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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 武器貿易条約第4回締約国会議における河野外務大臣のステートメント

[場所] 
[年月日] 2018年8月20日
[出典] 外務省
[備考] 仮訳
[全文]

議長,

御列席の皆様,

 日本政府として,皆様を歓迎するとともに,武器貿易条約(ATT)第4回締約国会議(CSP4)への出席のために東京まで遙々お越しいただいたことに感謝いたします。また,市民社会,学術界,産業界を含む関係者による,日本に対する御協力と御支援に心から感謝の意を表したいと思います。

 通常兵器の無秩序ないし不法な取引は,人間の悲惨な苦しみ及び地域の不安定を引き起こし,これが社会的・経済的発展を損なってきました。日本は通常兵器に関する規範作りのプロセスに精力的に携わってきました。ATTはかかる努力を代表するものであり,疑いなくその象徴的な実績です。

 この条約は,小型武器を含む通常兵器に関する国際貿易の適切な管理と不正流用の防止を通じて,地域と国際の平和と安全を増進させることを目指しています。そのような目的を与えられたATTは,条約の更なる普遍化と効果的な履行という二つの差し迫った課題に現在直面しています。

 日本はアジアで初の議長国として,ATT事務局,普遍化に関する作業部会の共同議長であるフィンランド,その他同志国と協力しつつ,積極的にATTの普遍化を積極的に追求してきました。締約国・地域数が昨年の第3回締約国会議の開催時点からアジアの一か国を含めて5増加したことを歓迎します。締約国・地域数を今後も増加させるため,ATTの価値と役割を増進させるべく我々は協働しなければなりません。

 条約の着実かつ効果的な履行のため,日本は2つの作業文書を提出しました。この提案がCSP4の成果として然るべく反映されることを期待いたします。

 本年3月,条約の効率的かつ透明性の高い履行を促進するため,日本はATTの任意信託基金(VTF)に財政的な貢献を行いました。

 また,日本はこれまで,支援を必要とする国々への能力強化を行ってきました。

 効果的な条約履行のため,我々は国連軍備登録制度(UNROCA)における報告や国連小型武器行動計画(UNPOA)との協働が必要です。UNPOAとATTのいずれにおいても,多くの関係者に影響を与える流用について議論が行われてきました。今回の会議において予定されている,流用に関するテーマ別討論が,この問題の効果的な緩和と対策に貢献することを期待します。

 UNPOA第3回履行検討会議とCSP4の準備プロセスにおいて,ATTと持続可能な開発目標(SDGs)の間の密接な関係について,活発で実りのある議論が行われました。我々は,ATTの履行がSDGsの実現を促進すると確信します。

 最後になりましたが,市民社会,NGO,産業界及び他の様々な関係者によるATTへの貢献に改めて感謝いたします。

 出席者の皆様の東京における素晴らしい議論を期待いたします。有り難うございました。