データベース『世界と日本』(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 「第63回海外日系人大会」参加者歓迎レセプションにおける上川外務大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 2023年10月16日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

皆様、こんばんは!

Good evening!

¡Buenas noches!(ブエナス・ノーチェス!)

Boa noite!(ボア・ノイチ!)先月、外務大臣を拝命いたしました上川陽子です。

本日は、4年ぶりの対面開催となる第63回海外日系人大会に合わせ、私が、外務大臣として初めて主催するレセプションに、世界各地から多くの日系人の皆様をお迎えすることができまして、大変嬉しく思います。皆様が各地で大いに活躍されていることは、私としても心強い限りです。

私の地元静岡県には多くの日系人がお住まいで、特に、浜松市には日本で最大の日系人コミュニティが築かれており、長年、日系人の皆様との御縁を感じてまいりました。

1868年、いわゆる「元年者{がんねんものとルビあり}」による移住の年から今日まで、150年以上もの長い歴史が紡がれてきました。私の座右の銘は「鵬程万里」、高い理想を掲げて遠くを見つめる、というものです。

戦前・戦後、世界各地に移住された皆様、また、皆様の御先祖は、まさに「鵬程万里」の志を持って、幾多の苦難を乗り越え、その勤勉さにより、各国の発展に多大な貢献をされ、日系人や日系社会への信頼と尊敬を集めてこられました。

今では、日系は8世を数えるまでに至り、世界各国で、また日本において、様々な分野で活躍されており、日本の存在感を高めることにも貢献していただいています。

以前南米を訪問した際に、若い世代の日系人が、生活の中に今の日本人が忘れかけている良き日本人の伝統を大切に受け継がれていることに触れ、感銘を受けた記憶があります。日系人の皆様は、日本にとっての宝であり、外務省としても、日系社会との連携を更に強めてまいります。

私が政治家を志したきっかけは、今から30年近く前のアメリカ留学時代、海外から日本を眺めるという貴重な経験をしたことでした。日本の良いところ、足りないところがはっきりと見え、日本をより良い国に改革していきたいと考えたことにさかのぼります。

本日御参加の日系人の皆様は、まさに海外から日本を見続けてこられました。本日は時間が許す限り、そうした点についても御意見を伺えればと楽しみにしております。

最後になりますが、皆様の、日本での御滞在が有意義なものとなりますよう、そして、皆様の御健勝と御発展を心から祈念申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。