[文書名] 平和構築分野の人材育成のためのパイロット事業開講式における町村外務大臣メッセージ
広島平和構築人材育成センター(HPC)第一期研修員の皆さん、本日はHPC事業が正式に発足する運びとなり、皆様に向かってお話できますことを、嬉しく、また誇りに思います。
停戦・和平から平和へ至るには、長く障害に満ちた道のりを歩まねばなりません。戦禍に裂かれた社会は、容易に再び対立へと陥りがちです。外部の世界から、あたうる限り広範囲の支援が必要となるゆえんはここにあります。治安を確保し人道上の惨害を防ぐことに始まり、やがて国づくりの過程が着実なものとなり、老若男女が平和の配当にあずかってより良い暮らしを望むことができるように、助けがなくてはなりません。
HPCは、平和構築の専門家を養成するためつくられました。戦時下の破壊と、平和における復興の双方を象徴し続けてきたヒロシマはいまや、このセンターの本拠となることに新たな誇りを託しています。知見と経験を世界から、とりわけ日本とアジアの現場から集めることにおいて、センターは倦むことを知りません。それはまた、平和国家日本の志を担う場所でもあるのです。
皆さんは日本を始めアジアの各国から、この崇高なる事業に参加されようとしています。第一期生となる皆さんに、心からの祝福を送ります。
そして私は、皆さんがやがて世界第一級の平和構築者となってヒロシマを飛び立ち、世界の四隅に翼を広げることを希望してやみません。皆さんの後を、多くの日本人、アジア人が続くことでありましょう。皆さんこそは、世界の平和の先駆けなのです。いまいちど、皆さん方すべてに、心からなる歓迎の意をお伝えしたいと思います。
(国際平和協力室長が正文である英語版を代読)