[文書名] 岩屋外務大臣のアイランド・タイムズ紙、ティア・ベラウ紙(パラオ)への寄稿
Alii!(パラオ語で「こんにちは!」)
スランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領の二期目の就任式に出席するため、パラオを訪問します。私にとって初めての太平洋の島国への訪問であり、豊かな自然と青く澄んだ海に恵まれたこの美しい国を訪問することができることを、大変嬉しく思います。
日本政府及び国民を代表し、大統領の二期目の御就任を心からお祝い申し上げます。日本はパラオを重視しており、外務大臣である私自身が大統領就任式に出席することを決めました。
昨年11月、日本とパラオは外交関係を樹立してから30周年を迎えましたが、両国の交流の歴史は200年以上前、パラオに漂着した日本の船「神社丸」の乗員達が、パラオの方々に温かく助けていただいたことに始まります。第一次世界大戦後の日本の委任統治下において、最盛期には約2.5万人の日本人がパラオに移り住み、現在でも多くの日系人がパラオ社会のあらゆる分野で活躍されています。「トクベツ」や「ダイジョウブ」といった日本語由来のパラオ語が使われていることは、両国の長く深い交流の歴史を今に伝える象徴です。
今年は第二次世界大戦の終戦から80年にあたります。大戦中、ペリリュー島やアンガウル島は激戦地となりました。今日に至るまで、慰霊碑や墓地の管理、清掃、戦没者遺骨収集において、パラオの皆様から多大な御配慮と御協力を頂いており、今ではそのような歴史的背景も両国のキズナの礎となっています。戦後70年にあたる2015年には、当時の天皇皇后両陛下がパラオを御訪問され、ペリリュー島では「西太平洋戦没者の碑」にて御供花されました。
今回の私のパラオ訪問では次の2点を軸とし、このような深い友情とキズナによって結ばれた両国間の「トクベツ」な関係を更に強化したいと思います。
一つ目は、日パラオの友好関係の更なる促進です。
日本とパラオは、自由で開かれたインド太平洋の実現という目標を共有しています。こうした背景の下、両国間の信頼関係を一層強化し、地域の安定と繁栄の実現に向けた連携・協力を確認したいと思います。また、日本はこれまで、パラオの経済成長及び平和と安定を後押しすべく、様々な協力を行ってきました。今後もパラオ側のニーズに寄り添った協力を進めていくための努力を惜しみません。
加えて、人的交流や草の根レベルでの交流は、両国間の関係強化に不可欠な要素です。パラオでは、ちょうど100年前の1925年に日本人がパラオに伝えた「ヤキュウ」(パラオ語)が現在も人気であり、両国間ではスポーツ交流が楽しまれています。対日理解促進交流プログラム(JENESYS)を通じた青少年交流も活発に行われており、こうした活動に参加した方々が将来、両国間の「架け橋」となることを願ってやみません。今年春には日パラオ間直行チャーター便が就航予定であり、これをきっかけとした更なる人的交流の促進を歓迎するとともに、多くの日本人が、この美しいパラオの島々を訪問することを期待しています。
二つ目は、昨年7月にウィップス大統領の出席も得て東京で開催した「第10回太平洋・島サミット(PALM10)」の成果をフォローアップすることです。PALM10では、日本と太平洋島嶼国・地域が共通の課題に取り組みながら、未来に向けて「共に歩む」関係を確認し、成果として「PALM10首脳宣言」及び「PALM10共同行動計画」を採択しました。これらの成果を具体的に進め、次のPALM11に確実に繋げていくための議論を継続します。 地域を取り巻く国際環境が大きく変化する中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことがますます重要であり、この共有されたビジョンを実現する上で、日本と太平洋島嶼国・地域は互いに強固なパートナーです。日本は、パラオを含む地域の一体性と太平洋諸島フォーラム(PIF)による「2050年戦略」の取組を強力に支持し、太平洋島嶼国・地域のニーズに寄り添いながら、これからもこの地域全体の信頼できるパートナーであり続けたいと強く思っています。来年、パラオはPIF議長国を務める予定です。日・太平洋島嶼国地域の関係強化を図る上でも、日パラオ二国間関係が果たす役割は一層重要となります。
今回は短い訪問にはなりますが、ウィップス大統領及びアイタロー国務大臣を始め、パラオの皆様にお会いできることを楽しみにしています。そして、私の訪問を機に、日本とパラオとの「トクベツ」な関係が更に発展することを願っています。
Me sulang. (パラオ語で「ありがとう」)Alii!(パラオ語で「こんにちは!」)
スランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領の二期目の就任式に出席するため、パラオを訪問します。私にとって初めての太平洋の島国への訪問であり、豊かな自然と青く澄んだ海に恵まれたこの美しい国を訪問することができることを、大変嬉しく思います。
日本政府及び国民を代表し、大統領の二期目の御就任を心からお祝い申し上げます。日本はパラオを重視しており、外務大臣である私自身が大統領就任式に出席することを決めました。
昨年11月、日本とパラオは外交関係を樹立してから30周年を迎えましたが、両国の交流の歴史は200年以上前、パラオに漂着した日本の船「神社丸」の乗員達が、パラオの方々に温かく助けていただいたことに始まります。第一次世界大戦後の日本の委任統治下において、最盛期には約2.5万人の日本人がパラオに移り住み、現在でも多くの日系人がパラオ社会のあらゆる分野で活躍されています。「トクベツ」や「ダイジョウブ」といった日本語由来のパラオ語が使われていることは、両国の長く深い交流の歴史を今に伝える象徴です。
今年は第二次世界大戦の終戦から80年にあたります。大戦中、ペリリュー島やアンガウル島は激戦地となりました。今日に至るまで、慰霊碑や墓地の管理、清掃、戦没者遺骨収集において、パラオの皆様から多大な御配慮と御協力を頂いており、今ではそのような歴史的背景も両国のキズナの礎となっています。戦後70年にあたる2015年には、当時の天皇皇后両陛下がパラオを御訪問され、ペリリュー島では「西太平洋戦没者の碑」にて御供花されました。
今回の私のパラオ訪問では次の2点を軸とし、このような深い友情とキズナによって結ばれた両国間の「トクベツ」な関係を更に強化したいと思います。
一つ目は、日パラオの友好関係の更なる促進です。
日本とパラオは、自由で開かれたインド太平洋の実現という目標を共有しています。こうした背景の下、両国間の信頼関係を一層強化し、地域の安定と繁栄の実現に向けた連携・協力を確認したいと思います。また、日本はこれまで、パラオの経済成長及び平和と安定を後押しすべく、様々な協力を行ってきました。今後もパラオ側のニーズに寄り添った協力を進めていくための努力を惜しみません。
加えて、人的交流や草の根レベルでの交流は、両国間の関係強化に不可欠な要素です。パラオでは、ちょうど100年前の1925年に日本人がパラオに伝えた「ヤキュウ」(パラオ語)が現在も人気であり、両国間ではスポーツ交流が楽しまれています。対日理解促進交流プログラム(JENESYS)を通じた青少年交流も活発に行われており、こうした活動に参加した方々が将来、両国間の「架け橋」となることを願ってやみません。今年春には日パラオ間直行チャーター便が就航予定であり、これをきっかけとした更なる人的交流の促進を歓迎するとともに、多くの日本人が、この美しいパラオの島々を訪問することを期待しています。
二つ目は、昨年7月にウィップス大統領の出席も得て東京で開催した「第10回太平洋・島サミット(PALM10)」の成果をフォローアップすることです。PALM10では、日本と太平洋島嶼国・地域が共通の課題に取り組みながら、未来に向けて「共に歩む」関係を確認し、成果として「PALM10首脳宣言」及び「PALM10共同行動計画」を採択しました。これらの成果を具体的に進め、次のPALM11に確実に繋げていくための議論を継続します。 地域を取り巻く国際環境が大きく変化する中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことがますます重要であり、この共有されたビジョンを実現する上で、日本と太平洋島嶼国・地域は互いに強固なパートナーです。日本は、パラオを含む地域の一体性と太平洋諸島フォーラム(PIF)による「2050年戦略」の取組を強力に支持し、太平洋島嶼国・地域のニーズに寄り添いながら、これからもこの地域全体の信頼できるパートナーであり続けたいと強く思っています。来年、パラオはPIF議長国を務める予定です。日・太平洋島嶼国地域の関係強化を図る上でも、日パラオ二国間関係が果たす役割は一層重要となります。
今回は短い訪問にはなりますが、ウィップス大統領及びアイタロー国務大臣を始め、パラオの皆様にお会いできることを楽しみにしています。そして、私の訪問を機に、日本とパラオとの「トクベツ」な関係が更に発展することを願っています。
Me sulang. (パラオ語で「ありがとう」)