[文書名] 経団連定時総会における岸田外務大臣挨拶
本日はお招きをいただき,ありがとうございます。
外務大臣に就任してから,約3年半が経ちます。この間,日本経済の再生,発展に貢献するべく,経済外交を「日本外交の三本柱」の一つに位置づけ,全力で取り組んでまいりました。
日本企業の皆様が海外で積極的なビジネス活動を安全に行っていただくためにも,私自身,これまで延べ73の国と地域を訪問し,各国との良好な外交関係の維持・発展に努めてきました。最近では,ゴールデン・ウィークに外務大臣として約4年半ぶりの2国間訪問として中国を訪問し,また,新政権が発足したミャンマー,ラオス,ベトナムの東南アジア3か国とタイを訪問しました。
日本にとって好ましい国際的な経済環境を作っていくため,経済連携協定,投資協定,租税条約,社保協定などを力強く推進していきます。特に,TPP協定の早期発効,さらに参加国・地域の拡大に向けて,我が国は率先して取り組んでいきます。また,日EU・EPA,RCEP,日中韓FTA等の他の経済連携交渉も精力的に進めていきます。EUとの EPAについては,先週のG7伊勢志摩サミットの際に本年のできる限り早期の大筋合意を目指すことを改めて確認したところです。また,投資協定は,2020年までに100の国・地域と署名・発効を目指すとの目標を新たに掲げました。
開発協力については開発協力大綱に基づき,ODAを一層戦略的に活用し,インフラ整備や人材育成を行っていきます。経団連からいただいた提言書も踏まえ,「官民連携の強化」によるオールジャパンの取組を推進していきます。また,インフラ分野については,先月,今後5年間で世界全体のインフラ分野に対して約2000億ドルの資金を供給するという「質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ」を政府として発表しました。外務省としても,一連の制度改善を通じて,企業の皆様にとって魅力ある取組を一層進めたいと考えています。
本年8月には,初のアフリカでの開催となる第六回アフリカ開発会議(TICAD VI)をケニアで開催します。TICAD VIでは,経団連の皆様にもご出席賜り,官民一体となってアフリカの開発を力強く後押ししたいと考えています。TICAD VIの成功に向けて,引き続きご協力をお願いいたします。
外務省としては,引き続き,皆様と連携しながら「オールジャパン」で最大限の成果を上げるべく取り組んで参ります。皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。