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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「第12回(大臣主催第3回)気候変動に関する有識者会合」河野外務大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 2018年4月19日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文]

●有識者の皆様におかれては,1月の会合立ち上げ以降,時間をたびたびいただいて精力的に議論を重ねて頂き,気候変動全般に関する提言をまとめていただけたことに感謝申し上げます。

●2月にご提出いただいたエネルギーに関する提言では,日本のエネルギーに関する今後の計画をどうするかという点において大きな波紋を呼んだと認識しています。

●日本政府として,気候変動外交にしっかり取り組んでいかねばならないと考えております。こうした中,気候変動に関する提言をいただけることをありがたく思います。

●気候変動問題は,外交問題の中でも重要な課題です。例えば近々,太平洋・島サミットが開催されますが,気候変動問題は島嶼国の存亡に関わる課題です。そして気候変動問題は,単に環境の問題にとどまらず,経済・社会開発,さらには安全保障といった幅広い分野に影響を及ぼします。

●このような背景から気候変動分野における外交も大きなテーマであり,その気候変動外交においていかにリーダーシップを日本が発揮していけるかが今後の日本外交にとって大きなテーマであると考えています。そうした中で,皆様から我が国が気候変動外交をより積極的に展開するための具体的なアイデアを頂けたことを有り難く思います。

●外交当局の責任者として,今後日本が気候変動外交をより積極的に進めていく上でも,皆様の提言をしっかりと受け止め,力を尽くすことをお約束します。具体的には,グローバルな気候変動問題に取り組むためのオール外務省としての体制を作るとともに,積極的な発信も行いながら,日本が気候変動外交で先頭に立っていかないといけないと考えます。また,産業界をはじめとするステークホルダーと連携し,気候変動対策に関する国際的な努力を後押しするための具体的な支援を行っていきます。パリ協定には2℃目標及び1.5℃の努力目標が掲げられていますが,この目標に向けて取り組むことは気候変動対策の点のみならず,日本の経済成長と発展を実現する重要な機会を提供するものであるとも考えないといけないと思います。

●今日,こうして有識者の方々には気候変動に関する提言をいただきましたが,ここで一段落することなく,ここからが本番と捉えていただき,引き続き様々な局面において連携させて頂くとともに,さらに助言や支援をお願いしたく,よろしくお願い申し上げます。