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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「平成26年北方領土返還要求」大会における岸田外務大臣挨拶

[場所] 石原外務大臣政務官代読
[年月日] 2014年2月7日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

 本日お集まりの皆様におかれては,日頃から北方領土問題の解決に向けた環境整備のため,様々な活動に御尽力・御協力いただき,深く感謝申し上げます。

 例年,この大会の重要性に鑑み,外務大臣が出席させていただいており,本来であれば私が出席させていただくつもりでおりましたが,外交日程が入り,それがかなわず,石原政務官に私の挨拶を託すことにいたしました。ご理解願いたいと存じます。

 北方領土問題は日露間の最大の懸案事項です。昨年4月末にロシアを公式訪問した安倍総理は,プーチン大統領との間で,戦後67年を経て日露間で平和条約が締結されていない状態は異常であるとの認識を確認しました。その上で,両首脳は,双方に受入可能な解決策を作成する交渉を加速化させるとの指示を両国外務省に共同で与えることに合意し,交渉を再スタートしました。

 その後,日露間では着実に対話を進めています。昨年11月,私は訪日したラヴロフ外相との間で外相会談を行い,初の日露外務・防衛閣僚協議,いわゆる「2+2」も開催しました。直近では1月31日に日露次官級協議が行われ,平和条約締結問題に関し,歴史的側面,法的側面を含め,全般的に率直な議論が行われました。2月1日にはミュンヘン安全保障会議の機会に,私がラヴロフ外相と会談を行い,今年もハイレベルの政治対話を活発に行っていくことで一致しました。明8日,安倍総理はソチにおいてプーチン大統領と会談を行う予定です。また,私は今春ロシアを訪問すべく調整しているところです。

 今後とも,日露関係全体の発展を図りながら,北方四島の帰属の問題を解決し,ロシアとの平和条約を締結するよう,腰を据えて交渉に取り組む決意です。

 引き続き,北方領土問題の解決に向け力強い御支援と御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げ,私からの挨拶とさせていただきます。