[文書名] 世界人道サミット北・南東アジア地域準備会合 岸田外務大臣ステートメント
エイモス人道問題担当国連事務次長,
ハッサン・インドネシア外務省多国間総局長,
御列席の皆様,
【人道支援を取り巻く環境の変化】
今年は,日本にとりODA60周年の年にあたります。記念の年に,世界人道サミット地域準備会合を東京で開催できることを大変光栄に思います。
【日本の貢献及び経験】
日本は,人間の安全保障の理念の下,人道支援に積極的に取り組んで参りました。例えば,昨年のフィリピン台風ハイヤンに際し,過去最大規模の国際緊急援助隊を速やかに派遣したほか,緊急援助物資の供与や国際機関,NGOを通じた支援を実施しました。現在は,復興フェーズの支援を行っています。
また,日本は東日本大震災から多くのことを学びました。避難所に授乳や着替えをするための場所がなく,女性の避難生活に支障をきたすことがありました。また,高齢者だけの世帯や母子・父子家庭,障がい者の方など,異なる多様なニーズへの対応が課題となりました。このような経験を踏まえ,日本は,災害に強い社会づくりと,女性の参画の確保を重視しており,諸外国への支援においても配慮に努めております。来年3月,仙台市で開催される第3回国連防災世界会議や世界人道サミットを含む各種プロセスにジェンダーの視点を盛り込むとともに,防災の主流化に取り組みます。
【アジア地域における取組】
アジアでは,災害対応を含む地域協力の枠組が重層的に発展してきています。日本は,各国の防災関係者への研修,AHAセンター(ASEAN防災・人道支援調整センター)への支援,コミュニティの防災能力強化のための技術協力などを進めております。
【2016年の世界人道サミットに向けて】
2016年の世界人道サミットの成功に向けて,この地域から有意義なインプットができるよう,皆様の様々な立場や視点に立った活発な議論が交わされることを期待しております。
ありがとうございました。