[文書名] 前原外務大臣と語る「これからの日本外交」
1.講演
(1)冒頭
皆様こんにちは,今日は「大臣と語る」にたくさんのご応募をいただき,お越しをいただきましたことに,感謝申し上げたいと思います。また,この催し物を開催するに当たりまして,地元の兵庫県,井戸知事,また,神戸市,矢田市長,各行政の皆様方には,大変お世話になったことを御礼申し上げたいと思います。今日は地元の国会議員の方が4名お越しいただいております。井戸正枝衆議院議員,高橋昭一衆議院議員,浜本宏衆議院議員,向山好一衆議院議員に御礼申し上げたいと思います。
それでは,座らせていただいて少しお話させていただきたいと思います。
(2)国際政治学
これから約40分間,日本の外交についてお話をさせていただきまして,後は皆様との質疑応答,意見交換ということで進めさせていただきたいと思います。実は私は,大学の時に,国際政治を専攻いたしました。専攻っていったって,そんなに熱心に勉強した学生ではございませんでしたけれども,少なくとも,国際政治そしてゼミ,高坂正堯先生という国際政治学者のゼミでございましたけれども,大変有意義で楽しいものでありました。
外交って一体何なんだろうということを皆様方もお考えになられたこともあると思いますけれども,私の定義はこうです。外交というのは,いかに国益を伸ばしていくことにつなげていくのかという対外的な関係が私は外交だという風に思っています。私の好きな言葉の1つに,「外交には敵も味方もいない。あるのは国家利益だけだ。」という言葉があります。「外交には敵も味方もいない。あるのは国家利益だけだ。」これは旧ソ連の最後の書記長であったゴルバチョフ書記長が言った言葉でありますけれども,私はこの言葉は外交を的確に表しているのではないかと思います。しかし,国益ということを考えた時に,狭く,近視眼的に国益を考えるのか,中期的,長期的に国益を捉えるのかによって,全然対応が変わって参ります。例えば昔でありますと植民地政策,つまり,自分の国とは別の所を支配下に置いて,その富を搾取するということが国益に繋がる,これも国益に繋がる考え方でありました。あるいは,この植民地政策に繋がるのですが,近隣窮乏化策,つまりは,自国と隣の国があって,隣の国の利益を徹底的に搾り取ることによって,自分たちの国益を高めていくと,これは近隣窮乏化策といって,国際政治ではかなり初期に出てくる考え方であります。しかし,こういう古い考え方の狭い国益ではなくて,もっともっと広い国益で考えるべきではないか,つまりは共存共栄,開かれた世界,そして何よりも,平和で戦争を起こさない,国際ルールに則る,こういうようなベースの基で国益を考えていった場合に我々は行き着くところはですね,これはウィン・ウィンの関係を築くことではないかと,つまりは自分の国だけがプラスになると言う外交は真の国益ではない,短期的には国益になるかもしれないけれども真の国益ではない,中長期的には国益というのは必ずウィン・ウィンの関係を築けるものなんだと,私はそういう思いを持っております。自分の国益も伸びる,そして,相手側も,他の国も国益が伸びると,私はこれが真の国益を増進する,また,その手段としての外交ということが大事なのではないかと思っております。
(3)経済外交
(1)制約要因
ではパワーポイントで,今申し上げたことを行っていく上でどうしていくのかということについて,主にお話をしたいと思っております。
私の唱える外交というのは,経済外交であります。経済外交というとですね,新重商主義,先程金儲けって言うのはウィン・ウィンだったんじゃないかと言われるかもしれませんが,私の唱える経済外交とはまさにウィン・ウィンの関係を作るものでございまして,決して自国だけが得をするというものではないということは後でお話しするのでご理解をいただきたいと思います。この経済外交の5本,実は今まで4つの柱と申し上げていたのですが,本邦初公開で5番目の柱,ジャパン・ブランドというものを今日皆様にお伝えしたいと思っております。今まで4本の柱というのは私はこれで行こうと決めたのでありますが,外務省の中でですね,大臣のトップダウンだけではなくて,ボトムアップで経済外交の柱をもう1つ作りたいと,「4」という数字があまりよくないと,「5」にしようということで,議論いただきまして,今日初めてこのジャパン・ブランドというものを皆様方にお披露目をさせていただきたいと思います。それと同時にやはり日本を取り巻く国際環境,激変をしております。これについてどう考えるのか,これについても少しお話をさせていただき,後程,質疑応答を承りたいと思っております。
さて,ちょっとシビアな話になります。日本の置かれている現状というものを正しく理解しなくてはいけないということであります。日本の置かれている状況というのを私はいつも三重苦という言い方をします。3つの制約要因と言っておりますが,1つはこの左側でございます。2004年が人口のピークでありました。今2011年ですよね,つまり2004年のピークから7年間,7年目に入っている訳です,人口減少から。去年が初めてプラスマイナスで10万人以上の人口が減少いたしました。今の出生率は1.37です。そして,平均寿命は伸びるでしょう,ちなみに2050年には女性の平均寿命は90歳,それから男性の平均寿命は81歳になると言われておりますけれども,そういうことも踏まえて,平均寿命は伸びる,出生率は仮に1.37のままとした場合に,では2050年にはですね,2050年にはどれぐらいの人口になるかと言いますと,これですね2050年,9515万人,約9000万人になるということであります。今1億2700万人くらいですから,大体3200万人が減っていくと,40年間で3200万人が減るということになると,平均すると80万人が減っていくということですね,この近辺で言いますと,平均値で言うと,堺市ぐらいが1つずつ毎年無くなっていく,しかし,これ平均なんですね,なだらかに,なだらかに減り始めて,急激に減り始めると,で,少子化対策というのは極めて焦眉の急なんです。子ども手当に賛否両論ありますけれども,何らかの少子化対策をしないとですね,あるいは外国人労働者の受入れ等の対策をとらないと,この人口減少というのはすさまじいものになっていくということになる訳であります。人口減少で何が問題かというと,国内だけでそのマーケットを考えると,マーケットのパイは縮小していくということです。従って,経済活動もどんどんどんどん縮小していくと,放置すると景気が悪くなるというのは当たり前ということになる訳です。
2つ目の制約要因,これは少子高齢化であります。少子については先程申し上げましたけれども,15歳から64歳までの働ける年齢,生産年齢人口といいますけれども,今だいたい65%のものが大体51.8%にまで落ちていく,つまり働く人が減っていくと段々,それに対して65歳以上の方々はこれだけの急カーブであがっていくということであります。現在が23%位,65歳以上の人口は。それが約40%になっていくと。昔,長妻さんが厚生労働大臣の時によくおっしゃっていたのは,今は騎馬戦で高齢者を支えられるが,もうそろそろ肩車になるということであります。若い人が減って,高齢者が増えるというのが日本の現状であります。
3つ目の制約要因,これは皆様よくご存じのように,莫大な財政赤字を抱えていると,これは一般政府債務残高比の対GDP比でありますけれども,とてつもない借金を抱えることになってしまったというのが日本の現状であります。ちなみに,今審議している予算というのは92兆円あまりでありますけれども,真水で使えるお金というのは71兆円程度であります。それでは残りの21兆円というのは,今まで作った借金の返済に回す,そしてまた,それ以上に借金をするという自転車操業が止まらない状況であります。
人口減少,少子高齢化,働く人が減って社会保障にお金がかかる人が増える,それと今まで積み重ねた莫大な借金,これを踏まえてどのように日本の政治をやっていくのか,あるいは,外交をやっていくのか,ということを少しお話をしたいと思います。
経済外交が大事だという意味はこれでお分かりになったと思います。少子化対策をやらなくてはいけない,社会保障もしっかりやらなくてはいけない,そして何よりも莫大な財政赤字の中で,その限られた中での予算というものを考えた時に,将来増税があるかもしれませんが,景気の回復なしに増税をやると景気の腰折れになりますよね,ですから,結果的には経済をいかに成長させて,そして日本を元気にした上で,3つの制約要因を解消していくかということを考えないといけない状況に我々日本は置かれているということでございます。
(2)第1の柱「EPA/FTA」
ではその元気にするために,外務省も,人道援助も必要ですよ,あるいは同盟関係,日米の同盟関係,他国との友好的な関係も必要,しかしまず経済でないかと,経済を立て直せないと,その国益というものに跳ね返ってこないし,何よりも皆様方の生活は将来不安定になってくる,そのために我々としてはウィン・ウィンの経済外交,このウィン・ウィンのところが大事でありますけれども,経済外交をやっていこうということであります。
EPA/FTAというものを今一生懸命やっています。EPAというのは経済連携協定,FTAというのは自由貿易協定の訳であります。よく皆様,EPAとFTAはどう違うのであろうかということでありますけれども,包含関係で言いますと,EPAの方が広いと考えていただいたら結構です。FTAというのは自由貿易,関税を低くしましょうとか,モノのやりとりをやりやすくしましょうとかいうことにある意味限定されていると考えていただければ結構でありますが,EPAは経済連携協定ですので,FTAプラス,投資自由化とか,あるいは非関税障壁を無くしていくとか,あるいは政府間で様々な共同事業をやっていくとか,こういったものも含まれてくるということで,EPAが少し範囲が広いとお考えいただければ結構です。
この頃,国会を聞いていて,日本という国が十分に開かれているだろうと,なぜこれから開かれた国,開国なんて言うんだろうという批判が特に野党側から出されている訳でありますが,1つの例を申し上げたいと思います。皆様方に見ていただく円グラフであります。日本の貿易量をこの円グラフで示しております。どことの貿易量が高いかというと,一番高いのは中国ですね,次がASEAN,それからアメリカ,EU,そしてGCC,GCCというのは湾岸諸国という意味です,ですからこれは油とか天然ガスですね,主に。で,韓国,豪州ということでありますが,実は日本の貿易量で自由貿易をやれている割合というのは,16.5%なんです。皆様,貿易量に占める自由貿易の割合が16.5%というのが,多いと思われますか,少ないと思われますか。これが答えであります。日本は17.4%,これはこの前インドとCEPAという包括協定を結んだので,若干高くなりましたけれども,メキシコ81%,シンガポール71%,スイス89%,お隣の韓国36%,豪州24%,インド28%,アメリカ37%,中国22%,最低レベルだということですね。最低レベル。
では,皆様ちょっとお考えいただきたいのですね,自由貿易ができていなかったら,どんなメリット・デメリットがあるのと{前4文字ママ}。ではどんなデメリットがあるのでしょう。このグラフを見てください。時間の関係上,EUだけでやらせていただきます。これはEUにおける主な高関税品目と言われるものであります。乗用車が10%,液晶テレビは14%です。ちなみにEUは韓国とはEPAを結んでいます。日本とはまだ交渉は再開されていません。開始をされていない。ということは,現代(ヒュンダイ)の車はヨーロッパでは関税はゼロ,サムソン,LGの液晶テレビは関税がゼロ,それに対して,トヨタ,日産,ホンダ,マツダといった日本の乗用車は10%の関税がかかる,パナソニック,シャープといった日本の薄型テレビは14%の関税がかかる,同じ値段だった場合,その分関税コストがかかるという意味で,日本の競争力は高いですか,低いですかということを考えた場合,日本の方だけに関税がかかるんですよ,韓国のモノには関税かからないんですよ,ということは,日本の競争力はあるんでしょうか,ないんでしょうか。ないということになるわけですね。他のEPA/FTAを結んでいる国と比べると,その結んでいる比率が低いことによって,本来もっとモノを作って輸出して売れるはずのものができていないということなんです。これはひいてはどういうことか,神戸のものづくりというものが本来ならもっと他国で売れるかもしれない,他の国と競争力のある品物はあるのに,同じ値段同じ性能だったら日本のモノだけ関税がかかって高くなって売れない,そうすると海外に出て行かざるをえない,現地生産にインセンティブが働きますね,そうすると日本国内での製造拠点が減って,雇用が減って,地域が疲弊すると,こういう悪循環が生まれるというのが大きな問題点なんですね。
これを皆様ご覧いただきましょうか。お米の日本の関税です。農業を守るために行われている関税,お米778%ですよ。例えば1万円で1万円分タイでお米を買いました。タイ米を買いました。輸送費とかその他の手続き面を除いて,日本に持って来た場合,関税だけでいくらになるか,いくらになるでしょう。1万円のものを買ってきて,778%の関税がかかる,そうするとですね,8万7800円になる訳ですね,つまり関税が7万7800円かかるわけですから。1万円のモノを買ってきたら。それで実は守ってきた訳ですよ,日本の農業を。こんにゃくは1706%ですよ。ものすごい関税で守ってきた。こういったものですね。確かに農業も大切。よく自由貿易論者,私も自由貿易論者ですけれども,これは農業を軽視しているのではないかと言われますけれどもそうではないんですね。農業は大切ですよ,特にこれから人口がどんどん増加していきます,世界は。日本は減っていきますけれども。今,中東が非常に不安定な状況で,ジャスミン革命以降ですね,いろんな紛争が生じています。そのおかげで,おかげというか影響で,原油の価格があがっていると,リーマンショックの前と比べていただいたら,原油の価格だけでなくて,穀物の値段も上がったんですね。これです。これがいわゆる,緑が金属鉱物ですね。赤がエネルギー,青いのが食料品なんですけれども,これリーマンショックで一旦落ちて,また上がり始めている訳ですよ。食料もあがりますよ,また。ちなみに日本の食料自給率は,いくらかというと40%,これは世界の食料自給率をカロリーベースで書いたものですけれども,日本の自給率は40%しかないということです。しかもですね,行ったり来たりしますが,国内における第一次産業のGDP比,これは農業だけじゃないんですよ,漁業・林業も入れてですよ,1.5%。ちなみに平均年齢は66歳。つまりはお米は778%,こんにゃくは1706%という高い関税で日本の農業を守ってきて,農業が発展していけばいいんですよ。発展してきていないどころか,パーセンテージは低い,そして,農業に従事される方の平均年齢が66歳,5年前は60歳だったんですよ皆様,平均年齢。今は66歳ですよ。ということを考えれば,守り続ければ農業は発展するということではないんですね。農業はやはり別のやり方で伸ばしていくということをやらなくてはいけないのであります。
そこで2国間のFTAだけではなくて,いろんなところのFTAというのを議論しています。ASEANと日中韓,ASEANと日中韓インド豪州ニュージーランド,それからこれはAPECの21の国と地域,これ全部を自由化していこう,それから日中韓,これ来年検討結果がまとまります。APEC21の国と地域の経済統合と自由化貿易に向けていろんな取組をしているということであります。この頃皆様方よく聞かれるTPPと,トランスパシフィックパートナーシップ,TPPというのがあります。トランスパシフィックパートナーシップ,日本語に直すと環太平洋連携,こういうものがございますけれども,これもその1つであります。詳しくお話しすると時間がなくなりますので,こういったものを,別にTPPだけではなくて,いろんな取組で自由化をしていこうと,そしてこのAPEC全体の,APECというのはアジア太平洋の経済地域連携ですけれども,これを自由化につなげていこうということであります。自由化をすれば,これFTAAPという,APEC全体で自由化すればこれだけのGDPが伸びますよ,TPPだとこれだけのGDPが伸びますよということでありまして,おおむね,こういう自由化すれば日本がこれだけGDP,経済規模が拡大すると言われている訳であります。
(3)第2の柱「資源・エネルギー・食料」
先程申し上げた経済外交の2つ目の柱は,エネルギーや資源の多角的な外交をやっていかなくてはいけないということであります。石油の依存率は99.7%,天然ガスが95.7%,石炭は100%,鉄鉱石も100%と,鉄鉱石銅鉱石ですね,小麦は91%,とうもろこしはほぼ100%,そして大豆は74%と,ということで先程申し上げた自給率は非常に低いわけであります。どうやって多角的な資源外交をやっているかということで,尖閣の問題が起きて,中国だけにレアアースを頼っていては非常に経済的にも良くないということで,他の国にも埋蔵量はあるんですね。黄色が埋蔵量です。他の国にもあります。これは私が外務大臣になった後もですね,中国に96%依存していたわけでありますけれども,アメリカ,ベトナム,オーストラリア,モンゴル,インド,こういったところとのレアアースの協力関係,開発協力というのを合意をしたところであります。岡田大臣の時にはカザフスタンというところとのレアアースの協議もしていただいているところであります。
(4)第3の柱「インフラ海外展開」
さて,3つ目の柱はインフラ海外展開であります。日本の得意な分野というのは,例えば発電所の能力,原子力発電所,あるいは石炭火力発電所でも,極めてクリーンな石炭火力発電所をつくることができる。太陽光発熱,あるいは高速鉄道,あるいは上下水道,こういった様々な面で得意分野があるわけですけれども,先程申し上げたように日本の人口は減っていくんですね。そして社会保障を充実させていかなければいけないということを考えれば,あまり,今まで通り右肩上がりの時のように公共事業,公共事業というのではないと。しかし,世界は今70億人で,2050年には90億人になる。アジアだけでこれから10年間で8兆ドルと言われるインフラ需要があるんですね。8兆ドル。これを取りに行かないかんと言うことで,このインフラ海外展開というのを一生懸命やっているところであります。これは市場規模と成長率というものを表したものでありまして,電気自動車,これは先程申し上げた高性能の石炭火力発電所です。CCSというのは二酸化炭素を隔離分離して貯蔵できる能力であります。再生可能エネルギー,原発,鉄道,スマートグリッド,水,こういうものであります。
今どういう政府内の体制強化をしているかといいますと,新成長戦略の中にですね,このインフラ海外展開を主要項目に入れまして,とにかくトップセールスをやっていこうということで,原発であれば首脳会談,総務大臣,経産大臣,一生懸命やっていただいています。ベトナムもそうです。ベトナムはちなみに2基とりました。高速鉄道ですが私が国交大臣の時,あるいはこの間米国を訪問して働きかけをしましたが,これはちょっと今日,残念なニュースで,連邦政府からフロリダには高速鉄道のためのお金は割り振りしないということになりました。加州というのはカリフォルニアですけれども,いろんな州がありますので他のところに持って行くということ。水は経産大臣がやっているということでございます。それで国が一体となってやはりしっかりとインフラの海外展開をしていかないといけないということで,大事なのはやはり融資機能なんですね。JBICというのは国際協力銀行と言われるものでありますけれども,これの融資能力を高めていく,NEXIというのは貿易保険,これを強化する。JICAというのは国際協力機構でありますけれども,これも投融資を再開するということで,様々な観点でのバックアップをして,旺盛な海外のインフラ需要に,日本の技術に裏打ちをされたものを取りに行くということを今一生懸命やっているところであります。このページは省略いたします。
(5)第4の柱「観光立国」
4本目の柱であります。これは神戸の皆様,兵庫の皆様も関心のあるテーマではないかと思いますが,観光であります。これは一番お金をかけなくて,経済効果がある,雇用にも繋がると言われているものであります。皆様方もご承知のとおりですね,日本から海外へ行かれる方というのは,結構多いんです。去年がまだ速報値ですが1664万人が海外に出ているんですね,しかし去年が,政権交代の後ですね,観光立国ということで一生懸命に観光をやってきて,お陰様で過去最高にはなったけれども,この海外へ行く人と比べると来てもらう方は非常に少ないわけですね。これを何とかしなくてはいけないということで,今,2013年が1500(万人),2016年が2000(万人),2019年が2200(万人),将来的には3000万人の海外からお客様に来てもらおうということを今一生懸命取組をしているところであります。この頃皆様,中国人の方とか海外の方が多く神戸にお越しになっておられると思いますけれども,それでもまだ861万人なんですね。ちなみに,日本の人口の約半分のフランスでありますと,どのくらいの海外からの観光客が来ているか,フランスというのは皆様ご承知のとおり大陸国家ですから,またEUというですねヨーロッパで自由に出入りができますので,単純に比べることはできないんですが,しかし経済波及効果ということを考える時には,人口が半分のところでどのくらい来ているのかというのは非常に参考になるんですね。どれぐらいかと思われます?日本の人口の約半分のフランスに海外からどのくらいの人が来ているか,日本は過去最高でも861万人,答えは7900万人です。それぐらいの人が来てお金を落としてくれたら経済的にもプラスになりますね。雇用にも繋がりますよね。それをしっかりやっていきたいということであります。ちなみにどれだけ,今この消費額や生産波及効果があるかと申しますと,上が訪日外国人旅行者による経済効果ということで,777万人とした場合ですね,この旅行消費額は1.3兆円なんですね。それに関わる生産波及効果は3.2兆円なんです。つまりはインバウンド,海外から来られた方の消費額は大体1.3兆円で,生産波及効果は3.2兆円だけれど,仮に2500万人に来てもらったら,消費額は4.1兆円,そして生産波及効果は約10兆円になるということなんですね。
で,大事なこと。どれくらいの雇用につながるのか。今が大体11万人くらいですよ。旅行業に直接関わっておられる方。あるいは,間接の雇用が25万人くらいでありますけれども,これがもし2500万人になったら(直接雇用が)35万人あるいは(間接雇用が)78万人,これだけの雇用につながってくるということでありまして,これは財政出動のいらない景気対策になるんですね。こういうことをしっかりやっていこうということで,取組を今一生懸命進めているわけであります。これは私が国交大臣の時にやったことなんですが,新千歳空港,北海道が海外からのお客様を増やしたいと,だけれども千歳空港というのは自衛隊の基地がありまして,軍民共用なんで,平日はなかなか海外からの航空便の枠がないということで,要望があったのを北澤防衛大臣にご協力をいただいて,火・水曜と4時間ずつ開けてもらったんですね。火・水と。それによってこれだけの新規や増便ができましたと。空港1つ変えるだけでこれだけのものになっていくと。羽田の国際化も政権交代後いたしましたけれども,これも非常に好調です。今3万回の国際便ですけれども後3〜4年経ったら9万回まで増やします。羽田はもう完全に国際空港として昼間も長距離便を飛ばすようなものになります。神戸も空港がございますけれども,関空というのは,先程も知事,市長と話をしていたのですが,目一杯飛ばすと年間45万回くらいは飛ばせるんです。今どれくらい使われていると思われます?関空。大体12〜3万回ですよ。キャパシティの4分の1しか使われていないということであります。したがってですね,空港をいかに利用するかということで,今日,TPPというのを覚えていただきましたけれども,トランスパシフィックパートナーシップ,覚えていただきましたけれども,もう1つ覚えて帰っていただきたいのは,あのこれは外務省とは直接関係はありませんが,LCC,ローコストキャリアと,格安航空会社,こういうものを今度関空を拠点に全日空とそれから香港の資本が50%ずつお金を出し合って,LCCの拠点にして恐らく年末くらいからLCCが飛び始めます。これから価格競争の時代であります。そうすると多くの海外の方が,この関西にも日本にも来ていただけるということでございまして,様々な取組を私たちもしていきたいと思っております。
(6)第5の柱「ジャパン・ブランド」
5本目の柱であります。これは,ジャパン・ブランドをどう発信するか。私,この仕事に就かせていただいてつくづく思うのが,日本のすばらしさっていうのは,人間力であり,人間力から生まれる技術力であり,あるいは我々の先人が培ってくれた文化,この3つが大きな力だと感じます。
先ほどのインフラ海外展開にしたってですね,もし技術力がなければ競争力もないんですよ。技術力があるから,競争力は,今,日本はまだあるわけですね。人づくり,あるいは人的貢献,これも大きいですよ。例えば,アフリカの外務大臣と話をしたりすると,アフリカは中国が非常に積極的に関与しています。資源がたくさんある,アフリカは。そして,アフリカの経済発展ということで,中国の企業も出ていっている。中国は日本の10倍くらい人口いますから,人夫も連れて行くんですね,労働者も。その時に,何が生まれてくるかというとですね,それは技術というかノウハウ持った人を連れて行くから仕事が早い。だけども,現地の人たちをあまり使わないから,結果的に技術移転がされない。メンテナンスも中国がまたやらなきゃいけない。そして,その仕事の代金は中国が本国に持って帰ると。しかし,日本のやり方は違いますね。現地の人を丁寧に教えて,技術の移転を行って,そして現地化をしていくという中での真の貢献ができていますねということをよく言われます。量の勝負ではなくて質の勝負。一番はじめに申し上げた,まさにウィン・ウィンの関係をどう作っていくのかということをやっていけばですね,私は,日本の例えば借金が多くてODAが減ってますね,政府開発援助が減っても,そこはこの技術力あるいは海外インフラ需要こういうものを考えた場合には,まだまだ日本の果たせる役割がいっぱいあるということであります。
それから,文化というもの。例えばですね,皆さんテレビで見られたからご存知かもしれませんけれども,中国の方が日本に来られてですね,ものを買われますよね。非常に安心して買われるわけですね。これは,ある中国の方が私に教えてくれたことでありまして,私の言ったことではありません。ある大手のカメラメーカーに,そのカメラメーカーの会長はですね,中国に現地生産で会社を作ろうとするんだということを言ったら,ある中国の人が「やめとかれた方がいいんじゃないですか」と言ったというんですね。なぜか。中国人というのは,どこで作られた製品かを見ますよ,と。現時点において,メイドインチャイナではなくて,メイドインジャパンがいいんですと。つまり,日本で作られたモノがいいんだから,現地生産はやめとかれた方がいいんじゃないですか,ということをある中国人の方が,その大手のカメラの会長さんにおっしゃったということを言われてました。つまりは,模造品とかが基本的にない,技術力の高い,ブランド力のある,そういうですね,日本の製品,あるいはもっと言えば,おもてなしなんかの,レベルの高さ,信頼度の高さ。皆さん方,日本におられるから,日本に対して不満がたくさんあるかもしれませんが,しかし海外から来られてこれだけ街がきれいで,清潔で,そして食事が美味しくて,そして礼儀正しい,おもてなしの心を持っている国というのはないと,こういう話があります。そういう意味では,もっともっと我々は自信を持っていいんだろうと思います。で,その根本にあるのはジャパン・ブランドなんですね。それをどのように売っていくのか。
例えばこの間,アニメ。この,アニメですね,第4回国際漫画賞授賞式というのがあったんですけども,最優秀賞を取ったのがこの中国の女の子でありますけれども。漫画っていうのは,やっぱり世界最高峰は日本なんです。私もちょっとこの式典に出て感動したんですけども,あしたのジョーのちばてつやさんとかですね,それから弘兼憲史先生とかがご出席されていて,里中満知子{前5文字ママ}先生が審査員長なわけですよ。そういう方々に認められるということは,まさに映画で言うと,アカデミー賞を取ったというようなそういう価値になっているんですね。
漫画の力というのは,例えばでありますけれども,非常に高いものがあると。技術力で言いますと,先ほどお話しした日本の技術力っていうのは,この医療,介護の分野でありますけども,これ,介護士の人の負担軽減のためのロボット,これ全部ロボットなんですよ。こういうものをまさに高齢化に向けて,いかに介護される方々の負担軽減につながっていくのかということを考えているのは,まさに日本が最先端を行っている。
これは水利用であります。先ほど矢田市長と話していたら,ベトナムのダナンというところに出て行って,神戸市とそして神戸の会社と力を併せて,ダナンの上下水道,ベトナムにある市ですけれどもそれをやりたいんだ,ということをおっしゃっておりました。そういう非常に高い水の技術がある。このジャパン・ブランドをいかに売っていくのかということが,今後,重要になっていくのではないかと思っております。
(4)日本を取り巻く国際環境
さて,話はがらっと変わって,あと10分以内で終わります。後は質疑応答を受けたいと思いますが,安全保障の話になります。
防衛費というのは日本はそれほど多くありません。4兆7千億円くらいでありますけれども,対GDP比でいうとだいたい1%くらいであります。しかし,日本を取り巻く状況というのはきわめて厳しいですね。北朝鮮が,韓国の哨戒艦を撃沈したり,あるいは延坪島という島に攻撃をしたり,あるいは濃縮ウラン,これは核兵器になりうる放射性物質でありますけれども,これを開発していると。こういう問題が起きているのであります。
また,お隣の中国は,GDPで日本を抜きました。そして軍事費もどんどんどんどん伸びています。中国の軍事費は,ちなみに,この21年間で約20倍になっていますね。昨日発表された中国の軍事費は,さらに増えて,12.7%も増えていると。なんでこんなに軍事力増やすんでしょうねと思うくらい増やしているわけですね。アメリカのゲーツ国防長官が,胡錦濤さんに会った時に,ステルス戦闘機,ステルスっていうのはレーダーにかかりにくい戦闘機の開発,こういうのをやってた,あと空母も開発していくということであります。どんどんどんどん国防費に力を入れていってるということは,これはきわめて深刻に我々は懸念を表明せざるを得ません。しかも,公表数字は,発表数字よりもまだ多いのではないかと,2倍から3倍あるんではないかということも言われている訳であります。
つまりは,この地域というのは,ロシアも軍事費を伸ばすということを言ってますので,大きくそう言う意味では緊張というものが,残念ながら増えてきているということであります。
ただ他方で,じゃあその中国というものとどうお付き合いするのか。懸念はしっかりと表明する,言うべきことはしっかり言う。しかし,日本の経済,社会にとって隣国であり,隣国というのはお隣同士で引っ越しできません。その中で,しかも今,経済関係をとってみればですね,きわめて大きなモノの行き来がなされていると。同盟国であるアメリカよりも多いということであります。ちなみに,日本にとって考えれば,輸出も輸入も中国がナンバー1,中国から見れば輸出のナンバー1はアメリカだけれども,輸出のナンバー2は日本で,輸入のナンバー1は日本からであると。きわめて相互依存関係が強まっているわけであります。先ほどの観光も,中国の方にもたくさん来ていただいて,そして,日本のすばらしさというものを知っていただくという中での,相互理解を高めていかなくてはなりません。まさに共存共栄をどのように打ち出していくのか,言うべきことを言って,これが大事なことではないかと私は思っているところであります。したがいまして,日中関係というのはきわめて大事な二国間関係であって,言うべきことはしっかり言う,しかし大局においてはお互いの経済関係を含めた,往来関係を含めた発展を進めていくということが大事なことではないかと思っております。
北朝鮮のウラン濃縮計画というのは,このような経緯がずっとあるわけでありますけれども,六者会合というのがありまして,これは,日本と北朝鮮,韓国,中国,アメリカ,ロシア,これが北の核の問題,ミサイルの問題,こういった問題をしっかりと取り組むために作っている枠組みでありますけれども,2008年を最後に再開されていません。対話に乗ってきても,それを履行しない。そして,とるものはとる,という繰り返しでありました。対話のための対話には応じないということを日米韓で確認しています。議長国中国にどうやってしっかり影響力を果たしてもらうのかということも含めて平和裏に朝鮮半島の非核化というものをやっていかなくてはいけませんし,ねばりづよい外交をやっていかなくてはいけません。
それと同時に,日本には,拉致という非常に主権を侵害された重大な事案がございます。先般,向山好一議員が,有本恵子さんのお父さんを外務省までお連れをいただきました。お父様のお気持ちもお聞かせをいただきました。そういうことを考えればですね,かなり時間が経過しています。なんとか,この拉致問題を一刻も早く解決をしなくてはなりません。この拉致問題とですね,日ロの領土問題というものは一刻も早く解決をしなくてはいけないんですが,焦るといけません。つまりは,こちらのしっかりとした立場というものをしっかり言いながら,そして,解決策を見いだしていくということで,こちらが焦っているということが分かれば,向こうはそういったところをついてくるでしょう。つけいる隙を与えてはならないわけであります。そういう意味では,日朝間の対話もしっかりしていかなくてはいけませんが,焦る姿を見せる必要はないし,日本の立場というものをしっかりと伝えて,こちら側が,しっかりとリーダーシップを発揮してやらなければいけない問題だと思っています。
最後に,ロシアの問題について,これも若干話をしたいと思いますが,領土問題を解決しなくてはいけません。この領土問題については,かなりロシア側は強硬な姿勢で臨んでいるわけでありますけれども,先般,私モスクワに行きまして,ラヴロフ外務大臣と話をいたしました。マスコミは,領土の問題のみをかなり大きく取り上げて,非常に厳しい交渉だったということを伝えております。それは間違いではありません。しかし,日ロ関係というのは,もちろん領土問題は根底にはあるわけでありますが,例えば北朝鮮の問題,あるいはロシアは国連の安全保障理事会の常任理事国であります。あるいはシベリア開発,ロシアにおける様々な協力というのは,無限に広がっているわけですね。したがって,どういう形でこの二国間関係というものを行っていくのか,先ほど日中関係も大局に立って言うべきことはしっかり言っていくということを申し上げましたけれども,日ロ関係も私は基本的には同じだと思うんですね。領土問題の立場はしっかり言う。しかし,協力関係というものを徐々に高めていきながら,そしてタイミングを図る。必ず私はまた領土問題は前進するタイミングが来ると思います。今までも,例えば,エリツィン・橋本両氏との関係,プーチン・森元総理との関係,言ってみればかなりいいところまでいったところがございました。今の状況に一喜一憂して,今悪いから,向こうが圧力をかけてきているから,ということで妥協してはいけません。我々の立場を一切変えない。不動の姿勢で臨んで,ただ,日ロ関係という大局をどう発展させるかということの中で,タイミングが来た時に,その話が一挙に進むような状況を作っていくということが,私は大事なことであり,やはり過激な反応を控えると同時に,自国の立場を一切ぶれずに主張をし続けるということも大事なことではないかと思います。また,その背後にあるのが,今日お話をした安全保障の背後にあるのが,やはりなんと言っても日米関係なんですね。日米関係を重視するということを言うと,一部の人は,対米追従だとか,そういう言い方をする人がいます。戦後65年で日本の安全保障,吉田茂さんの吉田ドクトリンというものがありました。経済重視,そして安全保障はアメリカに頼る,ということでありました。恐らく吉田茂さんでさえ,65年経った今,まだアメリカにこれだけ依存しているのかという思いを驚かれて持っておられるかもしれません。しかし,実際の,詳しいこと,もしもっと聞きたいということであれば,後の質疑応答でお話をいたしますけれども,日本の安全にとっては,かなりアメリカに頼るところが大きいというのが,日本の現状でございます。そういう意味での日米安保の強化とともに,日本のためだけのものではないと,日米安保は。アジア太平洋地域というのは,この地域の変化の中で,アメリカのプレゼンスがこの地域の安定につながっていると思っている国はたくさんあります。そういう意味での,日米同盟関係を日本もしっかりとマネジメントすることがこの地域の安定ひいては繁栄につながっていくんだと,こういうところで努力をしていくことが大事なことではないかと思っております。
少し時間をオーバーして申し訳ございませんでした。私の話はこのくらいにさせていただいて,後は質疑応答に移らせていただきたいと思います。どうもご静聴ありがとうございました。
2.質疑応答
女性
ノグチケイコと申します。大学で非常勤の研究員をしております。本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。日中関係というところで,言うべきことはちゃんと言う必要があるということを大臣はおっしゃっていたと思います。しかし,現状としては尖閣諸島の漁船の衝突の問題の時にも,日本の政治家の皆さんはビデオを公開するのしないということを,いろいろと何かよく分からない状態になっているうちに,一個人のある人がユーチューブに投稿するという形で,政治家ではなく,個人が個人の責任で行動するということになっています。
また,少し前の話になりますが,中国で日本人が死刑になったことがあったと思うんですけれども,その時に鳩山首相は中国に何も抗議をしていないと思います。ですので,本当に言うべきことを言うということは実際に行っていただきたいと思います。
男性
本日はありがとうございました。私は神戸と京都でロシア語を教えているものですが,最近,中国だけでなくて,中国とロシアの関係というか,その中での対日政策の形で,いろんな,尖閣の問題もそうですし,北方領土の問題もそうですし,お互いに連携したような形で対日政策をとっていると思うんですよね。その点について,例えば外務省であるとか日本政府の立場として,どのように認識されているのか非常に関心があります。中国とロシアは昔は共産圏でしたから,同盟関係もあると思うんですけど,今,ロシアはイデオロギーが無くなった形で再び同盟を組んでいるわけですけれども,彼らのイデロギー的な関係とかですね,政府はどういう風に認識されているのかお願いします。
男性
お話ありがとうございました。アオキカズノリと言います。大学生です。
日中関係について大臣はさきほど,経済的には相互依存関係が非常に強まっているとおっしゃられたのですけれども,中国の傾向としては経済の側面と安全保障や軍事の側面で違う顔を使い分けているっていうイメージがあるんですけれども,仮に日本が経済的に友好関係を結べたとしても,軍事面,安全保障の面で中国と和解というか,うまくやっていけるような時代は来るのでしょうか。日本外交の点から,その点について展望を教えていただきたいと思います。お願いします。
大臣
(1)ご質問ありがとうございました。
(2)まず,女性のノグチさんでしたか,ご質問いただきましたけれども,尖閣の問題については,いろいろご批判があるのは十二分に承知しております。ただ,皆様方の感覚と,我々政府というのは法律に則って手続きを行うということが課されているわけで,そのギャップは,この尖閣の問題ではあったなと,私は,特に国土交通大臣とまたいだ形で経験いたしましたので,感じております。あの事件が起きた9月7日というのは,私はまだ国土交通大臣でありました。海上保安庁を所管しておりまして,そして結果的に逮捕するということになったわけであります。それで,今おっしゃったビデオの公開なんですが,私今でも覚えていますけれども,私も早く公開したほうがいいと個人的には思っておりました。しかし,逮捕して,そして取り調べをして,そして検察に送検という形をとるわけですよね,検察送致という形をとるわけですが,検察に送るということが分かっている以上,送られた場合の証拠というものについて検察に話をしたところ,証拠物件として扱いたいので資料提供を要求されてですね,それについてやっぱり公開してもらいたくないという話がございました。そういった,ビデオ公開1つにしても,手続きの問題があってですね,なんで早く公開しなかったんだ,一目瞭然じゃないか,中国の漁船がぶつかってきたのはということをお伝えできなかったのはですね,歯がゆい思いはありますけれども,そういう手続きの問題が実はあったんだということはご理解をいただきたいという風に思っています。
いずれにしても,さきほどアオキさんですか,大学生の方からご質問いただきましたけれども,どこの国との外交でもですね,すべてうまくいくというのはなかなか難しいと思うんです。これは,同盟国であるアメリカでも同じだと思っています。ですから,すべてがうまく行っているとなんていうことはないんですね。例えば,私,オーストラリアのラッド外相という人とは,国会議員になった頃からの,向こうは総理になって今,外務大臣されていますけれども,国家議員になった後すぐぐらいに知り合ってですね,ファーストネームで呼び合うような仲ではありますけれども,彼が言うには日豪の関係は,鯨以外はいいよねという言い方をしますね。鯨は,なかなか調査捕鯨では,もう全然,立場が違って,かなり厳しくぶつかり合うと,こういうことでありますし,アメリカとの関係でも,先ほどTPPの話をしました。国会でもよく言われるので,なんでそういう発想になるのかなと思うんですが,アメリカから言われてTPPに入るという論調が反対論者を中心にありますけれども,私は5ヶ月あまり外務大臣をやらせていただいていて,アメリカが入れと言ったことは一度もありません。それどころか,日本が入ってきたらなんか妥協を強いて,中身が非常に雑なもの,あいまいなもの,レベルが低いものになるのではないかと心配をしているわけですね。つまり,通商関係も含めて,同盟国であるアメリカともなかなか,例えば牛肉の問題とか,様々な問題においてやはり懸案事項の課題というのはあります。中国との問題でも,経済は相互依存関係,しかし経済でも言うべきことは言っていかないとという問題は実はあるんですね。模造品の問題,つまりブランドが模造品で,その著作権,ロイヤリティを奪われる,犯されると,こういうものについてはしっかりとやっぱり言っていかないといけない。防衛の問題でも,やはり重大な関心を持っていますよ,懸念は持っていますよということは言いながらも,だた軍事交流をしっかりやっていって,この軍事交流というのは大事なんですね。お互いがどんな能力でいるのかというのかということを,交流していく中で知っていって,そして言ってみれば全く知らない疑心暗鬼から,お互いある程度知るという努力をしていくということが大事ではないかと思っております。そういう意味では,この間私モスクワに行った時に,ロシア側からむしろ歓迎されたのは,向こうの軍のアカデミーと防衛大学校の学生さんの交流,これは神戸大学の教授されていた五百旗頭先生という先生が,今,防衛大学校の学長をされていますけれども,五百旗頭先生から「前原さん,そういう話をちょっとつけてもらえないかなあ」という話がありまして,ロシア側が喜んでやりましょうということでした。そういう意味で,お互いを知り合うということをしっかりやっていくということが大事なことではないかと思います。
(3)ロシア語を教えておられるという方からのご質問がございました。中露が連携しているかどうかということについて,あまり私から明確にお答えすることが外交上私はいいと思いませんので,そこは明確にお答えすることは差し控えたい面もございます。客観的に言いますと,中露関係もいい部分と,先ほど話がありましたように,国と国との関係ですから,うまくいかない部分というのももちろんあるわけでありまして,外交の要諦は,その点をどう情報分析をして,我々が先ほど申し上げたような国益をどう最大化させていくための交渉を行っていくといったことが大事でありますので,あまり中露はべったりだと,だから,中露対日本というような対立構造で物事を見るのはいかがなものかと思います。日中間もうまくやれるところがあって。おもしろいですよ,具体名をいうと差し障りがありますけど,例えば,ある国と仲良くしますよね,そうすると,第三国が非常に関心を持って見てくるんですね。例えば,ある国とある国があんまりうまくいかなくなると,第三国が,喜ぶと言ったらおかしいですけども,そういう面も出てきて,お互い牽制し合って,関心を持ち合って非常に不思議な有機的な関係というのが外交関係かなという風に思っておりますので,あまり固定的に中露が一体というのではなくて,中露関係も私は微妙な問題も抱えているという中で,どう日本が,それを分かった上で,両国に対応していくということが大事ではないかと思っております。
女性
本日はありがとうございました。神戸市外国語大学で国際関係学を専攻している,オダマユと申します。日中関係についての,軍事問題の高まりについて,中国が軍事強化をしてきているという側面から,今,国会や政府内で憲法9条に対する議論はどのようになっているのかを質問させて頂きたいと思います。
男性
足が痛いので座って失礼します。前原さんの素顔を見て,私は日中関係で,大阪商工会議所で留学生委員長をやっておりました。その時に,中国人2800人が関西におるわけなんですよ。お世辞を言う訳じゃないけど,復旦大学を出た優秀な男たちが6名ほど集まって,私が主催していろんな話をしたんですが,中国人は,日本で留学している間に学んだことでも自分の国に帰ったら,日本の悪口を言うと。これを絶対改めて欲しいし,何がいいかと言うたら,日本人の心を知るため,また演芸会みたいなイベントをこしらえてくれということで,大阪商工会議所でイベントを開いたことがありました。その時,大阪ガスの会長をしていた大西正文さんが,偉い{前3文字ママ}激賞してくれまして,いいことをしてくれたということが過去にございますが,それでなくとも,中国人で,五百旗頭先生なんかもよく知っている,復旦大学を出たおもしろい中国人の男がおります。この者なんかを通して,大阪で仲良くするためにどうしたらよいかということで,日中友好の輪を広げるために,陰ながらいろんな,私の顔も上海人に似ているんですって,上海人に似ているんだったらみんな一緒じゃないかということで,仲良くするためにどうしたらいいかということでいろんな話をしたことがあります。過去の話です。
女性
こんにちは,今日はありがとうございました。70歳の年寄りです。1つだけお聞きしたいのですが,中国は北京オリンピックも開催し,日本のあれを抜いて世界第2位になった国ですが,いまだに戦争賠償金を払っているんでしょうか?それと,今,民主党がお金がないって困っているのに,3兆3千億円,これは79年以降ずっと経済援助をしてきたと思うんですが,それを今どれくらい下げて賠償しているんでしょうか?
大臣
(1)ご質問ありがとうございました。
(2)オダさんでしたか,ご質問いただきました。
ここにちょっと明るくて見えにくいかもしれませんが,先ほどお話しした中国の軍事費の伸びというものが書かれているわけであります。これについてはですね,懸念をしっかり表明するということが大事だという風に思います。で,やはり,こういう状況に合わせた日本の防衛力の整備や,あるいは日米安保というものになっていかざるを得ないということを,向こうにしっかり伝えるのも大事だと思うんですね。そうしないと,永遠の軍拡競争というものが行われることになりますよ,ということは,やっぱりしっかりと伝えていかなくてはいけないという風に思っております。まあ中国が伸ばしたんだから日本も軍事力を伸ばしてというような話がありますし,その関係の中で,憲法9条の見直しということについての議論をされる方もおられますけれども,私はですね,やはり,戦後に作られたこの専守防衛,日本の自衛ということ,これについてはしっかりやるけれども,9条の精神,戦争の放棄,こういったものについてはですね,今後も守っていくべきではないかという風に思っているところであります。
(3)それから,先ほど,大阪商工会議所で留学生委員長をされていたという方,大変実際的でおもしろい話をしていただきました。ちょっと今日とばしたんですけども,これがですね,実は,左側が彼らから見る留学者数の推移ということで,まあ右肩あがりで増えているんですが,問題なのはこの右下なんですね。日本から海外へ行く人の数が減ってきているということが,私は大変まずいと思ってます。これは増やしていったらいいと思うんです。そして,今回も,日米で3本柱,文化交流,JETプログラムというそのお互い教えあうプログラムがありますけれども,それをもっと拡大していこうということで,これを増やしていきたいという風に思っておりますけども,今度ですね,外務省から提案して,内閣の中に,日本から海外への留学生を増やすための,いわゆる閣僚委員会というものをつくります。恐らくは,ポイントは2つなんだろうと思うんですね。1つは,バブルの頃,経済成長率が高い時に増えて,バブルがはじけてから低迷して,もっと減り始めているということで,お父さんお母さんは,子供さんたちへの仕送りや支援で手いっぱいで,ましてや留学は難しい,というのが,一般的な日本のご家庭の家計状況ではないかと思っております。そういう意味では留学生を後押しするために,いわゆる奨学金制度。私も,中学から奨学金で大学まで出させていただきましたけれども,そういうですね,何かバックアップをするような仕組みを作るということがまず1つ。後はですね,海外に留学しても日本に帰ってから就職できないと,こういう方々が非常に多いわけです。今度作る閣僚委員会には,経団連と経済同友会にもオブザーバーで入っていただいて,財界にも協力いただこうと,こういう話をしているわけであります。こういう,やはり人的交流をする人たちが増えないと,今は皆さん方,我々の先輩方のストックによって,技術力も人的能力もあると,しかしこれから先分からないわけですね,これから先,劣化させないための努力をどうしていくかということが,将来の日本の国益を左右する大きなポイントになると思っておりまして。ぜひ,ご質問いただいた方,そういったノウハウをお持ちだということでありますので,今後もお手伝いいただいて,ぜひご協力いただければありがたいと思っております。
(4)それから,女性の方で,70歳ってお年寄りではないですよ。昔の60歳くらいじゃないですか,ですから還暦くらいと思いますけども。
戦後賠償はしていません。これは,1972年に日中国交正常化をして,そして1978年に日中平和友好条約を結びましたけれども,いわゆる戦争賠償の請求というものは放棄をしているということであります。中国側が放棄をしているということであります。ただ他方で,ご質問あったように,過去3兆円を超える対中ODA,中国に対するODAをやってきたというのも事実でございます。
しかし,今や中国は日本のGDPを抜きまして世界第2位。まあ人口は10倍ですので,1人あたりだとまだ日本の方が10倍上なんですが,それでも世界第2位の経済大国であるということを考えるとですね,対中ODAをこれからどう考えていくかというのは,やっぱり中身をしっかり見直していこうということ,額も見直していこうということを,私はこの職に就かせていただいた後に指示をしたところであります。ちなみに,現在の対中ODAというのは,円借款は終わりまして,約50億円くらいの技術協力などが中心になっていると。特にですね,環境面での協力というもので,50億円を使っているということでございまして,額にするとかなり減ってきてはおりますけれども,それでもですね,一般の方々からすると,日本のGDPを抜いた国に,なんで3位の国が2位に援助するんだという意見がございますし,今後どのようにこのODAというものを見直していくかということを今議論している最中でございますので,また固まれば国民の皆様方にお知らせをしたいという風に思っております。
男性
本日の講演,ありがとうございました。大学院で戦後日本外交を勉強しているオオツカです。前原大臣が最後の方で,日米安保が非常に大切だということをおっしゃっていたと思うんですが,日本がいかにマネジメントしていくかということについてもおっしゃっていたと思いますが,日米安保をこれからどのように運用していくべきかについてお考えをお聞きしたい。例えば,普天間基地の移転問題などもありますけど,実際,沖縄に在日米軍基地の70%以上が集中している現状であったりとか,騒音の問題等を含めて,今後,日米安保をどのように日本が運用していくべきかお考えを聞かせて下さい。
女性
いろいろお話をありがとうございました。講師をしているミズノです。観光と雇用について,お聞きしたい。観光は日本にとって将来大切な産業になると思うんですが,現在,中国,韓国からたくさん来られていると思うんですが,観光に関するガイドの方とか向こうから連れてこられた方で,日本に対して正確な文化とか知らない方がいい加減に日本について説明をして,日本のことを知らないまま帰って行くという話をよく聞きます。私も旅行が好きで,海外,ヨーロッパ等に行くが,向こうでは国の試験を通ったガイドの方が必ず雇われて,その国に対して正しい知識を教えている。ですから,観光に来た場合には,そういう人を雇って,その国を学んでいくということで,日本もそういう方向で,せっかく日本に来られたわけですから,国の資格を持った通訳ガイドを雇って,そういう方々に,日本を正しく理解して帰っていただけるようにしてほしい。
男性
こんにちは。神戸の大学で,外国語を専攻するモリシタゲンキです。難しい質問はできないが,実際に北方領土がロシアから返還される可能性はおよそどのくらいなのでしょう。
大臣
(1)極めてフランクな質問もございましたが,まず日米安保から。オオツカさんありがとうございました。日米安保というのは,ご承知だと思いますけれども,非対称的な双務制ということなんですね。つまりは,第5条が,日本が他国から攻撃をされれば,アメリカは自国が攻撃されたものとみなして日本に協力するという,アメリカ側の集団的自衛権が書かれている項目です。それに対して,第6条は,その当時の極東の,平和と安定のために施設区域を日本が提供する,ということです。何かがあった時にはアメリカは助けるが,アメリカに何かあっても日本は助ける必要はない,そこはまさに双務的ではないんですが,しかし,非対称的に施設区域は提供しますということで米軍基地があり,またホストネーション・サポートでの費用負担をしている,ということだと思います。今後の日米同盟のあり方というものを考えた時に,ベースは維持しながらも,より双務的な協力関係をどう強めていけるかということが大事なことではないかと思っているんです。ひいては,それがですね,基地負担の軽減,特に沖縄に集中している基地負担の軽減につながっていくだろうと思っております。例えば,沖縄には全国の米軍の施設区域の74%が集中しております。で,今これロードマップというもので辺野古に作らせていただいて,嘉手納以南の土地の返還を行い,海兵隊の8千人の要員,家族9千人,合計1万7千人をグアムに移して沖縄の負担軽減を行っていく,こういうことをやっているわけですけれども。そういう不断の,お互いが合意をする中でのrole and missionあるいは capability,つまり役割,任務,そして能力,こういうものの見直しを絶えずしながら,能力的なものはしっかりと維持し,高めながら,お互いの行動内容を変えていくことによって,施設区域等の負担軽減を行っていくことも大事なことだろうと思います。あるいは,負担軽減というのは,やっている中身は変わらないんですが,例えば,今,硫黄島でやっているNLPの訓練,第7艦隊のいわゆるジョージワシントンという空母の発着訓練,硫黄島でやっているが,しかしテンポラリーに厚木の町のど真ん中でやっている,そういうものは,早く違うところでやれるような,恒常的に,硫黄島ほど遠くない,しかし,厚木のような都市のど真ん中でもない,こういうところから恒常的にしっかり行えるところに移ることになれば,それだけ騒音,事故の危険性が低減し,非常に安全性が高まるものにもなっていくということで,常に,role and mission,capabilityというものをしっかり見直していくことが必要であると思う。それと同時に,何が共通の目標なのか,日米安保の共通の目標は何なのかということを絶えず見直していくことが大事であると思う。日本を取り巻く戦略環境,あるいはアジア太平洋地域を取り巻く戦略環境は刻々と変わるわけですね。変わる戦略目標をしっかりと常にお互いが意思疎通をちゃんとして見直していく中で,そして具体的な作戦行動にまで落としていくということで,そのことが日米同盟関係の精度を上げ,日米同盟関係の質を向上させ,そして即応能力を高めていく,ということになると思っておりまして,そういった方向性が私は必要ではないかと思っております。そうすれば,中身が充実をし,そして脆弱性というものは克服でき,そして日本の基地負担を軽減できる,そして新たな脅威に対する対応というものが,具体的に考えられる作戦行動にまで落ちてくるということになると,日本の安全保障,地域の安定というものに資するという形になって,それがひいては抑止力にもなっていくということだと思います。
(2)ミズノさん。ご質問ありがとうございました。おっしゃったことは全くそのとおりだと思います。非常に現実を良くご存じでご質問されたと思っております。
我々もガイドの方の通訳士という資格がございますけれども,レベルを上げていくことが大事という認識は持っていますが,先ほど申し上げたように,去年の海外からのお客さんのインバウンドが861万人であり,それを2500万,3000万人にしていこうとなると,雇用が増えるのはいいんです。けれども,外国語を習得していただいて,まさに水野さんがご指摘のように,日本の文化や,あるいは歴史的な背景を知った上で,外国人に外国語で伝える,という難しい能力を持った方々を増やしていかなければならない。では,それだけ増えてきますかということになると,なかなか難しい面もあると思います。そういった時には,やはり通訳士の方に準ずるものとか,あるいは海外からの留学生に日本語を勉強していただき,その方々を研修することによって,何らかのガイドを,例えば中国から来られた方であれば中国からの留学生に日本語を勉強してもらってサポートをしていただくような,そういうあらゆることをやっていかないと,目標が高いもんですから,急にそれだけの方々が育成できるかといった問題点が出てきますので,ただ,そういう方向でやっていきたいと思いますし,今,ミズノさんがおっしゃったように,やはりちゃんとした通訳士,というか案内士というものを作ることもきわめて大事なことではないかと思っております。あとは機械の普及ですね。皆様方も海外に行かれて有名な観光地に行かれたら,日本語対応の何かヘッドフォンとか媒体を借りられたことがあるかと思いますが,そういうものをいかに普及させていくのかということは大事だと思います。つまりは,自動的に,携帯とかそういったスマートフォンのような機器が案内してくれると,こういう仕組みをしっかり作ることも大事ではないかと思う。それについての取組は,今,国としてやられているところであります。
(3)モリシタさん。率直なご質問でありましたが,北方領土がロシアから返ってくる可能性はどのくらいなのかということでありますが,これは,返してもらわなければいけません。ですから,どれ位かかるのかという問題はありますが,100%返してもらうというところで努力をしていくことが基本だと私は思っているわけであります。歴史的に見てもですね,この北方四島は,ロシアが侵攻する以前は,他の国民が一切住んだことのない,まさに固有の領土なんですね。法的に見ても,これについては,まさに,国際法的に見ても,紛れのない日本の領土であります。日本の人口が減っていって,北方領土が返ってきたら誰が住むんだなどという議論もあります。余計お金がかかるのではないかという議論もありますが,主権の問題,領土の問題というのは,お金ではありません。1つの主権を疎かにすると,他の主権も大事にしない国なのだということを他の国に示すことになりますので,やはり歴史的にも,国際法的にも,日本の固有の領土である以上は100%返してもらうまで頑張る,ということが私は極めて大事ではないかと思っております。是非,お名前どおり,元気にサポートしていただければ有り難いなと思っております。
(副報道官)まだまだご質問ある方多くいらっしゃると思いますが,残念ながら時間となってしまいました。最後に前原大臣から一言お願いいたします。
3.結びの言葉
今日は,土曜日のお忙しい時間,また,おくつろぎになられる時間にもかかわりもせず,「大臣と語る」にご参加をいただきまして有り難うございました。まだまだ意見を言いたいというお気持ちを持たれている方も多いと思いますけれども,しかし,たくさんの方々のご意見をいただき,私も大変勇気づけられました。そういう意味では,こういった会をですね,外務省のみならず,様々な役所が国民との対話を通じて,より行政を身近にしていくことは大事だと思いますので,そういう意味では,いろんな形で国の政策を説明し,国民の皆様方からご意見をいただくという会をしっかりと作っていきたいと思うので,今後ともご指導をお願い申し上げまして,ご挨拶に代えさせていただきます。有り難うございました。