[文書名] 平和構築基金(PBF)プレッジング会合における岸田外務大臣スピーチ
議長,潘国連事務総長,ご列席の皆様
日本は,本会合の共催国及び平和構築支援オフィス(PBSO)による国連平和構築基金(PBF)の財政的課題に取り組むためのイニシアティブを高く評価します。
紛争後の国家は,深く傷ついています。これらの国々が,未来に向けての歩みを開始し,社会形成・人造りの取り組みを開始し平和構築に取り組む際には,各国のオーナーシップに加えて,国際社会の継続的な支援が必要です。我々は,アジアやアフリカ諸国に平和構築の取り組みの成功例を多く有しております。紛争の終結後の社会においては,和解・再統合,制度構築,人材育成等の多くの課題が存在しており,これらの課題への各国の取り組みを支援するPBFの重要性は強調しても強調しすぎることはありません。
日本は,このような考えに基づき,2006年のPBF設立以降,4,600万米ドル拠出して参りました。
7月の安保理公開討論の際にも述べましたが,日本のアフリカにおける平和構築活動には4つ優先分野があります。つまり,①アフリカの多様性,特性及び伝統的制度を尊重した形での制度構築,②制度を実際に機能させる「人」造りの支援,③「信頼」の構築並びに④平和構築に「革新」を用いることです。
とりわけ,産官学との連携のような革新的アプローチの重要性を強調いたします。様々なセクターからの資金提供の可能性を検討することができれば,PBFの資金供給の安定化にもつながり得ると考えます。
PBFがドナー国のみならず,官民の組織から支援を得るためには,各国で実施されているPBFの資金を広報することも重要です。PBFの成功ストーリーを広めていくことが拠出の増加にもつながると考えます。議長「平和」という言葉は,日本及び日本国民にとって特別な意味を持つ言葉です。日本自身,平和国家としての根幹を維持しながら,「積極的平和主義」を具体的に実践すべく,「平和安全法制」を制定し,PKOを含む安全保障分野での一層の貢献を可能としました。日本にとって,PBFへのコミットメントは今後も不変であることを再度ここに述べます。このコミットメントを再度確認するため,日本は,当面1000万ドル規模の拠出を目指します。最後に,各国からの貢献も促し,私の発言を終わりたいと思います。
ありがとうございました。