[文書名] パンデミックへの予防・備え・対応(PPR)に関するハイレベル会合における上川外務大臣ステートメント
議長、御列席の皆様、
新型コロナ感染症のパンデミックは、前例のない影響を与え、各国のパンデミックへの予防、備え、対応次第で違いを生むことが明らかになったのです。この教訓を活かし、国際社会は手を携えて協力し、また切迫感をもって、国際保健の体制を発展させ、途上国を含む全世界のPPRを強化しなければなりません。
日本は、G7の議長国として、PPR強化に向けて大きな貢献をしてきました。
広島において、G7は、国際保健のガバナンスの向上に向けたコミットを新たにしました。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成を視野に、首脳級ガバナンスを含む政治的モメンタムを強化することが重要です。日本は、引き続き関連する議論を主導していきます。
国際的な規範・規則の強化、特に保健システムの強化こそが不可欠です。これは、データの迅速な共有及び集約のためのサーベイランスや検査能力を含みます。次のパンデミックに向けて、日本は「パンデミック条約」及び国際保健規則改正の交渉に貢献します。
新型コロナは、世界全体でワクチン等の感染症危機対応医薬品等(MCM)への公平なアクセスを確保する重要性に光を当てました。日本は、広島サミットにおいて立ち上げた「MCMに関するデリバリー・パートナーシップ」を推進しています。UHCとPPRのために、G7は官民合わせ480億ドル以上の資金拠出を強調し、日本は75億ドル規模の資金貢献を表明しました。日本はすべての関係者とともに、財保連携強化やパンデミック基金の効果的な運用、保健分野の危機時の迅速かつ効率的な資金供給メカニズム等の資金面の取組を一層推進していきます。
次の保健分野の緊急事態は、いつでもどこでも起こり得ます。日本は皆様と緊密に協働しながら引き続き取り組んで参ります。御静聴ありがとうございました。