[文書名] 第20回「東京-北京フォーラム」開幕式における岩屋大臣挨拶
武藤敏郎「東京-北京フォーラム」日本側実行委員長、
莫高義中国国務院新聞弁公室主任、
御列席の皆様、おはようございます。
外務大臣の岩屋毅です。
本日、「東京-北京フォーラム」が記念すべき第20回目の開催を迎えることを心よりお喜び申し上げます。東京での対面開催は、実に6年ぶりと伺っています。コロナ禍でもオンラインで実施を継続された関係者の皆様のご努力に敬意を表します。
本フォーラムが長年にわたり、日中両国の有識者の方々が一堂に会する言論のプラットフォームとなっていることを、日本政府としても大変心強く感じております。
この20年間、日中両国は、隣国であるがゆえに様々な問題や懸案に直面し、幾度かの困難な時期を経験しました。しかし、日中双方の関係者の皆様の努力と御尽力により両国関係を着実に進展させてまいりました。
両国は、地域や世界に対しても大きな責任を有しており、日中関係の建設的かつ安定的な発展は、多くの国々や多くの人々が望んでいます。
そうした認識の下、私は、外務大臣に就任直後に、王毅外交部長と電話会談を行いました。日中間には様々な懸案と協力の可能性の両方が存在しており、両国の国民に「日中関係が発展して良かった」と実感してもらえるように、外務大臣同士でしっかりと意思疎通していこうと確認したところです。
石破総理は就任後、李強総理、習近平主席と、それぞれ日中首脳会談を行い、「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築するという大きな方向性を、改めて確認しました。日中両政府は、この方向性の下、あらゆるレベルで幅広い分野における意思疎通を強化していかなければなりません。
最近では、中国の査証免除措置が再開されるなど、日中関係のニュースにも前向きなものが少しずつ増え、日中関係は再び前に力強く進み始めました。
この歩みを更に推し進めるために、私自身も、両首脳の合意を踏まえ、できるだけ早く中国を訪問したいと考えています。そして、王毅外交部長との間で、懸案の解消と協力の拡大に向けてしっかりと議論を行う考えです。また、適切な時期に、王毅外交部長を日本にお迎えし、協力と連携を更に具体化させてまいりたいと思います。
本年の「東京―北京フォーラム」のテーマである「多国間協力に基づく世界秩序と平和の修復に向けた日中協力」は、非常に時宜を得たものです。
世界 情勢は、近年、大きな変革の時を迎えています。ロシアによるウクライナ侵略、そして中東情勢が長期化・複雑化する中で、国連安保理をどう機能させるか、グローバル・ガバナンスをどう立て直していくのか。それが問われています。こうした課題について、国際社会に責任を有する日中両国が、しっかり議論を行うことが重要だと思います。
日中関係の土台は、国民間の交流と相互理解にあります。一昨日発表された「日中共同世論調査」の結果を見ても、相互理解を一層深めることの重要性を改めて感じたところです。本日も、両国の有力な有識者の方々が、率直に意見を交わし、実り多い成果が得られることを心から期待しております。
最後に、長年にわたり、本フォーラムの開催に尽力されてきた関係者の皆様に深い敬意を表するとともに、本フォーラムの御成功と今後の益々の発展を祈念して、私の挨拶といたします。ありがとうございました。