[文書名] 「平成29年北方領土返還要求全国大会」岸田外務大臣挨拶
本日お越しの皆様におかれては,日頃から北方四島の返還に向けた環境整備,国民世論の啓発と結集のため,様々な活動に御尽力いただき,心から感謝申し上げます。
昨年12月に山口で行われた日露首脳会談の結果,四島で共同経済活動を行うための「特別な制度」に関する協議の開始で合意し,また,元島民の方々の墓参の手続を改善することで一致しました。そして,平和条約問題を解決する両首脳自身の真摯な決意が表明され,平和条約の締結に向けた重要な一歩となったと考えております。
首脳会談の成果を具体化するため,私の指示で,2月1日には,秋葉外務審議官をロシアに派遣し,日露次官級協議を行いました。また,共同経済活動をスピード感を持って実現していくために,本日午後には,私自身が座長を務める関係省庁の検討会議をスタートさせる予定です。
また,私は,ラヴロフ外務大臣との会談を積み重ね,平和条約締結交渉を前進させていく考えです。
北方領土は我が国固有の領土です。日本政府として,北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針の下,「新しいアプローチ」に基づきロシアと交渉する上で,これまでも,そしてこれからも,元島民の方々のお気持ちを胸に刻んで取り組んでまいります。皆様が高齢となられている現実を踏まえ,一日も早く解決する必要があるとの思いを強くしています。
政府がロシアとの交渉を今後とも強力に進めていく上で,北方領土返還要求が日本国民の総意であることを明確に示し続けることが重要です。北方領土返還の実現に向け,引き続き力強い御支援と御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げ,私からの挨拶とさせていただきます。