データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 2007「日中文化・スポーツ交流年」実行委員会第1回会合・麻生大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 2006年12月21日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 御手洗発起人代表

 御列席の皆様:

 このたびはひとかたならぬ、お世話になります。

 これから様々な企画が始まりますが、なにとぞよろしくお力添えをくださいますようお願いを申し上げます。

 いつも申し上げますが、わたくしども外務省は、偉大なる単品経営をやっております。

 単品といいますのは「ニッポン」というブランドでして、これを世界に売りますのが、わたしども外務省の重要な仕事であります。

 どうやったらこの面白い、かわいい、明るい「ニッポン」という商品を、世界に売るか、特にお隣さん、中国13億のお客さんに、喜んで買ってもらえるかが大切です。どうやら、「食わず嫌い」のお客もたくさんいるようであります。せめて試食はしてもらいたい。

 このたびの、「文化・スポーツ交流年」の事業は、まさしくその一環であります。

 古いニッポンでなくて、新しいニッポン。そこを訴えてまいりませんか、ということであります。

 せんだって、安倍総理が訪中されたとき、中国側は戦後日本の歩みを評価いたしまして、共同プレス発表でも、「平和国家としての歩みを積極的に評価した」という一項を入れました。これは、皆さんご承知のとおりです。

 まさしくそこでありまして、戦後日本の苦労を見てくれ。成長の実績を見てくれ。戦後ニッポンは、公害、環境対策等で苦労し、これを克服しました。なにより平和国家として、胸を張っております、そこのところを見てほしい、と。

 これを、中国のこれからを担う若人たちに、一緒になって訴えてまいりましょうというのが、「文化・スポーツ交流年」の発想であります。

 言い換えますと、皆様方が経済活動を行うに当たり、大いに役に立つイメージ、すなわち明るいニッポン、行ってみたいニッポン、キラキラ輝いているニッポン。あるいは人が良いイメージのあるニッポンと、そういう前向きのイメージが定着することを、目指しております。キヤノンの、あるいはトヨタ等のブランドの根元を支えるそのまたニッポンというブランドを理解していただきたいと考えています。

 自分も1年あまり外務大臣をしておりますが、現在、ニッポンという国が国際的に評価されていることを実感しております。

 2007年は、日中が国交を正常化して35年の節目に当たります。次の年は日中平和友好条約30周年、また、北京でのオリンピックもありますから、大事な2年間です。そこで、私より御手洗経団連会長に2007「日中文化・スポーツ交流年」の実行委員会立ち上げのための発起人代表への就任をお願いし、快くお引き受け頂き、今般実行委員会を立ち上げることが出来ました。

 御手洗会長をはじめとするみなさまのお力をいただきつつ、今度の「文化・スポーツ交流年」事業を通じて日中に互恵関係が、将来のいしずえができますよう、頑張って参る所存です。

 最後になりましたが、御手洗会長他、皆々様の暖かいご協力とご鞭撻、ご指導に改めて心からなる御礼を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。本日はたいへん、ありがとうございました。