データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] ソマリア・ハイレベル会合における外務大臣によるステートメント

[場所] ニューヨーク
[年月日] 2010年9月23日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

議長、

ご列席の皆様、

(冒頭あいさつ・現状認識)

 はじめに、国連事務総長のイニシアチブによって本会合が開催されたことを歓迎し、ソマリア問題に取り組んできた国連の努力に敬意を表します。

 我が国は、ソマリア情勢の現状に対する強い危機感を国際社会と共有します。特に本年7月以降、首都モガディシュ及び近隣国においてテロが続発する等、予断を許さぬ状況が続いています。我が国はこのようなテロ行為を強く非難します。

 ソマリア国民は20年にわたる内戦に苦しんでおり、ソマリア問題は人道問題です。同時にそれは、テロとの戦いの一環であり、ソマリア周辺海域の海賊問題の根源でもあります。国際社会は決意を新たにし、断固としてソマリア暫定「政府」(TFG)を支援し、和平プロセスの進展を図らなければなりません。

 私は、アフリカ連合及び政府間開発機構を中心として、アフリカが自らイニシアチブを発揮し、ソマリア問題に取り組んでいることを高く評価します。また、アフリカ連合ソマリア・ミッションの部隊派遣を通じたウガンダ及びブルンジの取組に敬意を表します。治安の更なる向上に向けたアフリカによる今後の取組に期待します。

議長、

(我が国の支援)

 我が国は、2007年以降、治安の強化及び人道支援・インフラ整備の二つの柱からなる約1億2440万ドルの支援を実施してきました。

 このうち、治安分野ではTFG警察の給与、装備及び訓練を支援しています。治安は国造りの基礎であり、我が国は今後ともこの分野の支援を続ける用意があります。そのためにも、TFGの行政管理能力を一層向上させる必要があります。また、人道支援・インフラ支援はTFG及び国際社会へのソマリア国民の信頼を増大させ、同時に雇用を創出する手段として重要です。我が国は、今後とも国連や国際コンタクトグループの場を通じて、国際機関、関係国等と緊密に協調しつつ、支援を続けてまいります。

(結語)

 最後に、我が国はソマリア和平実現に向け、国際社会と共にたゆまぬ努力を続けていくことを改めて約束いたします。御清聴ありがとうございました。