[文書名] OECD加盟に関する大平正芳外相談話
七月二十六日経済協力開発機構(OECD)理事会はわが国に対し、正式に加盟を招請し、同日萩原駐仏大使とクリステンセンOECD事務総長は加盟条件などを定めた了解覚え書きに署名した。
これは、昨年池田総理大臣が、訪欧にあたりOECD加盟の希望を表明し、関係国よりそれぞれ好意的な意向が示されたので、その後OECD加盟二十カ国に対し協力を要請するとともに、OECD事務局との間で協議を進めてきた成果であり、まことに喜びにたえない。
わが国は、すでに国連、IMF、ガットなどの国際機関において、またOECDの下部機関である開発援助委員会(DAC)において、世界経済の安定とその発展に協力してきた。今回わが国が加盟を認められたのは、その実績とわが国の経済的実力を各国が高く評価していることによるものと思われる。
この加盟によつて、わが国の対内、対外経済政策は、今後OECDなど国際経済機関との緊密な協力のもとに樹立運営されることとなり、その結果、自由世界の団結強化に対するわが国の貢献はさらに高まり、国際的地位も一段と向上するものと期待している。