データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 韓国「国慶の日」及び「国軍の日」レセプションにおける上川外務大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 2023年10月3日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 尹徳敏(ユン・ドクミン)大使閣下、御列席の皆様、外務大臣の上川陽子です。日本政府を代表しまして、本日のレセプションの開催を心からお祝い申し上げます。

 秋晴れが続く気持ちの良い季節に、皆様と共に韓国の特別な日をお祝いできることを嬉しく思います。私自身、若手の頃に日韓議連に所属し、韓国の議員の皆様と積極的に交流していたこともあり、外務大臣としてこの場で挨拶させていただくことに特別な縁を感じます。

 先日の国連総会では、朴振(パク・チン)外交部長官と大局的な観点から有意義な会談を行うことができました。朴長官とは以前、地元静岡で朝鮮通信使のイベントで御一緒したことがあり、こうした昔からのご縁も大切にしながら、共に日韓関係の発展にしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 韓国は、国際社会における様々な課題への対応にパートナーとして協力していくべき重要な隣国です。現下の戦略環境に鑑み、日韓・日韓米協力の進展が今以上に重要な時はありません。

 本年3月以降、日韓間では実に6回もの首脳会談が行われ、「シャトル外交」が復活するなど、関係改善は軌道に乗りました。私自身、今後の訪韓の機会を楽しみにしております。

政府間のみならず、日韓の企業や企業人のつながりには、長い歴史があります。観光客数も、本年、大きく伸びています。韓国からの訪日客数は上半期だけで313万人、日本からの訪韓客数は86万人。人と人との交流が、二国間関係を支える基盤となり、両国の絆を強める、私はこう信じております。

 両国の未来を担う若者世代が、今や自然にお互いの文化に触れながら、より広い世界を舞台に、共にグローバルな課題について議論し、切磋琢磨する。そんな場面を、私自身、つい半年前に関わった国際会議で目のあたりにしました。このような新たな世代の登場は大変たのもしく、将来が楽しみです。

 結びに、本日のレセプションが新たな出会いと交流の場となり、その御縁が、未来の日韓関係を形作る大きな礎となっていくよう、心より願っております。日韓関係の更なる発展と関係者の皆様の益々のご健勝を祈念して、私の挨拶とさせていただきます。