[文書名] 国連持続可能な開発会議(リオ+20) 日本政府主催公式サイドイベント 玄葉外務大臣冒頭挨拶
我が国政府主催公式サイドイベントにようこそ。本サイドイベントのテーマは「我々が望む未来都市(Future Cities We Want)」です。まず本サイドイベントのプレゼンテーター,パネリスト,そして共催機関関係者の皆様に感謝を申し上げます。
昨日,私は,持続可能な開発に貢献するための新たな日本政府のイニシアティブ,「緑の未来」を発表しました。このイニシアティブの主要な柱の一つが,環境未来都市の世界への普及です。我々が本日のサイドイベントを企画した理由もまさにここにあります。
また,このイベントは,この3月に私が主催して福島で開催された,コミュニティ再生に焦点を当てた国際セミナーに立脚したものでもあります。
世界中で都市人口が急速に増加し続けていることから,私は,未来の都市は環境的に持続可能であるべきと考えます。
日本は,幾度も自然災害を克服し,その度に防災技術を進化させつつ,より強靱なコミュニティを構築してきました。昨年,未曾有の東日本大震災を経験し,新たな教訓を得ました。
我々は,その教訓を,技術とともに国際社会と共有していきたいと考えます。そのような貢献が,世界への我々の責任なのです。
昨日発表した「緑の未来」イニシアティブで,我が国は,途上国が環境・低炭素技術を導入するために今後3年間で30億ドル,総合的な災害対策を実施するために同じく今後3年間で30億ドルの支援を行うことを表明しました。また,我が国は,持続可能な都市づくりを推進するとの観点から,来年環境未来都市についての国際会議を開催するとともに,途上国から年間100名程度の都市開発関係者を招へいする考えです。
私はまた,環境未来都市は,人間中心であるべきと考えます。だからこそ,個人に密着し,個人のニーズを吸い上げることのできるコミュニティや地方自治体が果たす役割が重要です。現在,多くの地方自治体は,持続可能な都市を発展させようと先進的な取組を進めています。本日のサイドイベントを通じて,我々がそれらの経験を共有することを希望します。
この公式サイドイベントを通じ,地方自治体や各国政府,国際機関に加え,NGOや個々人が,持続可能で,人に根ざした都市づくりのための新たなネットワークに参画することを祈念します。それこそが,我々皆が望む未来都市なのです。
ご静聴ありがとうございました。