[文書名] 「緊急事態下におけるジェンダー暴力からの保護に関する行動要請」会合における岸田外務大臣ステートメント
ケリー国務長官,
バングーラ特別代表
ご列席の皆様,
ケリー国務長官のリーダーシップを歓迎いたします。我が国は,当初からこの「行動要請」イニシアチブを積極的に支持し,国家行動計画の策定を含め,我が国のコミットメントを,着実に履行しているところです。
安倍総理は,昨年9月の国連総会において,「女性が輝く社会」の実現に向け,国際社会との協力を強化していく決意を表明しました。
その具体化のため,先日,日本の,そして海外の指導的役割を果たす方々約100名を東京に招き,「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」WAW! Tokyo 2014を開催しました。ここにおられるバングーラ特別代表,ラッセル女性問題担当大使にもご出席いただき,感謝申し上げますとともに,間をおかずお目にかかることができ嬉しく思います。人間の安全保障とジェンダーや,紛争予防や平和構築における女性の果たす役割につき,活発な意見交換が行われました。私は WAW! Tokyo ハイレベルラウンドテーブルの議長を務め,議論の中で出た意見をとりまとめ,平和構築において被害者を中心に据えた支援を提供し,そのために女性をエンパワーし,支援することを確実にするためのメカニズムを創設することや,災害や危機的状況において,包括的で効果的な政策やメカニズムを確実に実施する等の提言 WAW! To Doを発出しました。これを世界への貢献として発信していきたいと思います。
皆さん,
紛争予防や平和構築だけではありません。我が国は,東日本大震災の教訓から,緊急時に特に脆弱な立場に置かれやすい女性や高齢者等に特に配慮した経験を踏まえ,国連では「自然災害とジェンダー」決議を2度提出した他,7月に東京にてOCHA等と世界人道サミット地域準備会合を主催しました。そして,来年3月には仙台にて第3回国連防災世界会議を主催します。各国・各国際機関からできるかぎりハイレベルの出席を得て,会議を成功させたいと思います。
国際社会が協力して行う努力は重要です。紛争下の性的暴力の防止に関しては,英国が主導して PSVI サミットが本年6月に開かれました。私自身このイニシアチブを強く支持しています。我が国は,ケリー国務長官のイニシアチブ,国連や国際社会と共に,ジェンダー暴力からの保護に取り組んで参ります。