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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」第一回会合開会レセプションにおける大臣の冒頭スピーチ

[場所] 
[年月日] 2013年2月13日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 「パレスチナ開発のための東アジア協力会合」,略して「CEAPADシーパッド」の第一回会合へのご出席を歓迎します。

 我が国は,中東・北アフリカ地域の安定が,アジアを含む国際社会の安定に不可欠と認識しています。しかし,所謂「アラブの春」以降,一部の国では政情が不安定化しており,先月にはアルジェリアで日本人を含む多くの無辜の人々が犠牲となるテロ事件も発生しました。

 こうした情勢の中,アラブ・イスラエル問題の解決は地域の安定にとって,更なる重要性を帯びています。中東和平の実現なくして国際社会全体の安定はないと言っても過言ではありません。かかる認識の下,日本は「二国家解決」を目指して,和平に向けた取組やパレスチナの国家建設努力を後押しして参りました。

 CEAPADは,東アジア諸国の発展の経験,国際援助の知見,経済力を融合させ,パレスチナの経済・社会発展を支援する歴史的な試みです。日本は最近のパレスチナ経済の悪化を憂慮しており,今後,東アジア諸国と協力して支援を強化していく考えです。また,和平交渉が行き詰まる中,パレスチナとイスラエルが国際社会の声に耳を傾け,「二国家解決」を通じた和平実現に向けて前進し始めることを願ってやみません。

 それでは,本会合が中東和平の実現に貢献し,また東アジア諸国の協力関係の強化に資することを祈念しまして,乾杯の音頭を取らせて頂きます。乾杯。

 ありがとうございました。

 (了)