[文書名] 日・マダガスカル共同記者発表(上川外務大臣発言)
今回、日本の外務大臣として初めてマダガスカルを訪問できて光栄に思います。
先程、ラサタ外務大臣と会談を行い、日本とマダガスカルとの二国間協力につき、率直かつ充実した意見交換を行いました。
私から、先月のサイクロン「ガマネ」の被害に対してお見舞いを申し上げ、緊急のニーズに応え、食糧援助の一部を被災地に供与する旨お伝えしました。
会談においては、日本が支援するトアマシナ港に代表される海の連結性強化の重要性にも触れつつ、同じ海洋国家として、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が不可欠であるとの認識を共有しました。
ラサタ大臣から、過去のTICADの際に提唱されたFOIPに賛同の意が示され、両国で連携していくことが確認されました。
また、マダガスカルは経済安全保障の観点からも日本にとって重要なパートナーです。日本の対アフリカ投資案件として最大規模となるアンバトビー・ニッケル事業についても議論しました。
約9千人の現地雇用を創出し、鉱物資源のバリューチェーン強化にも貢献する同事業の安定的な運営に向けて、引き続き両国で協力していくことを確認しました。
そして、新たな開発協力大綱で打ち出したオファー型協力を活用して、都市圏の広域開発と重要鉱物の生産技術底上げにつながる多角的な開発に取り組むことで経済強靱化を共に進めていくことで一致しました。
更に、私からラサタ外務大臣に対し、国際社会の平和と安定、繁栄を実現する上で、法の支配や人権といった基本的価値・原則に加え、女性・平和・安全保障(WPS)の視点が重要であることを述べ、国際社会においてWPSを共に推進していくことで一致しました。
この後のワーキング・ランチでは、地域情勢及び国際場裏における協力について意見交換する予定です。
また、明日はラジョリナ大統領を表敬する予定です。
今般のマダガスカル訪問を弾みとして、本年8月のTICAD閣僚会合及び来年8月のTICAD9を見据えながら、二国間関係及び国際場裡での協力のさらなる強化に向け、マダガスカルと緊密に連携していきます。
ありがとうございました。