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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第12回日・EUビジネス・ラウンドテーブル(BRT)本会合における岡田外務大臣スピーチ

[場所] 椿山荘
[年月日] 2010年4月19日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

岡村共同議長

デュブルニ議長

ラウンドテーブルのメンバーの皆様

御列席の皆様,

 本日は,日本とEUを代表する企業の皆様が参加するビジネス・ラウンドテーブル本会合において,御挨拶の機会を頂いたことを嬉しく思います。

 日本とEUは,民主主義,市場経済,技術先進性といった点で価値観や特徴を共有し,長きにわたって緊密に連携してきました。更に,昨年から本年にかけては,我が国における政権交代,欧州におけるリスボン条約発効にともなう欧州理事会議長の就任など,重要な変革を迎え,新たな道を切り開こうとしております。

 我が国にとっては、今後東アジアの統合を推進していく中,平行してEUとの関係を強化することは,バランスのとれた対外経済関係を推進する上でも重要です。日・EUが,貿易・投資パートナーとしての現状に甘んじることなく、双方の協力と連携を大胆に進めていくことは,双方に,ひいては世界経済全体に好影響を与えると確信します。

 そのためにも、関税のみならず,非関税分野における規制の緩和や基準・制度の調和等を含む日・EU経済連携協定(EPA)を締結することは,日・EU間の貿易投資関係の強化にとどまらず,我が国自身が「国を開き」,経済活性化に資するものとして重視しています。

 現在,鳩山総理や私自身から二国間会談などのあらゆる機会をとらえ,欧州委員会や加盟国に対し働きかけを行っており,つい先ほども、在京EU各国大使に私から直接働きかけを行ってきたところです。来週開催される日EU定期首脳協議において,EPA締結の第一歩となる「共同研究」を立ち上げるべく,引き続き努力して参ります。その際には、EU側が関心の非関税分野についても政府としてきちんと取り組んでいく決意です。

 新興経済国の台頭がめざましい中,日欧間の企業連携・産業協力を更に進めることが必要であり,そのための環境整備としても,日・EU経済連携協定の実現が重要です。BRTが,日欧企業連携・産業協力の一層の促進に向けた指導力を発揮されることを期待します。

 日・EU定期首脳協議では,日・EUの首脳に対し,BRTの提言書を直接お渡し頂く機会も準備しております。BRTの精力的な議論を受けた提言書が、定期首脳協議での成果につながるものであることを期待しています。

 今回のBRTが、日欧経済関係の新たな展開に向けた一歩となることを祈念し、私の挨拶を締め括らせて頂きます。御清聴ありがとうございました。