[文書名] 第66回国連総会 アフリカ・レセプション 玄葉外務大臣挨拶
御列席の皆様,
(冒頭)
日本の新しい外務大臣となりました玄葉でございます。
本日は,お忙しい中,お集まり頂き,ありがとうございます。
(東日本大震災とアフリカとの連帯)
3月11日に我が国を襲った未曾有の大震災に際し,アフリカ諸国から頂きました数多くの御見舞いや御支援に対し,私自身,被災地福島の出身として,心から感謝申し上げます。
我が国は,復興を実現して行くに当たり,アフリカとの連帯を大切にしていきます。我が国としては,1)開発支援と貿易投資の拡大,2)平和と安定への貢献,3)グローバルな課題への対応,の3つの柱に沿って,アフリカ外交を進めていきます。
(1)開発支援と貿易投資の拡大 − アフリカ開発会議(TICAD))
まず,我が国は,TICADプロセスを通じて,開発支援と貿易投資の拡大に取り組んで参ります。我が国は,対アフリカODA倍増や対アフリカ民間投資倍増支援をはじめとするTICAD IVの公約を実現するべく着実に実績を重ねています。本日一般討論演説で野田新総理から表明したとおり,2013年にTICAD Vをアフリカ諸国の首脳を招いて我が国で開催します。TICAD Vの成功に向けて,TICAD共催者やアフリカ諸国の皆様のご協力を賜りたく,よろしくお願い申し上げます。
(2)平和と安定への貢献)
第2に,我が国は,アフリカの平和と安定にも引き続き貢献します。
本年7月に独立を果たした南スーダン共和国の国造りを支援すべく,ODAを通じた貢献や我が国の得意分野を生かした国連PKOへの協力を進めるとともに,南北スーダン和平を支援していきます。また,「アフリカの角」地域の干ばつ対策やソマリア和平実現に向けた支援を進めていきます。さらに,「アラブの春」という変革のさなかにある中東・北アフリカ諸国の民主化の動きにも,手を差し伸べていきます。
(3)グローバルな課題への対応)
第3に,グローバルな課題への対応にあたっても,我が国はアフリカ諸国と協力していきます。
特に,国連安保理改革の早期実現は,日本とアフリカ諸国の一致した願いです。日本は,改革の早期実現に向けて,アフリカ諸国とともに取り組みます。
また,気候変動分野では,「アフリカンCOP」であるCOP17を控え,アフリカ諸国との連携を強化していきます。その一環として,アフリカでのグリーン成長実現に向け,「アフリカ低炭素成長・持続可能な開発戦略」をアフリカ諸国とともに策定します。
(結語)
アフリカの諺に「山と山は出会えないが,人と人は出会える」というものがあります。我が国とアフリカは地理的には遠く離れていますが,信頼という名の絆によって結ばれております。我が国とアフリカが,これからも連帯を深めながら,共に歩んでいくことを願っています。
それでは杯を上げたいと思います。皆様,御唱和願います。
乾杯!