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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第3回イスラエル・パレスチナ平和信頼醸成会議 麻生外務大臣主催レセプション挨拶

[場所] 東京
[年月日] 2007年3月14日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 ペレス・イスラエル副首相、

 エラカートPLO交渉局長、

 カスラウィ・ヨルダン国王特別顧問、

 御列席の皆様、

 本日、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンから代表の方々の出席を得て、第三回イスラエル・パレスチナ和平信頼醸成会議を開催できましたことを、大変うれしく思います。また、この機会に、中東和平にご関心のある方々にお集まり頂きましたことに、心より感謝申し上げます。

 中東情勢は、様々な困難に直面しています。そして、その安定こそ、国際社会全体が、長く希求してきた重要なテーマです。我が国は、イスラエルとパレスチナの共存共栄実現に向け、対話を通じた信頼醸成に取り組んでいます。今回の信頼醸成会議は、対話のパートナーとその機会が現実にあることを示す意味からも、重要な会議であると考えています。また、中東から遠く離れたこの日本の地で開催したことで、関係者により心を開いて話をして頂く場になったとすれば、私共としましても大変嬉しく感ずる次第です。

 昨年七月に、当時の小泉総理が中東を訪問された際、将来のパレスチナの経済的自立を目指して、地域協力を通じた「平和と繁栄の回廊」構想を提唱されました。

 その一つの成果として、先ほど行った会合で、この構想を具体的に進めるために、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンそして日本の四者による協議体を立ち上げました。

 四者による協議体の立ち上げに当たり、我々は、

 (1)この構想の推進のため、引き続き高い政治的関心を払っていくこと、

 (2)三月末に、本構想のための我が国による調査団が派遣される際には、四者で、まず始めに、農産業団地の建設候補地選定に取り組むこと、そして

 (3)今後、事務レベルでの四者協議を域内で定期的に 開催し、第一回目の会合は、六月を目処に開催すること、

で合意しました。

 先般行いましたスピーチ、「わたしの考える中東政策」でも、この「回廊」構想のために四者が汗をかき、共同作業を通じて「信頼」を構築することの重要性を指摘致しました。また、パレスチナの繁栄を通じて現地の若者に「自信」を与えることが重要である、とも述べました。今後、この構想の実現に向け、関係者の間で更なる努力が積み重ねられていくことを強く期待します。

 私たちは、中東和平がこの構想の実現だけでもたらされるものと考えている訳では、もちろんありません。

 現在、中東和平の実現のために、エジプト、サウジアラビア等の域内の有力国が、様々な分野で力を尽くされていることに、この機会に深甚なる敬意を表したいと思います。我が国としても、和平の実現のために努力する国々と、力を合わせていく所存です。

 最後に、パレスチナの人道状況の改善を図り、アッバース・パレスチナ自治政府大統領の和平努力を支えるため、我が国は、医療や雇用創出分野で、新たに約千二百六十万ドルの支援を行うことを併せ紹介させていただきます。

 我が国のこのような取組と、ここに集まられた皆様の熱意と努力が、中東の平和と安定に必ずやつながることを確信し、私の挨拶とさせていただきます。