[文書名] 「第4回モルドバ支援閣僚級会合」における上川外務大臣ビデオ・メッセージ
御参加者の皆様、
日本国外務大臣の上川陽子です。まず始めに、サンドゥ大統領、レチェアン首相、コロンナ大臣、ベアボック大臣、オドベスク大臣、ポペスク大臣の本会合の開催にかかるイニシアティブに感謝申し上げます。
ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。そのウクライナに手を差し伸べるモルドバの今日までの取組は、ウクライナのために立ち上がる勇気ある行動として称賛されるべきです。
私自身、昨年末、ウクライナの人々に発電機を送る越冬支援イニシアティブに、発起人かつ有志議員グループ代表として自ら取り組む等、ウクライナ及びモルドバを含む周辺国の困難に直面する人々の支援に取り組んできました。今回外務大臣として、多くの困難に直面しつつもその自由と民主主義を守るモルドバの支援に関与できることは、大きな喜びです。
ご出席の皆様、我が国は、ロシアによるウクライナ侵略開始以降、侵略の影響に直面するモルドバに対し、1.76億ドル以上の支援を表明しました。モルドバが、モルドバ自身が困難な状況にあるにもかかわらず、多くのウクライナ避難民を受け入れているなど、ウクライナ人の生命を守るために、多大な貢献をしていることに、改めて最大限の敬意を表します。
本年、我が国は、1億ドル相当の円借款をモルドバに供与することを決定しました。本財政支援により、モルドバの社会、経済がより強靱なものとなり、モルドバの欧州統合への道が確かなものとなることを望みます。
さらに、日本はモルドバによる金利支払い負担軽減のため、世界銀行のグローバル譲許的資金ファシリティ(GCFF)に対して、約1,700万ドルの拠出を行っています。
女性や女児の保護や救済に取り組みつつ、女性自身が指導的な立場に立って紛争の予防や復興・平和構築に参画することで、より持続可能な平和に近づくことができる、これが、「女性、平和、安全保障」、いわゆるWPSの考え方です。
モルドバを支援するにあたっても、この女性の視点は欠かしてはならないものです。日本はこれまで、国連女性機関(UN Women)への資金拠出を通じ、ロシアのウクライナ侵略により影響を受けるモルドバの脆弱な人々、特に女性及び女児の支援に、一貫して取り組んでいます。この文脈で、サンドゥ大統領に、去年の「国際女性会議WAW!」に参加いただき、改めて感謝申し上げるとともに、この分野で引き続き大統領と協力していきたいと思います。
日本は、モルドバ政府及びモルドバ国民の皆様に寄り添い、ご出席の同志国の皆様と共に、日本ならではの支援を今後とも続けていきます。
ご清聴ありがとうございました。