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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「平成25年北方領土返還要求」大会における岸田外務大臣挨拶(鈴木外務副大臣代読)

[場所] 
[年月日] 2013年2月7日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 本日お集まりの皆様には,日頃から北方領土問題の解決に向け様々な活動に御尽力いただいており,心から感謝申し上げます。

 例年,この大会の重要性に鑑み,本来であれば外務大臣が出席させていただいており,本年も私が出席させていただくつもりでしたが,例年よりも会場が国会から離れたため,国会審議との関係でそれがかなわず,鈴木副大臣に私の挨拶を託すことにいたしました。御理解を願いたいと存じます。

 北方領土問題は日露間の最大の懸案事項です。元島民の皆様の高齢化が進み,戦後67年が経過した現在もなおこの問題が未解決であることは大変遺憾であります。私は,以前沖縄及び北方対策大臣も務め,元島民や関係者の皆様から北方領土に対する切実な思いや様々な御意見をお聞きしてきましたが,何とか我々の世代でこの問題を解決したいとの強い思いを持っております。

 昨年の12月28日,安倍総理とプーチン大統領が電話で首脳会談を行いました。安倍総理から,北方領土問題の最終的解決に向け,プーチン大統領と共に双方受入れ可能な解決策を見い出すべく努力したい旨述べられ,プーチン大統領からは,平和条約に関する作業をより活発化するよう両国の外務省に指示を出す必要がある旨の発言がありました。

 もとより交渉の行方を楽観視することはできませんが,このような両国首脳の意思を踏まえ,私は,日露関係全体の発展を図りながら,北方四島の帰属の問題を解決し,ロシアとの平和条約を締結するよう,交渉に真剣に取り組む決意です。

 政府がロシアとの交渉を強力に進めていく上で,北方領土返還要求が日本国民の総意であることを明確に示し続けることが重要です。北方領土返還の実現に向け,引き続き国民の皆様の御支援と御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げ,私からの挨拶とさせていただきます。