[文書名] 2024年WPSフォーカル・ポイント・ネットワークハイレベル・サイドイベント(国連総会ハイレベルウィーク)上川大臣ステートメント
冒頭発言
●私(上川大臣)が外務大臣に就任し、昨年の本会合に参加してから約1年。この間、WPSアジェンダを、外交政策の主要な柱のひとつと位置づけ、3つの方針で取り組んできた。
●第1に、WPSを推進する体制整備に取り組んだ。外務省内には組織横断的なタスクフォースを立ち上げ、さらに防衛省や消防庁など、関係省庁との連携を拡大した。また、市民社会やWPS議会人ネットJAPANとの連携強化に取り組んだ。
●第2に、全ての外交政策にWPSの視点を盛り込み、150回に及ぶバイやマルチの機会でWPSを取り上げ、国際連携を呼びかけてきた。具体的には、6月に署名された「日・ウクライナ支援・協力アコード」には、あらゆる人道・復興支援にWPSの視点を取り入れることを明記した。また、先月開催したTICAD閣僚会合でも、WPSの役割と女性や若者の視点の重要性を多くのアフリカ諸国の閣僚と確認した。さらに、北欧、中南米等地域レベルでもWPSも踏まえた外交イニシアチブを発表した。
●第3に、WPSを次の次元に高めるための、国際的なネットワークの拡大を行った。「WPS+イノベーション」と題する政策フォーラムを立ち上げ、世界各国の外交官や国際協力の関係者のみならず、民間、地方議員、有識者等様々な関係者と意見を交わし、持続可能な平和と安定のために女性の参画とリーダーシップを生かす方策について議論してきた。
●こうした取組をすすめ、関係者と緊密に意見交換を行う中で、「点」から「面」へと各国への協力を結び、世界で好事例を共有し広げていくことの重要性を感じている。
●WPSフォーカル・ポイント・ネットワーク(FPN)は好事例を共有し、各国の連携を後押しし、WPSアジェンダを推し進めていく上で、欠かすことの出来ないフォーラムである。特に2025年は、画期的な国連安保理決議1325号の決議から25周年であり、FPNの役割にかかる期待もこれまで以上に大きい。
●この記念年に、これまで培ってきた日本の取組に立脚しつつ、FPNの各国と共にWPSアジェンダを一層力強く推進するため、日本は2025年、ノルウェーと共にFPNの共同議長を務める。
●ウクライナ侵略は今なお続き、ガザ情勢も日に日に深刻さを増す中、WPSを意識した取組はかつてなく重要性を増している。平和構築における女性の役割の拡大、防災など新しい分野へのWPSの概念の適用、女性の参画をより確たるものにするための方策、そしてこうしたアイディアを具体的な行動に移すための行動計画の策定と実施の重要性など、我々が共に取り組むことの出来る課題は数多くある。
●共同議長として、10月のWPSウィークに具体的なビジョンをFPNメンバーに示したい。また、この機に来年2月4~6日に東京で首都会合を開催することをアナウンスする。多くの関係者の方を東京にお迎えすることを楽しみにしている。
●最後に、2024年にFPNをリーダーシップ・クアッドとして牽引してきた米国とルーマニア、スイス、南アフリカ、及びFPN事務局のUNWomenに感謝の意を表したい。
●WPS25周年を迎える中、まだまだやるべきことは多くある。日本は、WPSをさらに推進し、国際的な連帯をより強固なものとして次の25年を切り開くため、ノルウェーと協同しFPNの活動を一層盛り上げていきたい。
結語
●御清聴ありがとうございました。