[文書名] 「平成30年北方領土返還要求全国大会」河野外務大臣挨拶
本日お越しの皆様におかれては,日頃から北方四島の返還に向けた環境整備,国民世論の啓発と結集のため,様々な活動に御尽力いただき,心から感謝申し上げます。
私にとって,ロシアとの平和条約締結は,日本政府の全権代表の一人として日ソ共同宣言に署名した祖父・一郎の世代から引き継いだ最も重要な外交課題の一つでございます。この課題の解決のためには,首脳レベルに加え,外相レベルでも緊密に対話を重ねることが必要であると思っております。私自身も,昨年8月の外務大臣就任以来,ラヴロフ・ロシア外務大臣と3回会談を行いました。
昨年11月にラヴロフ大臣との間で行った日露外相会談では,北方四島における共同経済活動につき,日露双方の法的立場を害さない形で,プロジェクト候補の具体化に向けた作業を加速させることで一致しました。また,北方四島への航空機墓参や追加的な出入域地点の設置を含む改善策の継続的な実施に向け,ラヴロフ外相に働きかけを行いました。こうした取組により両国の信頼関係を深めることが,平和条約の締結につながるとの共通認識の下,引き続きしっかりと対話を積み重ねていく考えです。
北方領土は我が国固有の領土です。日本政府として,北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針の下,これからも,北方四島をふるさととする方々のお気持ちを胸に刻んでロシアとの交渉に取り組んでまいります。皆様が高齢となられている現実を踏まえ,一日も早く解決する必要があるとの思いを強くしています。
政府がロシアとの交渉を今後とも強力に進めていく上で,北方四島にかける日本国民の想いを明確に示し続けることが重要です。北方領土問題の解決に向け,引き続き力強い御支援と御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げ,私からの挨拶とさせていただきます。
平成30年2月7日 外務大臣 河野太郎