データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 第4回平等な未来のパートナーシップ(ハイレベル)会合における岸田外務大臣発言

[場所] ニューヨーク
[年月日] 2014年9月22日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

質問1:「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」が今月開催されたと聞いているが,どのような成果があったとお考えか伺いたい。

・安倍総理のイニシアチブの下,日本政府は,9月12日〜14日,「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム;WAW! Tokyo 2014」を東京で開催。ラガルドIMF専務理事,ムランボ=ヌクカ UN Women 事務局長,ブレア元英国首相夫人をはじめ,24カ国,6国際機関及び我が国の女性分野で活躍するリーダー約100名が参加。女性の活躍推進のための包括的な議論を行い,私自身が議長としてWAW!の議論の中で出た意見をとりまとめ,12の提言「WAW! To Do」を発出しました。

・その中には,経営トップのコミットメント,長時間労働と決別する異次元の働き方への変革,ホーム・ケアの活用などといった,経済における女性の活躍推進策や災害や危機への対処,平和と安全における女性の役割強化などのグローバルな課題への対策が提言されています。

・私は,この12の提案「WAW!To Do」を,「女性が輝く社会」を作っていくため日本から世界に発信していきたい。

・WAW!は来年も開催します。この「平等な未来パートナーシップ」会合で,また皆さんとともに,成果を共有できることを楽しみにしています。

質問2:大臣は昨年3つのコミットメント(注)をされているが,どのような進捗や課題があったか教えて頂きたい。

・まだ道のりは遠いですが,この1年で飛躍的に進んでいます。

・我が国は,2020年までに,女性が指導的地位に占める割合を30%とする目標を掲げています。「WAW!To Do」提案にもありますが,トップのコミットメントが重要です。

・9月3日に内閣改造が行われましたが,過去最多である5人の女性官僚が任命され,これにより,我が国の女性閣僚の人数は,OECD加盟国中29位から11位に躍進しました。また,総理自ら経済界に女性役員の登用について要請した結果,この1年で民間企業の管理職比率は6.9%から7.5%に増加しました。

・また,労働市場においても,様々な取組みの結果,我が国の働く女性は,この1年間で53万人も増えました。

・女性の輝く社会づくりを進めるためには,男性自身が変わることも重要です。本年5月には,日本の名だたる企業の男性トップが「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」を結成するなど,うれしい変化も見られています。私も男性リーダーの一人として,引き続き女性活躍促進のために汗をかいていくつもりです。