[文書名] 水の国際行動10年に関する第3回ハイレベル会合「気候、強靱性、環境のための水」セッションにおける上川大臣基調講演
御参加者の皆様、
日本国外務大臣の上川陽子です。本日、ビデオメッセージの形ではありますが、基調講演の機会をいただき光栄です。
まず、タジキスタン共和国大統領のエモマリ・ラフモン閣下の温かいご招待に感謝申し上げますとともに、「水の国際行動10年に関する第3回ハイレベル会合」の成功裏の開催を心からお喜び申し上げます。
この会議は、私がエジプトのスウィラム水灌漑大臣とともにテーマ別討議3の共同議長を務めた昨年3月の国連水会議2023のフォローアップを行う大事な場です。この貴重な機会に、水が直面している危機、そして我々の迅速な行動の必要性について、改めて強調したいと思います。
テーマ別討議3のキーワードは気候、強靭性、環境、生物多様性、防災、そして「源流から海まで」です。いずれも重要な課題です。
国連水会議から1年あまりを経て、今申し上げた課題はどんどん深刻なものとなっています。気候変動による変化のスピードに負けない又は追い越すスピードの行動が求められています。
日本は、気候変動が叫ばれる以前より多くの自然災害に苦しみ、立ち向かい、乗り越えてきました。今こそ、日本の経験や人材を、国際社会のために役立てる時です。今こそ行動が必要なのです。
日本は、多くの国や国際機関と連携し、「熊本水イニシアティブ」をはじめとする「水アクションアジェンダ」を通じ、様々な取組を推進しています。
日本は、活発な友人たちの後押しもしています。エジプトがWMOとともに主導している「水アクションアジェンダ」である「AWARe」についても、日本として関心表明しました。
そして、これらの施策の実施に当たっては、後発開発途上国(LDC)や小島嶼開発途上国(SIDS)、女性や子供、若者や高齢者、障がいがある方や先住民族など、脆弱な立場の人々に焦点を当てながら取り組みます。
皆さま、私たちが今行動しなければ、次の世代は深刻な環境被害に直面することになります。
皆で力を合わせ、実現しましょう。2028年の国連水会議の開催予定国となっているタジキスタン、本セッションの共同議長であるエジプトの引き続いてのリーダーシップに期待しています。
誰一人取り残さず、望ましい未来のために、水を通じてすべての目標とゴールを達成できるよう、力を合わせましょう。
ありがとうございました。