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日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所

[文書名] 令和6年「北方領土返還要求全国大会」における上川外務大臣挨拶

[場所] 
[年月日] 2024年2月7日
[出典] 外務省
[備考] 
[全文] 

 皆様におかれましては、日頃から、北方領土問題の解決に向けた、国民世論の啓発と結集のために様々な活動に御尽力いただいており、心から感謝申し上げます。

 北方領土問題は日露間の最大の懸案事項です。政府として、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していく考えです。

 一方、日露関係は引き続き厳しい状況にあります。2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、我が国は、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携しつつ、ロシアに対して厳しい制裁を行うなどの取組を進めてまいります。

 同時に、漁業などの経済活動や海洋における安全に係る問題のように日露が隣国として対処する必要のある事項については、我が国の外交全体において何が我が国の国益に資するかという観点から、適切に対応してまいります。

 そして、北方墓参を始めとする北方四島交流等事業の再開は日露関係における最優先事項の一つです。私のところにも平均年齢88歳の御高齢となられた元島民の方々の切実なお気持ちが届いています。こうしたお気持ちに何とか応えたいとの強い思いをもって、ロシア側に対し、今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を引き続き強く求めてまいります。

 領土問題の解決、そして平和条約の締結に向け、私自身、外務大臣としてしっかりとリーダーシップを発揮してまいります。引き続き皆様からも御支援と御協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。

令和6年2月7日

外務大臣 上川陽子