[文書名] 世界防災会議in東北 玄葉大臣による福島分科会挨拶
おはようございます。世界各国からお集まりをいただきました皆様を歓迎し,また感謝いたします。先ほどご紹介をいただきましたとおり,福島は自分の故郷でもあります。
昨日,「世界防災閣僚会議in東北」の全体会合を仙台で開始いたしました。あらゆるレベルで防災を考慮するという防災の主流化と強靭な社会の構築に向け,良い議論のスタートを切ることができたと考えています。
ここ福島は,三重苦の複合災害に見舞われました。原発事故,津波,地震であります。原発については,昨日も申し上げたとおり,12月にここ福島でIAEAと共に原子力安全に関する閣僚級の国際会議を開催し,しっかりと議論したいと考えています。
このような複合災害に加え,新たな災害リスク,例えば産業高度化,温暖化により生じています。サイクロンやハリケーンも激甚化しています。アフリカの干ばつも深刻な問題です。これまでになかった規模の災害が世界中で起きています。新たな災害リスクにどう対処し,防災の総合力を高めて行くのか,この福島の地で,皆様のご協力を得て,議論を深めてまいりたいと思います。
この場には,佐藤福島県知事,瀬戸福島市長,福島が地元の金子議員,地元の皆様の参加を頂いています。この会議の前には,富士通の工場の視察も行っていただいたと承知します。それぞれの方々が,この福島の復興のため,一丸となって尽力されていることに,この場をお借りして,心から敬意を表させていただきます。
ここ福島は人類史上ない出来事に見舞われました。私の尊敬する政治家の一人は石橋湛山ですが,石橋湛山は,戦後の焼け野原の日本,打ちひしがれる国民に対し,「更生日本の門出 前途は洋々たり」という言葉をメッセージとして伝えました。ピンチをチャンスに変える「逆転現象」を起こす,そういう考えで,福島を世界最先端の再生エネルギー・センター,医療基地,あるいは放射線研究機関の基地とする。そういう気概をもって,福島の人はこの試練を乗り越えようとしている。こういう気概を世界各国の参加者の皆様に,ぜひ肌で感じていただきたいと思います。
深刻な事故に対し,福島だけでなく,世界の英知を福島に投入し,お互いの知見をもって,議論を深めていただきたいと思います。以上をもって,私からの歓迎,お願い,感謝の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。