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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] イランの核問題に関する国際連合安全保障理事会決議第1929号の採択について(岡田克也外務大臣談話)

[場所] 
[年月日] 2010年6月10日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

1.9日(水曜日)(ニューヨーク時間,日本時間10日(木曜日)),国連安全保障理事会が,イランの核問題に関する追加的措置を含む決議第1929号を採択しました。今般採択された決議は,国際社会のイランに対する明確なメッセージであり,我が国は安保理の一員としてこれを支持しました。今後,国際社会が安保理決議を着実に実施し,核問題の平和的・外交的解決に向け,イランに対して賢明な決断を求めていくことが重要です。

2.我が国は,核不拡散体制の堅持,北朝鮮の核・ミサイル問題への対応との関係,エネルギー供給に大きな影響を有する中東地域の安定などの観点から,イランの核問題には毅然とした対応が必要であるとの立場に基づき,国際社会が強いメッセージを発出できるよう,今回の決議採択に向けた議論に積極的に参加してきました。

3.度重なる国際社会の呼びかけにも拘わらず,イランが濃縮関連活動の停止をはじめとする安保理決議等の要求事項に応じていないことは遺憾です。我が国は,イランがこうした要求事項に応じた上で,速やかに交渉プロセスに復帰するよう,同国に対し引き続きあらゆる機会を通じ働きかけるとともに,対話を通じた問題の解決に努力していく考えです。