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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第8回日豪会議 岸田外務大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 2013年3月1日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 エディントン共同議長,三村共同議長,マールス外務政務次官,ご列席の皆様,

 本日は,日豪各界の著名かつ博識な皆様の参加を得た第8回日豪会議が開催され,心よりお喜び申し上げます。

 日豪関係は,長年に亘る経済関係と人的交流を経て,現在では,安全保障分野での協力を含む包括的な「戦略的パートナーシップ」へと発展しました。

 また,アジア太平洋地域の戦略的環境が変化する中,基本的価値を共有し,共に米国の同盟国である両国が,地域の平和と繁栄に貢献する重要性はますます高まっています。このような観点から,私は,就任直後に,最初の外国訪問先の一つとしてオーストラリアを訪問し,有意義な意見交換を行いました。

 日豪両国は,グローバルな課題でも緊密に協力しています。例えば,本日ご出席の川口元外務大臣がエヴァンス元外務大臣と共同議長を務められた「核軍縮・核不拡散国際委員会」は,日豪が主導する軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)へと受け継がれています。2014年には広島でNPDIの外相会合を開催予定です。私は,広島出身者として,強い関心と決意で取り組んでいきます。

 我が国は,オーストラリアをはじめとする各国との間で,青少年交流事業「JENESYS(ジェネシス)2.0」を実施していきます。オーストラリア政府が昨年10月に発表した「アジアの

 世紀におけるオーストラリア」白書は,日本語教育,学校間交流,観光等に焦点を当てており,今後協力して,両国間の人的交流を更に深めていきたいと考えます。

 最後に,一つお国自慢をしたいと思います。日本最大の生産量を誇る広島県産の牡蠣(Pacific Oyster)は,世界最高峰との高い評価を得ているタスマニアの牡蠣のルーツともなっています。これは,海洋を通じた日豪の繋がりと協力がもたらす素晴らしい成果の最善の一例です。とりわけ,広島産の牡蠣とオーストラリアワインとの「マリアージュ」は,日豪関係と同じく,最強の組み合わせと考えます。

 日豪関係は,更なる発展へ向けて新たな一歩を踏み出しています。本日の日豪会議が,今後の新しい日豪協力に繋がっていくことを期待して,私の挨拶とさせて頂きます。

 ご静聴ありがとうございました。