[文書名] 平成23年北方領土返還要求全国大会における前原外務大臣挨拶
皆様こんにちは。
今日は、このように多くの皆様方にお集まり頂き、北方領土返還のために力を合わせて頑張る心合わせは誠に心強く、私も気持ちが奮い立たされる思いが致します。北方領土が占領され65年が経ちましたけれども、未だに返還されていない日本固有の領土。できるだけ早く返還を実現させるために、私も政治生命をかけて努力したいと思っております。
私は大学を卒業した後に、松下政経塾というところに参りました。そのときに北方領土の問題を勉強しようということで、末次一郎先生の門を叩きまして、先生から北方領土の問題について詳しく教えて頂きました。この問題が解決しなければ日本の戦後は終わらない、そういう強い思いで先生にもご指導を頂きまして、その思いは国会議員にならせて頂いた今も、また外務大臣にならせて頂いた今も、何ら変わることのないどころか日に日に強くなっているところでございます。
5年前にビザなし交流で択捉島に参りました。今でも忘れられないことが2つございます。1つは、領土問題が解決していないがために、丁度私が択捉島に行く直前に漁船がロシアの国境警備艇に銃撃されて漁師の方が一人亡くなられました。私が択捉島から帰ってきたときにお葬式がございましたので、お悔やみを申し上げて参りました。まさにこの方も、領土問題が未解決であるがゆえの被害者だという思いを強く感じました。
もう1つは、択捉島の日本人墓地に行きましたときのことです。荒れ果ててたくさんの草が生い茂って、お墓が誰のものかわからない状況のものがたくさんございました。当時85歳の男性の方が、自分の(お父様の)お墓を探したいということでご一緒致しましたけれども、結局お墓を見つけることができませんでした。私はその方にお墓を見つけることはできませんでしたけれども、お父様の思いというものは必ず伝わっているはずだということを申し上げたわけでございます。
皆様方が65年経った今もまだ解決しないこの問題について、気持ちを切らすことなくご努力を頂いたこと、また啓発活動を続けて頂いていることに、心から敬意を表したいと思います。
12月には千島歯舞諸島居住者連盟の小泉理事長さんと一緒に、海上保安庁の飛行機で国後島、貝殻島等をみさせて頂きました。まさに皆様方が思っておられる望郷の思いというものを共有させて頂き、一日も早くこの問題を解決しなくてはならない、そういう思いを今また強くしているところでございます。
今週ロシアに行って参ります。外相交渉では領土問題についてしっかり日本の立場を述べて、そして首脳会談に繋げ、一日も早く日本の立場をしっかりと踏まえた解決策を見出すために、皆様方の思いを受けて、全身全霊の努力をして参ります。
皆様方とこの問題が解決するまでともに頑張らせて頂くと同時に、これからも是非とも皆様方のご努力もお願いし、私の決意表明とさせて頂きます。ともに頑張らせて頂きます。宜しくお願い致します。ありがとうございました。