等のライフイベントを両立できる環境の整備や研究環境のダイバーシティ実現に向けた大学等の取組を支援するなど、第6期基本計画や「第5次男女共同参画基本計画(令和2年12月25日閣議決定)」に基づく取組を進めるとともに、指導的立場も含めた女性研究者の更なる活躍を促進する。

(「Society5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」に基づく施策の推進)

 ・ 「Society5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ」(令和4年6月2日総合科学技術・イノベーション会議決定)に基づき、子供の特性を重視した学びの「時間」と「空間」の多様化、探究・STEAM教育を社会全体で支えるエコシステムの確立、文理分断からの脱却・理数系の学びに関するジェンダーギャップの解消を推進していく。特に、官民協働による「トビタテ!留学JAPAN」を始めとする社会全体で高等学校・高等教育段階の海外留学を後押しする取組の促進や、国際科学コンテストへの派遣、大学等による特別な教育プログラムの提供等、優れた才能ある子供が国内外で切磋琢磨する機会の充実、企業等が参画して子供に多様な学びを提供するエコシステムの構築等に産業界の協力も得ながら取り組み、随時政策にフィードバックしていく。

(リカレント教育の充実)

 ・ 社会人が学び続けることによって社会・経済構造の変化に対応するとともに、多様で質の高いリカレント教育を受けられる環境を実現する。そのため、個人の学び直しが適切に評価されるよう、学修歴や必要とされる能力・学びの可視化、企業における学び直しの評価・処遇への反映を推進するとともに、産学官連携プラットフォームや産学協働体制による地方創生や経済成長に資するリカレント教育モデルの構築等の取組を加速する。

(3) イノベーション・エコシステムの形成

 ① 研究開発型スタートアップに対する徹底支援

  (SBIR制度等を通じた支援の充実)

 ・ SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度等を通じて、政策ニーズや政府調達ニーズに基づいて設定された研究開発課題について、プログラムマネージャーによる伴走支援の下で研究開発を支援する。また、令和5年度より追加している先端技術分野の技術実証フェーズを継続的に支援し、スタートアップ等による社会実装を強力に推進する。

(スタートアップからの公共調達促進)

 ・ 政府だけでは最適な解決策を見つけ出すのが困難な行政課題の解決に向け、スタートアップが有する高度かつ独自の新技術について、政府の調達ニーズに合わせて随意契約を可能とする制度(スタートアップ技術提案評価方式)の更なる活用促進ほか、令和5年度に拡充を行ったスタートアップの入札参加資格の特例措置に加え、SBIR制度を活用した企業への随意契約の特例措置の活用を推進するため、公共調達につながる研究開発課題の立案を推進する。

  ② 都市や地域、大学、スタートアップ等によるエコシステムの形成

 (スタートアップ・エコシステム拠点都市に対する支援)

 ・ 第2期スタートアップ・エコシステム拠点形成加速化プランを踏まえ、スタートアップの成長を加速させるべく、グローバル化に向けた第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市を形成するとともに、大学発新産業創出基金やグローバル・アクセラレーション・プログラム等を含めた国によるスタートアップ支援の重点化・集中支援、効果的・効率的なスタートアップ支援のためのネットワーク強化等を行う。創業後も各スタートアップが、大学との共同研究や、大学を介した事業会社との連携を通じて成長できるよう、次世代のオープンイノベーションモデルの形成を推進する。また、令和7年1月に最長在留期間を2年にした外国人起業活動促進事業の周知・活用を図る。

(オープンイノベーションを促進する環境整備)

 ・ 産学連携による研究力・産業競争力の強化、産業界のニーズに応じた人材育成・供給等を実現する地域経済エコシステムを創出し、イノベーションによる地域経済の持続的成長につなげるため、スタートアップや中小企業等が大学との共同研究等を実施するためのオープンイノベーション拠点等を積極的に活用するなど、共同研究等の推進に向けた環境整備に引き続き取り組む。また、地域のイノベーション・エコシステムの強化に向けて、産総研が地域企業のニーズ・特色を踏まえた研究開発を地域大学等とともに進めるブリッジ・イノベーション・ラボラトリ(BIL)の取組を拡充し、地域イノベーションを加速する。さらに、企業と大学のニーズとシーズのマッチングや、イノベーション創出を担う人材育成等の産学連携による取組を進めるため、大学支援フォーラムPEAKSの構成員拡大を図りつつ、自立的な運営に向けた検討を進める。

(グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構想の推進)

 ・ グローバル・スタートアップ・キャンパス構想(以下「GSC構想」という。)の推進により、世界最高水準のイノベーション・エコシステムのハブを構築し、徹底してグローバルスタンダードに基づく研究・イノベーション環境を構築することで、スタートアップの創出を図り、グローバルな社会課題の解決と経済成長を目指す。今後、統合イノベーション戦略推進会議の下、「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想基本方針(令和6年8月29日統合イノベーション戦略推進会議決定)」を踏まえ、GSC構想の実現に向けた取組を推進する。

 ・ 具体的な取組として、ディープテック分野における最先端の研究支援、スタートアップの事業化支援や人材育成等を行う運営法人の設立に向けて、必要な法制上の措置も含め、具体化を進める。また、拠点の開設に先立って、世界から優れた人材・投資を集める呼び水となるよう、海外機関との連携により、国際研究プログラム、スタートアップ事業化・国際展開支援プログラム、エコシステム強化に向けた人材育成のためのフェローシッププログラム等に取り組む。

(大学の知財ガバナンスの向上)

 ・ 「大学知財ガバナンスガイドライン」を踏まえた知財マネジメント等の実施状況や課題と対策等の分析を行い、必要に応じて改善等を行っていく。本ガイドラインを踏まえた好事例等の収集・公表を行い、大学における知財ガバナンスの向上を促進する。さらに、「大学等研究者の転退職時の知財取扱い指針」の普及を進める。

(スタートアップの基盤となる人材育成)

 ・ 起業家等の海外派遣プログラムを着実に実施するとともに、大学発新産業創出基金を活用した本格的な事業化人材育成支援を推進する。また、文部科学大臣が任命するアントレプレナーシップ推進大使の小学校・中学校・高等学校等への派遣等、早期からのアントレプレナーシップの醸成、博士課程学生等も含めた実践的な教育プログラムの提供等により、アントレプレナーシップ教育を推進する。

(スマートシティ・スーパーシティ等の推進)

 ・ スマートシティは、都市や地域の抱える諸課題を解決し、また新たな価値を創出し続ける持続可能な都市や地域であり、規制・制度改革の実現等により地域課題の解決を図るモデル地域であるスーパーシティ、デジタル田園健康特区、連携“絆“特区と併せてその取組を推進する。スマートシティは実証事業の段階から実装への移行が求められており、令和6年3月に作成されロードマップに基づき関係者が取組事項を共有しつつ官民連携の下、政府一体で着実に施策を実行していく。

(福島国際研究教育機構、福島イノベーション・コースト構想)

 ・ 福島国際研究教育機構について、福島を始めとする東北の復興の夢や希望となるものとするとともに、世界に冠たる「創造的復興の中核拠点」を目指し、研究開発等の加速を支援する。

 ・ 福島イノベーション・コースト構想推進機構等を中心に、福島イノベーション・コースト構想を更に推進し、福島浜通り地域等をスタートアップ創出の先進地とすべく、引き続き実証の場の拡充等の実証環境の整備等を推進していく。

  ③ 人材・技術・資金の好循環の促進

(イノベーションを支える人材の育成・確保)

 ・ 博士人材の活躍促進や若手研究人材の育成、大企業とスタートアップの間の越境学習等を促進するとともに、起業家と経営人材・知財人材とのマッチング等を通じ、イノベーションを支える人材の育成・確保を促進する。

(成長志向の資金循環形成)

 ・ スタートアップのための成長資金供給強化の観点から、ディープテックや創薬等の分野別の重点支援や、官民ファンド(科学技術振興機構、中小企業基盤整備機構、産業革新投資機構等)による出資も含めた、民間投資の呼び水としての公的資本の投資拡大、「J-Startup」による官民での集中支援等に取り組む。また、スタートアップの成長経路及び投資家の出口の多様化に向けて、税制を含むオープンイノベーションを促すための政策の在り方等について、政策ニーズや利便性を含む課題を踏まえつつ、必要な措置を検討する。くわえて、研究開発・事業化に長い期間や大きな資金が必要であるディープテック分野については、長期的視野に立って創業から事業化まで一貫して支援していく。

(研究開発投資の促進)

 ・ 第6期基本計画においては、5年間で、政府の研究開発投資は約30兆円、官民合わせた研究開発投資の総額は約120兆円という目標を掲げており、このうち政府の研究開発投資については、令和7年度政府予算を含めれば、約40兆円に達しているところである。民間企業の研究開発投資については、横ばい傾向であったものが令和4年度にはようやく上向き、官民合わせた研究開発投資総額は令和5年度まで3年連続で増加し、過去最高となっているが、第6期基本計画の目標を下回って推移している。科学技術・イノベーションを巡る国家間の競争を勝ち抜くため、官民が連携・協力して引き続き必要な研究開発投資を行うとともに、研究開発の成果を社会実装し、我が国の経済成長につなげていくことが重要である。

3.第7期基本計画に向けた議論も踏まえた取組の推進

 ・ 令和8年度から開始となる第7期基本計画の策定に向けては、総合科学技術・イノベーション会議に設置された基本計画専門調査会において、令和6年12月から検討を開始している。先端科学技術等を巡る各国の主導権争いが激化する中、経済安全保障との連携強化や、我が国の研究力の抜本的な強化イノベーション力の向上に取り組むことが重要であるとの議論を踏まえ、科学技術・イノベーション政策における司令塔機能等のガバナンス強化の観点も含めて以下の取組を推進する。

(1)経済安全保障との連携強化

 ① 重要技術の研究開発の推進

 ・ 経済安全保障分野における科学技術・イノベーションの重要性の高まりを踏まえ、攻めと守りの両面で、科学技術・イノベーション政策と経済安全保障政策の連携を強化していく。

 ・ 経済安全保障の観点(自律性、優位性、不可欠性の確保・維持等)を踏まえた我が国としての重要技術領域リストを整理・策定するとともに、必要に応じて柔軟に更新していく。その際、総合的な観点から、経済安全保障に資するインテリジェンス能力やシンクタンク機能の強化に向けた体制整備を行う。重要技術戦略研究所(仮称)(安全・安心に関するシンクタンク)やeCSTI等を活用し、関係者や外部専門家等の意見も十分に踏まえながら、エビデンスに基づく検討を行う。

 ・ 重要技術領域に係る研究開発について、現在はKProgramを推進しているが、引き続き経済安全保障に係る研究開発の在り方を検討する。研究開発を経済安全保障の観点から捉え直して推進する経済安全保障トランスフォーメーションを促進するほか、国家間の共同研究を始めとした国際協力・国際連携を含めて戦略的に研究開発を推進する。国家安全保障戦略を踏まえた先端科学技術の安全保障分野での積極的な活用に関する取組についても継続して推進する。

 ② グローバル戦略の推進

 ・ グローバルな研究力や産業競争力、経済安全保障への対応を一層強化し、我が国の国際競争力を高めていくことが重要であり、そのため、G7を含む同盟国・同志国やASEAN・インドを含むグローバル・サウスを始めとする国際社会との連携を強化していく。

 ・ 分野別戦略等に基づき各分野で特に優先的に協力すべき同盟国・同志国等を見極め、協力覚書の締結や二国間・多国間枠組みへの参画等を通じて一層連携を強化する。

 ③ 研究セキュリティ・インテグリティの取組の徹底

 ・ G7を始めとする同志国等と対等な立場で国際共同研究を実施するため、我が国として必要な研究セキュリティ・インテグリティの確保に係る取組を速やかに講じることが必要となっている。令和8年度から新規公募を行う競争的研究費に対し、内閣府が策定する重要技術の流出防止等の取組に関する手順書を踏まえた研究セキュリティ・インテグリティの確保や技術流出防止等に取り組む。

(2)研究力の強化、人材の育成・確保

 ① 大学等の運営・研究基盤の強化

 ・ 大学のガバナンス改革や人事給与マネジメント改革等の実施と併せて、人件費・物価の上昇等も踏まえつつ、施設・設備等の老朽化対策や研究設備・機器の高度化を含めて国立大学法人や国研等の基盤的経費を確保する。

 ・ 研究大学等を中心とした先端研究設備・機器の戦略的な整備・共用・老朽化対策や技術専門人材の確保を進め、共用拠点をネットワーク化することで、意欲・能力ある研究者が所属組織にわれることなく研究の場や機会が得られる研究基盤を構築する。さらに、共用の場を活かした先端計測・分析機器等の開発や、大学共同利用機関における先端研究設備の大規模集積・自動化・自律化・遠隔化と伴走支援の一体的な提供により、研究環境の高度化・高効率化を進める。

 ・ 研究データの適切な保存・管理、流通、活用を促進する情報基盤等の強化を進めるとともに、ライフサイエンス・マテリアル等の分野を含む研究データを活用した科学研究向けAI基盤モデルの開発・共用等のAIforScienceを加速させ、科学研究の革新につなげていく。

 ② 人材の育成・確保、若手研究者の支援

 ・ 我が国の研究力を支える科学技術人材の確保を推進すべく、「科学技術人材政策パッケージ」を新たに策定し、研究者や研究開発マネジメント人材等の優れた人材の育成・確保や、博士人材への支援や活躍促進、次世代の科学技術人材の養成、関連制度・システム改革を総合的・体系的に推進する。

 ・ 既存の学問体系に捉われない研究テーマを後押しするため、人件費・物価の上昇等にも留意しつつ、科研費等の競争的研究費を通じた研究力の一層の強化、科研費における国際性・若手研究者支援等を通じた研究環境改善等を含め、支援の在り方を検討していく。また、国際卓越研究大学制度等の多様なスキームを活用し、卓越した研究者の獲得や若手人材の育成等を推進し、研究大学の研究力を抜本的に強化していく。

 ③ 国際頭脳循環、研究の国際化の推進

 ・ 昨今の国際情勢の変化も踏まえつつ、米国や欧州を始めとする各国・地域からの優秀な研究者・留学生の積極的な呼び込みや、日本の研究者等が海外研さんに専念できる支援・環境整備を行うことにより、我が国の研究力の強化に向けた国際頭脳循環を促進していく。また、同盟国・同志国やASEAN・インドを含むグローバル・サウス等との連携等を通じて戦略的な協働を進める。

 ・ 「先端国際共同研究推進事業/プログラム(ASPIRE)」等の取組の進捗を踏まえつつ、我が国として連携を強化すべき国や分野等について、科学技術外交の観点も含めて戦略的に検討し、研究セキュリティを確保した国際共同研究や国際科学トップサークルへの研究者の参画を促進していく。

 ・ WPI等により、海外から研究者を呼び込む国際頭脳循環のハブとなる拠点形成を引き続き推進するなど、研究の国際化を推進する。

 ・ 気候変動や生物多様性等の世界的な社会課題の解決に向けて、地球システムという人類の共有財産(グローバル・コモンズ)の保全といった観点からも、分野や組織を超えた国際連携による研究を促進していく。

(3)イノベーション力の向上

 ① 地域イノベーションの推進

(大学の知を活用したイノベーションの推進)

 ・ 「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」により、各府省が連携し、地域が大学の知を活用してイノベーションによる新産業・雇用創出や、地域課題解決を先導する取組を一体的に支援する。

 ・ 地域における産学官共創やスタートアップ創出を強化していくため、地域の大学を中心として、地域の課題解決に若手研究者が貢献していく産学官共創の場の形成を進める。また、様々な地域での大学発スタートアップの創出を促進していくため、大学の技術シーズを活かしたスタートアップ創出から成長までの一気通貫の支援を推進する。創業後のスタートアップが大学との共同研究や、大学を介した事業会社との連携を通じて成長できるよう、次世代のオープンイノベーションモデルの形成を推進する。さらに、地方における産業やイノベーションの担い手の育成のため、小中高段階から大学院段階までの幅広いアントレプレナーシップ教育を推進する。

(第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市の実行)

 ・ 第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市の新規選定等を通じて、地域の産業・研究特性等を有するリソースを活かし海外エコシステムにもつながる地域エコシステムの形成を推進するとともに、地域におけるスタートアップからの調達の促進や、拠点都市及び関係府省庁によるネットワーク強化を通じて地方創生・スタートアップ支援の連携を進める。

(地方公共団体におけるスタートアップ調達の強化)

 ・ スタートアップが国等の調達に提供可能な新技術等に係るリストや公共調達等施策ガイドブック、自治体とスタートアップの連携・調達に関する実践ガイドの整備、地方公共団体を含む行政機関とスタートアップとのマッチング機会の提供、新しい地方経済・生活環境創生交付金も活用したスタートアップからの調達等を推進し、広域や共同でのトライアル調達を含めて、地方公共団体におけるスタートアップからの調達について、「知る」、「見る」、「使う」の好循環の形成を促進していく。

 ② 知財・国際標準戦略の推進

 ・ 国際標準化を通じた地球規模課題や社会課題の解決を図るとともに、市場創出等を実現していくため、「新たな国際標準戦略(令和7年6月3日知的財産戦略本部決定)」に基づき、経済安全保障の観点も含め、産学官金の取組として、企業やアカデミアにおける経営戦略や国際標準活動の一体化、国の研究開発事業における標準化支援の組み込み等を進める。また、標準エコシステムの強化として、専門人材の育成や国内試験・認証基盤の強化、国・企業における標準・認証の積極活用等を進める。さらに、標準戦略の明確化とガバナンスとして、司令塔機能を果たす官民連携の場の設置や情報共有の枠組みを進める。くわえて、国際連携の強化として、国際的な標準化人材育成とネットワーキング、国際相互承認の活用、ASEAN各国等との連携強化、国際標準に係る国際会議の招致等を進める。

 ・ また、同戦略に基づき、重要領域を選定するとともに、その中でも緊急性が高い8つの戦略領域(環境・エネルギー、防災、モビリティ、食料・農林水産業、バイオエコノミー、量子、情報通信、デジタル・AI)を戦略領域とし、優先支援や領域別のアクションプランの作成、モニタリング・フォローアップ等を実施する。戦略領域のうちパイロット分野を設定して、政府リードの下、戦略策定から規格開発・活用まで一気通貫の標準化体制構築、標準化戦略策定、充実した体制での規格開発・交渉に取り組む。

 ・ さらに、国際的な動向等のモニタリング結果や、戦略のフォローアップについて、官民連携の場やデジタル上のプラットフォーム等を通じて共有し、官民で連携して柔軟な戦略の見直しを行う。

 ③ 研究開発投資の促進等

(戦略的に重要な技術領域への一気通貫での支援)

 ・ 我が国にとって戦略的に重要な技術領域を特定し、政策を総動員して人材育成から研究開発、拠点形成、設備投資、スタートアップ支援、ルール形成等までを一気通貫で支援することで、国際的に遜色のないイノベーション立地競争環境を確保し、民間投資を呼び込んでいく。

(大学等の高度な研究・教育と戦略的投資の好循環の実現)

 ・ グローバルな競争にチャレンジし、成長を目指す大学が、産学官連携の大型化、知財の有効活用、スタートアップの創出・育成等を通じ、多様な財源を獲得・活用し、戦略的に科学に再投資することで、更に成長・発展していく好循環を実現するべく、大学経営の高度化や産学官連携の拠点としての機能強化、グローバル対応等を促進する。

(アジア最大のスタートアップ・エコシステムの形成)

 ・ グローバルに活躍するスタートアップを生み出すため、海外からの資金や人材の日本への呼び込みを促進するとともに、若手投資家や起業家の海外での実務経験や事業展開等を推進する。

 ・ 有望なスタートアップの多様な成長経路と投資家にとっての出口を確保するべく、M&Aの促進や上場後の成長の動機付け等の環境整備を進める。また、ディープテック・スタートアップの成長に向けて、事業化までの一貫支援や、新たな需要創出のための公共・民間調達を促進する。

(以上)


{別添は省略}