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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第4回東アジア首脳会議(EAS)におけるナーランダ大学再興構想に関する共同プレス・ステートメント

[場所] チャアム・ホアヒン
[年月日] 2009年10月25日
[出典] 外務省
[備考] 外務省仮訳
[全文]

1.ASEAN加盟国、豪州、中国、インド、日本、韓国、ニュージーランドの政府首脳は、タイのチャアム・ホアヒンで第4回EASの際に一堂に会した。

2.EAS首脳は、2007年1月15日にフィリピンのセブで開催された第2回EASにおける卓越した教育の拠点を開発することにより地域の教育分野における協力を強化するとの決定を想起した。これに関連して、EAS首脳は、インドのビハール州に位置するナーランダ大学を再興するとのインドのイニシアティブを歓迎した。

3.EAS首脳は、ナーランダ大学が、仏教哲学、数学、医学、及びその他の分野において知的活動の古代の偉大な中心地であったことに留意した。

4.EAS首脳は、南・南東・東アジアから多くの学者を引きつけた古代の偉大な学問の中心地としてのナーランダの神聖さと重要性に深く感銘を受けた。

5.EAS首脳は、ノーベル経済学賞受賞者アマルティア・セン教授を議長とするナーランダ賢人会のメンバーによるナーランダ大学設立に向けた貢献及び提言を高く評価した。

6.EAS首脳は、教養と人間教育を受けることを可能とするとともに、知的・哲学的・歴史的・精神的研究の追求に必要な手段を与え、これにより、寛容・適応の資質を会得させるために、性別、カースト、信条、身体の障害、民族、社会経済的背景の違いにかかわらず、全アジア諸国から最も聡明で勤勉な学生を集めた、非国家的、非営利的、非宗教的、自律的で大陸を中心とする国際的な機関としてのナーランダ大学の設立を支持した。

7.EAS首脳は、ナーランダ大学と既存のEAS諸国の卓越した機関との間での学生、学者、研究者、アカデミー会員が、全人類をつなぐ精神性のシンボルとして学びの共同体づくりに向けたネットワーク作りと、協力を奨励した。

8.EAS首脳は、関心のあるEAS諸国が任命する委員から構成されるであろう運営組織が決定するであろうことに従い、官民パートナーシップを含む政府及びその他財源による任意ベースでの適切な資金拠出に関するアレンジメントを奨励した。