[文書名] 「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議 第4回会合 セッション1:大臣冒頭メッセージ
「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第4回会合セッション1:大臣冒頭メッセージ
この度は、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第4回会合に御出席いただきありがとうございます。本日の会場からも臨める横浜港には、1859年に国際貿易港として開港して以来、150年を超える長い歴史の中で、海外の窓口として国内外から技術・文化・人が集まり続けております。被爆地広島、長崎に続いて、ここ、横浜で皆様をお迎えできたことを大変嬉しく思います。
国際社会を見渡せば、ロシアによるウクライナ侵略や北朝鮮の核・ミサイル開発、更には、中東情勢の緊迫化等により、分断や対立が一層深まり、核軍縮を巡る情勢も厳しいものとなっています。そのような中だからこそ、私たちは、核軍縮・不拡散の礎石たるNPT体制の重要性を強く訴えていかなければなりません。
今次会合では、長崎での前回会合の議論を踏まえ、2026年の次回NPT運用検討会議に向けて最終成果物をまとめるべく、具体的な議論を更に深める予定と伺っています。
この国際賢人会議は、核兵器国と非核兵器国の双方からの参加者が、核軍縮を巡る根本的な課題に腰を据えて取り組むことができる大変貴重な場であり、時間が許せば私自身も参加して皆様の議論を伺いたいと考えていました。残念ながらそれはかないませんでしたが、忌憚なく議論いただき、来年、貴重な提言を頂けることを大変楽しみにしています。皆様からの提言は、必ずや国際社会の機運を高め、「核兵器のない世界」の実現に向けた歩みにつながっていくと確信しています。
この機会に、我が国の継続的な取組についても簡単に紹介したいと思います。ちょうど一年前、G7広島サミットにおいて「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」を発出しました。その後、岸田総理は、昨年9月の国連総会一般討論演説で、核兵器国を具体的な核軍縮措置に巻き込むことが重要であり、安保理非常任理事国として、核兵器国と非核兵器国の間の議論を促進していくことを打ち出しました。その一環として、私も本年3月にNYを訪れ、核軍縮・不拡散をテーマとする安保理閣僚級会合を主催しました。
また、岸田総理のリーダーシップの下、新たに12か国から成る「FMCTフレンズ」の立ち上げを表明しました。引き続き、国際賢人会議の皆様の叡智も頂きつつ、現実的かつ実践的な取組を継続してまいります。
最後に、皆様がここ、港町・横浜を堪能しつつ、国際賢人会議としての最終成果物の作成に向けた議論を深めていただけることを祈念しております。
(了)